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与
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あずか
ふりがな文庫
“
与
(
あずか
)” の例文
旧字:
與
議会がこの事に
与
(
あずか
)
るのは、取りも直さず、議会に代表者を送るところの人民が間接にこの重要なる問題の議定に容喙するを得るので
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
その時のことだった、私たちの生命を救うによほど
与
(
あずか
)
って力のあったあの向う見ずな考えの最初のものが、私の頭に思い浮んだのは。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
ほんに、今日こそ、
氷室
(
ひむろ
)
の
朔日
(
ついたち
)
じゃ。そう思う下から歯の根のあわぬような悪感を覚えた。大昔から、暦は
聖
(
ひじり
)
の
与
(
あずか
)
る道と考えて来た。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
それには、是非ともお
交際
(
つきあい
)
を願って、いろ/\な立ち入った御相談にも、
与
(
あずか
)
らせて
戴
(
いただ
)
きたいと、それで実はあんな突然なお申込を……
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
イエス崇拝者は異教の密儀と同じく「主の食卓」においてキリストの血に
与
(
あずか
)
る酒杯を飲み、キリストの体に与るパンを食ったのである。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
その
中
(
うち
)
更に資本国はといえば最初の四国に止まるので、露と日とは
与
(
あずか
)
らぬ。更に金額の上よりいえば、日本は最下位におるものである。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
足利時代はその終りに至るまで、ついに『源語』的趣味の滅絶を見なかったが、実隆のごときはこれに
与
(
あずか
)
って大いに力ある者であろう。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
ただ抽斎の誕生を語るに当って、これをしてその天職を尽さしむるに
与
(
あずか
)
って力ある長者のルヴュウをして見たいというに過ぎない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
今や二条家の血統に歌人が絶えたので、飛鳥井家が撰者の地位を得、尭孝は二条流の道統を継ぐ者として、これに
与
(
あずか
)
ったのである。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
「いや、有難う。ほんとうにいろいろとお骨折に
与
(
あずか
)
りまして、………いずれ相談いたしまして、本家の意見も聞きました上で、………」
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その頃考古学の講義で聴いたフランスの学者がロゼッタストーンを研究した話などは、私の好奇心を高めるに
与
(
あずか
)
って力があった。
「古琉球」自序
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
これはしかし、ヴァイオリン・レコードをあさりつくした玄人蒐集家筋の贅沢で、単に音楽を愛するファンたちの
与
(
あずか
)
るべき道楽ではない。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
今までは西洋においても女性は男性ほどに教育の恩典に
与
(
あずか
)
るの便がなかったゆえ、その頭脳もまた思う存分に啓発されなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
若
(
も
)
し
謂
(
い
)
うところの芸術家のみが創造を
司
(
つかさど
)
り、他はこれに
与
(
あずか
)
らないものだとするなら、どうして芸術品が一般の人に訴えることが出来よう。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
今になりて思ひ得たる事あり、これまで余が
横臥
(
おうが
)
せるにかかはらず割合に多くの食物を消化し得たるは
咀嚼
(
そしゃく
)
の力
与
(
あずか
)
つて多きに居りし事を。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
国師の推薦に
与
(
あずか
)
って家康は上人を知り、千代田城の鬼門に当たる上野山に寛永寺を建立させ、これを鬼門除けの祈祷所とした。
増上寺物語
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
地上の分割に
与
(
あずか
)
るのは、それは学校を卒業したら、いやでも分割に
与
(
あずか
)
るのだ。商人にもなれます。編輯者にもなれます。役人にもなれます。
心の王者
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
まきはすつかり老齢に入つて、掃除や
厨
(
くりや
)
のことは若い女中に任せて自分はたゞ部屋に寝起きして、とき/″\女中の相談に
与
(
あずか
)
ればよかつた。
蔦の門
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
然し人々と同じやうに、その後の卓一の私事に就いてまつたく
与
(
あずか
)
り知らないことが、ひそかに彼を苛々させてゐたのであつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「これにてお召出しに
与
(
あずか
)
りましたお役目、どうやら無事に果しましてござりますが、就ては
舅上
(
ちちうえ
)
に改めてお願いがござります」
入婿十万両
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ついにはお胸の痛みが起こってきてお苦しみになった。
命婦
(
みょうぶ
)
とか
弁
(
べん
)
とか秘密に
与
(
あずか
)
っている女房が驚いていろいろな世話をする。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
しかも寺の僧はこれには
与
(
あずか
)
らぬので、
御正体
(
みしょうたい
)
は仏号である場合にも、祭の式には宅神祭のなごりかと思う古い形を留めていた。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
陪審人が
僧正
(
ビショップ
)
の夕餐に
与
(
あずか
)
るためには、罪人が一人
絞
(
くび
)
り殺される——って。だいたい、父という人物が、そういった
僧正
(
ビショップ
)
みたいな男なんです。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
其条件は光子が無事に産をしたなら二十個年子供の養育費として毎月五拾円を送る。其代り子供の戸籍については主家では全然
与
(
あずか
)
り知らない。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしこれは
初手
(
しょて
)
にどてらの方で自分の食いたくないものを、むしゃむしゃ食って見せて、自分の食慾を誘致した結果が
与
(
あずか
)
って力あるようだ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あるいはしからずとするも、非凡なる芸術的、哲学的天才のみの
