“ふこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不幸88.9%
涪江2.5%
不孝2.5%
芙江1.2%
不倖1.2%
溥洽1.2%
巫口1.2%
浮光1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんためわたしだの、そらここにいるこの不幸ふこう人達ひとたちばかりがあだか献祭けんさい山羊やぎごとくに、しゅうためにここにれられていねばならんのか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「されば、涪江ふこうの流れは、数十里の長堤に防がれておるが、ひとたび堤を切らんか、水は低きに従って、あの辺り一円深さ一丈余の湖底と化し、一人も助かるものはあるまい」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いゑ生㧞はへぬきの實子じつしにてもあらば、かゝるむかへのよしや十たび十五たびたらんとも、おもひちての修業しゆぎやうなれば一トかど學問がくもんみがかぬほどは不孝ふこうつみゆるしたまへとでもいひやりて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
岩下一家が芙江ふこうに住んでいるということは前に言った。そこで、その芙江とはどんなところか?
朝鮮のこと、芙江ふこうのこと、叔母の家のこと学校のこと、かいつまんで、断片的に私は話した。
それだのに、その不倖ふこうがみんな当っていまはあなたさまにこういう悲しい御在世であるかどうかさえ、疑わずにいられぬような物の終りをかんじるようになりました。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
貞時の父は筒井を呼び改めて家族の一人として迎えたいといい、もう、精神的にも、情の深さからも、不倖ふこうな一家の事情からも、筒井は言い逃れはできないようになっていた。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
溥洽ふこうは建文帝の主録僧しゅろくそうなり。初め帝の南京なんきんに入るや、建文帝僧となりてのがれ去り、溥洽じょうを知ると言うものあり、あるいは溥洽の所にかくすとうあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
のち道衍どうえんの伝を読む。うちに記して曰く、道衍永楽えいらく十六年死す。死に臨みて、帝言わんと欲するところを問う。衍曰く、そう溥洽ふこうというものつながるゝこと久し。願わくは之をゆるしたまえと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
南蛮の沙摩柯しゃまかが、蛮土の猛兵数万をしたがえて参加するし、洞渓とうけいの大将杜路とろ劉寧りゅうねいのふたりも手勢を挙げて加わったので、全軍の戦気すでに呉を呑み、水路の軍船は巫口ふこう(四川省・巫山)へ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おせい様のような女は間違いのもとになりやすいのだ。ことに、おせい様の見ている前途の光は、明け方の色ではない。薄暮の浮光ふこうである。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)