“経緯”のいろいろな読み方と例文
旧字:經緯
読み方割合
いきさつ81.7%
たてぬき3.7%
たてよこ3.7%
けいい2.8%
すじみち1.8%
ゆくたて1.8%
ことわけ0.9%
ゆきたて0.9%
よこたて0.9%
わけ0.9%
ユキタテ0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「同じ吉田一家の中でも、いろいろと、また、派があるんじゃよ。友田喜造と花田準造——きっと、なんか、こみいった経緯いきさつがあるにちがわん」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
きりょう好みの源吉が、飾り屋の小町娘を、金に飽かして申受けたという経緯いきさつ、——半年ほど前に、幾つのゴシップを飛ばしたことでしょう。
放蕩ほうとう懶惰らんだとを経緯たてぬきの糸にして織上おりあがったおぼッちゃま方が、不負魂まけじだましいねたそねみからおむずかり遊ばすけれども
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
想像するがままに任せた山、感情を塗りかえした山、その山の暗き森と、深い谷、過去へと深く行き、遠く行くだけ、紀念は次第に成熟する、石の上を走っている水の面の経緯たてぬきは、幾世の人の夢を描いては消し、消しては描いているのである。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
色にも中間のものにハシタ色というのがあって、和訓栞に、「指貫さしぬきに言へり、胡曹抄に、経緯たてよことも薄紫と見えたり」と解している。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
濁世じょくせにはびこる罪障の風は、すきまなく天下を吹いて、十字を織れる経緯たてよこの目にも入ると覚しく、焔のみははたを離れて飛ばんとす。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もちろん当事者の名まえなど決して書かずただ一種変った自分の心理を叙述する材料としてかなり経緯けいいをはっきり書いた。
鶴は病みき (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ガッファロと総監の間で、こういう会話が交わされたと自伝にはそう書いてある。どういう経緯けいいがあったか知らないが、法廷では、最後まで手帳にあった十人に限定されたのは事実である。
青髯二百八十三人の妻 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
柏は話の経緯すじみち了解のみこめないので、不思議そうに吾々三人の顔を見較べていた。運転手は掴みかかるような権幕で、私の前へ躍出した。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
「ウムウム。ようよう経緯すじみちが、わかったようじゃ。彼奴等あいつどもは復讐心が強いでのう」
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
“女”は、勿論、小説であります。しかし、そこに語られてゐる経緯ゆくたては、あくまで事実に即してをります。……でない限り、成立たない作なのでありますから……
一葉の日記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
姫の心はこだまの如くさとくなつて居た。此才伎てわざ経緯ゆくたてはすぐ呑み込まれた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ほう。それは初めて聞いたが、それよりも五、六日前のこと。襟半の半三郎にアンタが話しよった経緯ことわけなあ」
姫の心は、こだまの如くさとくなって居た。此才伎てわざ経緯ゆきたては、すぐ呑み込まれた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
のみならず、自分もいつのまにか、しぜんとこの経緯よこたてのなかに織りこまれている。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まあ聞け……そんな経緯わけで吾輩は、その未亡人の手に付くと、お母さんだか妹だか訳のわからないステキな幸福に恵まれながら学問をおそわった。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
姫の心は、こだまの如くサトくなつて居た。此才伎テワザ経緯ユキタテは、すぐ呑み込まれた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)