与
(
あずか
)
ることを得る超越的認識のごとく思われる。しかしけっしてそうではない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「まあまあ、急ぐな。……
公事
(
くじ
)
にも
占相
(
せんそう
)
ということが
与
(
あずか
)
って力をなす。……おれは、いま金座の人相を見ているところだ」
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
たといバニャトーの説の如く、この酷法の内容は以前より存していたにもせよ、立法者の刑罰主義もまた
与
(
あずか
)
って力あったことは疑うべくもない。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
満洲に潜入しているJ・I・Cの活躍が
与
(
あずか
)
って力ある事を、意外にもペトログラドに於けるケレンスキー一派の諸新聞が
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
仏教を教えただけで決して彼が仏法を盗みに来たとかあるいはまた国内の事情を探りに来たということについては一つも私の
与
(
あずか
)
り知らぬ事である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「以ての外、拙者が九州人でない証拠は、拙者の
音
(
おん
)
を聞いたらわかるだろう、婦人や少年のことは
与
(
あずか
)
り知らんことじゃ」
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「今や支那分割の勢既に成りて
復
(
また
)
動かすべからず。我が日本の之に対する、如何にせば可ならん。全く分割に
与
(
あずか
)
らざらんか。進みて分割に与らんか」
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
私がその後
基督信者
(
キリストしんじゃ
)
になったのはこの時の感激が
与
(
あずか
)
って力ある。
尤
(
もっと
)
もこんな
経緯
(
いきさつ
)
から入った信仰だから至って怪しい。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それを作るに
与
(
あずか
)
って原因であったものが蘇りまた生きながらえることは決して欲しないと考えられ得るであろうか。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
筆者は……実は、この時の会の発起人の
一人
(
いちにん
)
であった。
敢
(
あえ
)
て言を構うるのではないが、塔婆の
閨
(
ねや
)
の議には
与
(
あずか
)
らない。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「皇叔とあなたは、むかし桃園に義をむすんで、心もひとつぞ、生死も共にと、お誓い合った仲と承る。なんで、
与
(
あずか
)
り知らぬで世間が通しましょうぞ」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さりながら、こは
独
(
ひと
)
り男子の罪のみに
非
(
あら
)
ず、婦人の卑屈なる依頼心、また最も
与
(
あずか
)
りて悪風習の因となれるなるべし。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
その隠し場所の秘密については、父の老博士すらも全く
与
(
あずか
)
り知らなかった。必要な際に新一がそれをどこからか持ち出して来るのを見るばかりであった。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
徳川氏の天下を治めたる文教の力
与
(
あずか
)
りて大ならずとせず。
寧
(
いずく
)
んぞ知らんや、この文教なるものは封建制度を寸断する危険なる分子をその中に含まんとは。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それで、どういうものを製作するかということについては、私は
与
(
あずか
)
り知りませんでしたが、いろいろ撰定の結果楠公の像を作るということに決定しました。
幕末維新懐古談:68 楠公銅像の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
戸外では霜の色に夜が薄れて行き、そんな母親の姿に豹一は幼心にもふと憐みを感じたが、お君は子供の年に似合わぬ同情や感傷など
与
(
あずか
)
り知らぬ母だった。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
第二第三の関門については、私は
与
(
あずか
)
り知りません。張教仁君、さようなら! いずれどこかで逢うことでしょう
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
けれども、今から想像してるその光栄に
与
(
あずか
)
りたいという彼の願望は、いたって謙譲な哀れ深いものだった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その後新しい『鴎外全集』が岩波書店から出た時も、潤三郎は相談に
与
(
あずか
)
って、校正に力を尽しました。岩波版の全集には、「校勘記」というものを添えました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
具体的に言えばトルストイ翁は男は種族の存続を履行することに
与
(
あずか
)
り得ないように言われたが、それは
何人
(
なんぴと
)
にも明白な誤謬である。人間は単性生殖を
為
(
な
)
し得ない。
母性偏重を排す
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その村落も、新たに土地を開墾して、農業を行った農村ならば、普通の
郷
(
ごう
)
となって、班田にも
与
(
あずか
)
ったでありましょうが、
雑戸
(
ざっこ
)
であってみれば班田の典にも預からない。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
アノ夫人は兼ねて私が此の塔の秘密を解くに心を注いで居る事を知り、塔の宝を取り出したなら其の割前に
与
(
あずか
)
る積りで兄の穴川甚蔵等と様々に私を威して居たのですが
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
もちろんそれには千里利きと言われた彦の嗅覚が
与
(
あずか
)
って力あることはいうまでもないと同時に
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
天皇は武力を以てその権威と勢力とを示さず、また政治の実務には
与
(
あずか
)
られなかったようであるが、それにはまた別の力があって、それによってその存在が明かにせられた。
建国の事情と万世一系の思想
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
佐川の町の人が
科学
(
サイエンス
)
に親しむ風があったについては、佐川が有名な化石の産地であることも
与
(
あずか
)
って力ある。具石山・吉田屋敷・鳥の巣等には化石の珍物が出るので名高い。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
与
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“与”を含む語句
与那国
分与
与力
賦与
施与
与三
与兵衛
与太者
与党
与右衛門
参与
与太郎
寄与
荊与棘塞路
与奪
与一
関与
与那原
与重
河尻与兵衛
...