“与”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
あずか26.2%
あた19.7%
くみ17.7%
8.1%
とも7.0%
あず6.1%
あづか4.5%
4.1%
あづ1.1%
あたえ1.1%
1.1%
あたへ0.4%
あずかっ0.2%
あてが0.2%
あと0.2%
あとう0.2%
あわ0.2%
くれ0.2%
0.2%
そな0.2%
たずさ0.2%
0.2%
やっ0.2%
やら0.2%
やろ0.2%
アヅカ0.2%
アト0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時のことだった、私たちの生命を救うによほどあずかって力のあったあの向う見ずな考えの最初のものが、私の頭に思い浮んだのは。
そこにはかれの父も母もいるし、そうしてかれはなにかしれない力をあたえてくれるものもあるような気がしたからです。(昭3・1)
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
以上は名古屋市役所の編纂した『名古屋市史』に由って記した。この事件あってより尾張一藩はこぞって勤王党にくみすることとなった。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして自分が水をったので庭の草木の勢いが善くなって生々いきいきとして来る様子を見ると、また明日あした水撒みずまきをしてやろうとおもうのさ。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
瑞雲斎と事をともにした人に十津川産の宮太柱みやたちゆうがある。当時大木主水もんどと称してゐた。太柱は和漢洋の三学に通ずるを以て聞えてゐた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしはジャズ模倣の踊をする踊子の楽屋で、三社祭さんじゃまつりの強飯の馳走にあずかろうとは、全くその時まで夢にも予想していなかったのだ。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それには、是非ともお交際を願つて、いろ/\な立ち入つた御相談にも、あづからせて戴きたいと、それで実はあんな突然なお申込を……
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
それに、初めは何でもないように思われるもんじゃ。男の方でリボンだ、ショールだ、櫛だ、時計の鎖だと、いろんなものをれる。
麦畑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
日曜日の朝は、この若い奥さんは教会へミサにあづかりに外出するのが習慣でした。朝の九時、奥さんはテラスから奥に入りました。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
地球の緯度線が草鞋わらじの爪先に引っかかるわけである、しかも争うべからざるは朝の神秘なり、一たび臨むとき、木偶でくには魂を、大理石には血をあたえる。
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
明日あしたの空模様も、まず、晴と見ながら、表方へ来ると、ちょうど、徒士目付かちめつけ神崎かんざきろうも、供廻りの用意を終って、御用部屋の大きな火鉢のそばで一ぷくっていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくてのちおとゝ別家べつけする時家の物二ツにわかちて弟にあたへんと母のいひしに、弟は家財かざいのぞまず光る石を持去もちさらんといふ。
ソコで私がこの藩主にむかって大に談じられる由縁ゆかりのあるとうのは、その藩主と云う者は伊達だて家の分家宇和島うわじま藩から養子に来た人で、前年養子になると云うその時に、私があずかっおおいに力がある
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ことばも何にも分らねえひげムクチャの土人の中で、食物もろくろくあてがわれなかった時にゃ、こうして日本へ帰って無事にお光さんに逢おうとは、全く夢にも思わなかったよ
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
其方儀そのほうぎ、藩の御法を無視し、おのれ一個の我意をもって、弦之丞を逃がしたとは不都合至極しごく、その上御前をおそれぬ暴言、死をあとうべきやつなれど、乱心であろうとありがたい御斟酌ごしんしゃく、即刻
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつはまた金の持主は駈落者にて、今は生死のほども知れずに相なり候者故、これぞ正しく天のあとうる所。
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
十歳の時『史記』の講義を聴くに田忌でんき千金を賭け逐射した時孫子忌に教えてその下駟かしと敵の上駟とあわさしめ無論一度負ける、次にその上駟とかの中駟と
理由わけ糸瓜へちまもあるものかな。お客がくれるというんだから、取っといたらいいじゃないか。こういうものをもらって済まないと思ったら、一骨折って今の腕車くるまいてくれたまえな」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
西宮がした猪口に満々なみなみと受けて、吉里は考えている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
そなはつて居る物を食つて了はねば死なれぬと見える。」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
彼は今までいかなることにたずさわっても人に劣り、人に負けたという記憶を持っていなかった。幼年時代に破魔弓はまゆみの的を競えば、勝利者は必ず彼であった。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
『罪罰』に感激すると同時にステップニャツクを想い起し、かつ二葉亭をも憶い浮べた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
かくも僕はそういう少年でした。父の剛蔵はこのことを大変苦にして、僕のことを坊頭臭ぼうずくさい子だと数々しばしば小言こごとを言い、僧侶ぼうずなら寺へやっしまうなど怒鳴ったこともあります。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「貴公よく考えてみろ! 貴公はたか田舎いなかの小学校の校長じゃアないか。同じ乃公の塾に居た者でも高山や長谷川は学士だ、それにさえ乃公は娘をやらんのだぞ。身の程を知れ! 馬鹿者!」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
祖母は婆さんにやろうと思ってカステラを丁寧に切って居る。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
乳母オモに相談かけても、一代さう言ふ世事にアヅカつた事のない此人は、そんな問題には、カヒないタダ女性ニヨシヤウに過ぎなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
而シテ、各〻ニ美酒一杯ヲ飲マセ、マタ玉帯数条ヲ出シテアトウ。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその詩は「何年植向仙壇上、早晩移植到梵家、雖在人間人不識、与君名作紫陽花」(何ンノ年カ植エテ向フ仙壇ノホトリ、早晩移シ植エテ梵家ニ到ル、人間ニ在リト雖ドモ人識ラズ、君ガメニ名ヅケテ紫陽花トス)
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
池辺イケベ大宮シロシメス天下アメノシタ天皇。大御身オホミミヤミ時。歳次トシハヤドレル丙午。召シテ於大王天皇太子而誓願ハク。我大御病太平サント
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)