“かど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カド
語句割合
39.5%
39.0%
15.6%
3.6%
稜角0.3%
0.2%
圭角0.2%
0.2%
下土0.1%
0.1%
才学0.1%
0.1%
0.1%
角家0.1%
角度0.1%
角稜0.1%
角蔵0.1%
過度0.1%
門口0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右へ曲るかどにバーがあって、入口に立てた衝立ついたての横から浅黄あさぎの洋服の胴体が一つ見えていたが、中はひっそりとして声はしなかった。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ここの勘定は半七が払って、三人は料理屋のかどを出ると、宵闇ながら夜の色は春めいて、なまあたたかい風がほろよいの顔をなでた。
半七捕物帳:40 異人の首 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ればといいこれを幕府の方に渡せば、殺さぬまでもマア嫌疑けんぎの筋があるとか取調べるかどがあるとかいっ取敢とりあえず牢には入れるだろう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
氷山のかどが桃色や青やぎらぎら光つて窓の外にぞろつとならんでゐたのです。これが風のとばしてよこしたお話のおしまひの一切れです。
氷河鼠の毛皮 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
寒さは強く、路上の雪は稜角かどある氷片となりて、晴れたる日に映じ、きら/\と輝けり。車はクロステル街に曲りて、家の入口に駐まりぬ。この時窻を開く音せしが、車よりは見えず。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
これよりグロモフのいえには、不幸ふこう引続ひきつづいててセルゲイの葬式そうしきんだ一週間しゅうかんちちのグロモフは詐欺さぎと、浪費ろうひとのかどもっ裁判さいばんわたされ、もなく監獄かんごく病院びょういんでチブスにかかって死亡しぼうしてしまった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その足音を聞きつけてか、奥の間で「文さんはやないと遅くなるヨ」トいうお政の声に圭角かどはないが、文三の胸にはぎっくりこたえて返答にも迷惑まごつく。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
内実はいずれも生活の饒多と単調さにみはて、なにか身震いのでるような強い刺戟を求めているので、わずかな難儀ですむなら、手荒な山武士にかどわかされてみたいとか、すぐ生返れるのなら
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
慈風の如く下土かどに遍照し流行して、人類が共に永久の平和を楽しむの日有るを語ったもの、人類の歴史は虎狼の群羊を駆るが如く、強者が弱者を圧してまざるものであるけれども
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
かどのお札をさえ見掛けての御難題、坊主に茶一つ恵み給うも功徳なるべし、わけて、この通り耳もうとし、独旅ひとりたび辿々たどたどしさもあわれまれよ。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
容止みかほたかくさかしくて音辞みことばすぐあきらかなり。天命開別あめみことひらかすわけの天皇(天智天皇)の為にめぐまれたまふ。ひととなるに及びてわいわいしくて才学かど有り、もっと文筆ふみつくることこのむ。詩賦しふおこり、大津より始まれり……。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
そのころ通油町とおりあぶらちょうに住んで、町医者でありながらひとかど以上の見識を持っていた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
あわてゝ袢纒はんてんを引つかけて、襟も裾も合つては居ませんが、他には別に不審のかどもなかつたのです。
懐中ポケットを探って煙草に火を点けて、勢いよく角家かどの「貸家老舗しにせ案内社」と染抜いた暖簾のれんを潜った、そして特別料金を払って、仔細に一枚々々綴込帳を調べた上二十分も経ってから
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
秀た額、角度かど立った頤、頬骨低く耳厚く、頸足えりあし長く肩丸く、身長せいの高さ五尺七八寸、囲繞とりまいた群集に抽出ぬきんでている。垢付かぬ肌の清らかさは、手にも足にも充分現われ、神々しくさえ思われる。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
辰公たつこうの商売は、アナ屋だ。当節流行はやりの鉄筋コンクリートに、孔を明けたり、角稜かどを欠いたりする職工の、夫も下ッ端だ。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
構えこんでいる黒光りの角蔵かどにらんで、その奥座敷におさまる比丘尼びくに婆の、の十徳を着た女隠居に当りちらすのだった。
過度かど労働ろうどうでみんな神経衰弱しんけいすいじゃくにかかっているのではないかといううたがいをこしていました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
舎営の門口かどのきらめく歩哨ほしょうの銃剣、将校馬蹄ばていの響き、下士をしかりいる士官、あきれ顔にたたずむ清人しんじん、縦横に行き違う軍属、それらの間を縫うて行けば、軍夫五六人、焚火たきびにあたりつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)