“鎖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とざ57.0%
くさり23.7%
6.3%
5.2%
じょう1.8%
くさ0.8%
しま0.8%
とざし0.8%
ぐさり0.5%
ぢやう0.5%
チエン0.5%
0.3%
ささ0.3%
じやう0.3%
つな0.3%
0.3%
チェン0.3%
チェーン0.3%
チエイン0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの旗手とともにこの物遠く紅の海邊うみべに進み、彼とともに世界をば、イアーノの神殿みやとざさるゝほどいと安泰やすらかならしめき 七九—八一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「なにが、無態だ。なんじらの馬鹿げた迷妄を、の勇をもって、ましてくるるのがなんで無態か。鍛冶かじを呼んで、くさりを切らせろ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と入る。たもとすがって、にえの鳥の乱れ姿や、羽掻はがいいためた袖を悩んで、ねぐらのような戸をくぐると、跣足はだしで下りて、小使、カタリと後を
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだらな雪、枯枝をゆさぶる風、手水鉢ちょうずばちざす氷、いずれも例年の面影おもかげを規則正しく自分の眼に映した後、消えては去り消えては去った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
されどもかれは聞かざる真似して、手早くじょうを外さんとなしける時、手燭てしょく片手に駈出かけいでて、むずと帯際を引捉ひっとらえ、掴戻つかみもどせる老人あり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
波に千鳥をすかして、すかした所に紙が張ってある。このなかへ、どうしたらがつけられるのかと、先生は仰向あおむいて長いくさりをながめながら考えた。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
入れて、持って参りますと、しまって居て開かないばかりでなく、中でうめき声が聴えるじゃございませんか
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
豕がなかなか旨く門戸のとざしを開くは、ただ猫のみこれに比肩し得る。ツーマー兄弟なる者豕を教えて二週間の後とりの在所を報ぜしめ、それより数週後に獲物を拾い来らしめた。
鎌を、手元に持って、分銅ぐさりに相手の刀を巻きつけた宍戸梅軒ししどばいけんは、その鎖を張りながらいった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あまつさドアには、觀世綟くわんぜよりぢやうもさゝず、一壓ひとおしにせばくものを、ときまで美少年びせうねんくだん自若じじやくたる態度たいどつゞけた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これが人間の作ったものかと思うと、物が云えなくなる位ステキなもんだぜ。そいつを索条ワイヤチエンでジワジワと釣り上げるだけでも、チョットやソットの仕事じゃない。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
栓をってしまったゞ、店には忰と十七八の若い者と二人居るとけえ来て、声を立てると打斬ぶちきってしまうぞと云うから、忰も若い者も口が利けない、すると神妙にしろ、亭主は何処どこにいる
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
終日ひねもす灰色に打曇りて、薄日をだにをしみてもらさざりし空はやうやく暮れんとして、弥増いやます寒さはけしからず人にせまれば、幾分のしのぎにもと家々の戸は例よりも早くさされて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かくしてくにも、なんなかも、どんなはこ安心あんしんならず……じやうをさせば、此處こゝ大事だいじしまつてあると吹聽ふいちやうするも同一おなじります。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アイスキュロスは、舞台上で同時に用い得る声の数が限られている事に依て、そこで止むなく、コオカサスにつなぐプロメトイスの沈黙を発明し得たのであります。
鬱屈禍 (新字新仮名) / 太宰治(著)
門をめ、本堂のシトミまでも下して、堂内に静坐し、十露盤を控へて、ぱち/\と数をめて行つたさうだ。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
たとえばツチの巨材をチェンにかけて、前後四人で担ぐにしても、相手が腰を切ッても、ぼくには腰が切れない、又、よろけ勝ちになるなど、歯をくいしばッても一人前には出来ない事が多かった。
小僧「では……これでございます。このチェーンベルトがドンドン走りますんで。タンクの車輪の上を走るあの鎖ベルトと同じ様なものです。」
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
ひとつた……隧道トンネルもつてのほかチエインがある。普通ふつう我國わがくにだい一ととなへて、(代天工てんこうにかはる)と銘打めいうつたとく、甲州かふしう笹子さゝご隧道トンネルより、むしはうながいかもれぬ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)