“研”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
63.0%
みが27.3%
とぎ4.2%
きわ1.3%
けん0.8%
すゞり0.8%
0.4%
しら0.4%
すずり0.4%
といし0.4%
0.4%
みがき0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも陰二月暮れの北風はまだ雪と霜にがれて身をきりさいなんだ。爺はがたがた歯をふるわせつつ街外れの市場をうろつき廻った。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
幼少の時、剣槍けんそう男谷おたにの道場へ、後に九段の斎藤弥九郎の練兵館にみがき、学問はいう迄もなく、孜々ししと毎日三田の塾まで通っている。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お島は後向になったまま、何をするかと神経をとぎすましていたが、今までだるくて為方のなかった目までが、ぽっかりいて来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私は高い処にみずからを置いて説教しようと思うから、発言することができないのである。人々とともに歩め。ともに真理をきわめ、ともに徳を積め。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
けんさつ、三しんせん緊々きんきん縮々しゅくしゅく、などという表字法にみても、別してこの裴如海はいにょかいひとりがそう傑出した色坊主であったわけでもあるまい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿波の殿様がそれを見て、自分の秘蔵のすゞり七枚までも出すから、取り替ては呉れまいかとの談話はなしがあつたが、鶴笑はなか/\うんとは言はなかつた。
硯と殿様 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
それを自分と呼ぶのは、僭越せんえつすぎる、仮に血液と云っておこう。その血液を、わしは多少修養にけた。目的の道を誤たずに、ここまで来た力はその修養の力だった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、露月は半ば苦しげな瞳で、自分の作品をしらべるように見やりつつ、呟くように低く言うのでした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
弟はそれをすずりの上に置いてから書斎を出、うちの者に彼の函書はだれが持って来たかといって聞いたが、だれも知っている者がなかった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
首は千ばかりっておりますが、まだ新らしくといしにかけたようです。悪人を見ると鳴ってぬけます、どうも人を殺すのが近うございます。公子はどうか君子くんしと親しんで、小人しょうじんを遠ざけてください。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
でも食卓の周囲なぞは楽しくした方で、よくその食堂のすみのところに珈琲をく道具を持出して、自分でったやつをガリガリと研いたものだ。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それから二時間ばかり經ツて、周三はひげり、頭髪をき、薄色のサツクコートで、彼としてはみがき上げた男振をとこぶりとなツて、そゝくさいかめしい勝見家の門を出て行ツた。無論お房の家へ出掛けたので。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)