“不幸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふこう52.2%
ふしあわせ15.9%
ふかう13.8%
ふしあはせ10.1%
ふしあわ2.9%
ふしやはせ2.2%
わざわい0.7%
けち0.7%
さいはひなき0.7%
みじめ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、いくらしあわせになっても、おとうさんや、おかあさんに、あわれないことは、なによりも不幸ふこうなことであったからであります。
三匹のあり (新字新仮名) / 小川未明(著)
それも悲しい晩方の空の色に、何となく一家の不幸ふしあわせを語っているようだ。囲炉裏の火は全く消えて、鉄瓶の湯も水に返ったらしい。
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
何故なぜそうきふしたかとのきみ質問しつもん御尤ごもつともである。ぼく不幸ふかうにしてこれきみ白状はくじやうしてしまはなければならぬことに立到たちいたつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そらくもくした! うすかげうへを、うみうへう、たちままたあかるくなる、此時このときぼくけつして自分じぶん不幸ふしあはせをとことはおもはなかつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「お母さんさえ生きていたら、私はこんな女にもならず、ほかの妹弟きょうだいたちも、あんな不幸ふしあわせにはならなかったろうに……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今の苦勞を戀しがる心も出づべし、斯く形よく生れたる身の不幸ふしやはせ、不相應の縁につながれて幾らの苦勞をさする事と哀れさの増れども
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
コノール (しゃがれ声にて)わしが王であった為に、わしが愛した為に、これほど多くの不幸わざわいがわしの身に来たのであろうか?
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
下女の中にて三郎兵衞を少しうたがふ者ありしが夫は證據なき事とて是非なく今年ことし厄落やくおとしと斷念あきらめ帳面を〆切しめきりしが是を不幸けちの始として只一人の娘にむこえらあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すなはいなび譲りて曰く、やつがれ不幸さいはひなき、元よりさはの病有り。何ぞ社稷くにいへを保たむ。願くは陛下きみ、天下を挙げて皇后に附けよ。りて大友皇子を立てて、よろしく儲君まうけのきみたまへ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
けよ! このむねよ! 破産はさんした不幸みじめこゝろよ、一思ひとおもひにけてしまうてくれい! 此上このうへらうはひれ、もう自由じいうるな! けがらはしい塵芥ちりあくため、もと土塊つちくれかへりをれ、きてはたらくにはおよばぬわい