“鎖(ぢやう)” の例文
剩(あまつさ)へ其(そ)の扉(ドア)には、觀世綟(くわんぜより)の鎖(ぢやう)もさゝず、一壓(ひとお)しに押(お)せば開(あ)くものを、其(そ)の時(とき)まで美少年(びせうねん)は件(くだん)の自若(じじやく)たる態度(たいど)を續(つゞ)けた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
其(その)室(しつ)は当時家中(かちう)に聞(きこ)えし美人なりしが、女心(をんなごころ)の思詰(おもひつ)めて一途に家を明渡すが口惜(くちをし)く、我(われ)は永世(えいせい)此処(このところ)に留(とゞ)まりて、外へは出(い)でじと、其(その)居間に閉籠(とぢこも)り、内より鎖(ぢやう)を下(おろ)せし後(のち)は、如何(いかに)かしけむ
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)