“件”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くだん76.8%
くだり10.2%
けん5.0%
くだ4.6%
こと1.9%
かど0.6%
クダリ0.6%
ともな0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くだん古井戸ふるゐどは、先住せんぢういへつまものにくるふことありて其處そこむなしくなりぬとぞ。ちたるふた犇々ひし/\としておほいなるいしのおもしをいたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
右のくだり船戸ふなどの神より下、邊津甲斐辨羅の神より前、十二神とをまりふたはしらは、身にけたる物を脱ぎうてたまひしに因りて、りませる神なり。
宗助そうすけにも御米およねにもおもけないほどたまきやくなので、二人ふたりともなにようがあつての訪問はうもんだらうとすゐしたが、はたして小六ころくくわんするけんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その当時、わたしは十三、四歳であったが、一編の眼目とする牡丹燈籠の怪談のくだりを読んでも、さのみに怖いとも感じなかった。
寄席と芝居と (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お秀の事はさて置いてと、このことを通信して明日の新聞に間に合うように直ぐ(じゃむこう)を走らせよう。深川夫人と名を載せます。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これよりグロモフのいへには、不幸ふかう引續ひきつゞいててセルゲイの葬式さうしきんだ一週間しうかんちゝのグロモフは詐欺さぎと、浪費らうひとのかどもつ裁判さいばんわたされ、もなく監獄かんごく病院びやうゐんでチブスにかゝつて死亡しばうしてしまつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「九つ梯子」から「あるぞえ、あるぞえ」の耳打ちのクダリに到るまで、はしやぐお軽に属する部分に、皆の見外してゐるお軽の自由性と、穢れない処女性、さう言ふものを見た筈なのである。
學院がくゐんつかはして子弟していともなはしむれば、なるがゆゑ同窓どうさうはづかしめらる。さら街西がいせい僧院そうゐんりてひと心靜こゝろしづかにしよましむるに、ることわづかじゆんなるに、和尚をしやうのために狂暴きやうばううつたへらる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)