喜田貞吉
1871.07.11 〜 1939.07.03
“喜田貞吉”に特徴的な語句
余戸
御家人
奴婢
家人
腥膻
浄人
濫僧
屠者
中間
鉦打
上方
夙
何人
然
啖
土師部
餌取
天部
駆使部
下
鉢屋
贏
行
傀儡子
聖
東人
垣内
後
守戸
山家
山人
侍
夷
雑戸
間人
土師
東夷
執
大御田族
鬻
簓
犬神人
主鷹司
茶筅
掌
子
祝詞
土師人
虞
累
著者としての作品一覧
安達ヶ原の鬼婆々(余白録)(旧字旧仮名)
読書目安時間:約2分
去る五月の中旬、大和の榛原町に行つた時、同町字足立といふ部落が、鬼筋だといふ説について、土地の人に尋ねて見たところが、昔こゝに安達ヶ原の鬼婆々が居つたといふ話があると教へてくれた。 …
読書目安時間:約2分
去る五月の中旬、大和の榛原町に行つた時、同町字足立といふ部落が、鬼筋だといふ説について、土地の人に尋ねて見たところが、昔こゝに安達ヶ原の鬼婆々が居つたといふ話があると教へてくれた。 …
「あばた」も「えくぼ」、「えくぼ」も「あばた」:――日本石器時代終末期問題――(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
惚れた目から見れば痘痕も笑窪に見えるという諺があるが、反対に、いやと思う眼から観れば笑窪も時に痘痕に見えようというもの。余輩が昨年〔(昭和一〇年)〕癌腫保持者たるの宣告を受けて、懇 …
読書目安時間:約14分
惚れた目から見れば痘痕も笑窪に見えるという諺があるが、反対に、いやと思う眼から観れば笑窪も時に痘痕に見えようというもの。余輩が昨年〔(昭和一〇年)〕癌腫保持者たるの宣告を受けて、懇 …
石上神宮の神宝七枝刀(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
昨秋〔(大正七年)〕十月大和に遊び、石上神宮に参拝して、有名なる神宝六叉鉾と称する異形の古武器を拝観することを得た。茎一にして、左右に各三枝、都合六個の枝を生じて、切尖とともに七鋒 …
読書目安時間:約7分
昨秋〔(大正七年)〕十月大和に遊び、石上神宮に参拝して、有名なる神宝六叉鉾と称する異形の古武器を拝観することを得た。茎一にして、左右に各三枝、都合六個の枝を生じて、切尖とともに七鋒 …
遺物・遺蹟と歴史研究(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
過去の住民たるわれらの祖先が遺した遺物・遺蹟が、過去におけるわれらの祖先の生活状態を明かにし、その変遷発達の蹟を示すうえにおいて、最も有益なる材料なるべきは言うまでもない。歴史家が …
読書目安時間:約14分
過去の住民たるわれらの祖先が遺した遺物・遺蹟が、過去におけるわれらの祖先の生活状態を明かにし、その変遷発達の蹟を示すうえにおいて、最も有益なる材料なるべきは言うまでもない。歴史家が …
牛捨場馬捨場(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
今もなお諸所に小字を牛捨場または馬捨場と称する所がある。また小字という程でなくても、俗にそう呼んでいる場所が各地に多く、現に昔は死牛馬をここへ捨てたものだなど伝称せられているところ …
読書目安時間:約13分
今もなお諸所に小字を牛捨場または馬捨場と称する所がある。また小字という程でなくても、俗にそう呼んでいる場所が各地に多く、現に昔は死牛馬をここへ捨てたものだなど伝称せられているところ …
エタ源流考(新字新仮名)
読書目安時間:約47分
往時「エタ」と呼ばれておった不幸なる人々は、本来いかなる性質のものか、またいかなる事情からかくの如き気の毒なる境遇に落ちたか。この解決は自分の日本民族史研究上、最も必要なる事項であ …
読書目安時間:約47分
往時「エタ」と呼ばれておった不幸なる人々は、本来いかなる性質のものか、またいかなる事情からかくの如き気の毒なる境遇に落ちたか。この解決は自分の日本民族史研究上、最も必要なる事項であ …
エタと非人と普通人(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
踏み出しの方向如何によって、一歩の差は遂に千里の差となる。称号廃止以前のエタの状態を見るに慣れたものは、所謂エタと普通人との間には、まるで人種がでも違ったものの如く考えたのも無理か …
読書目安時間:約6分
踏み出しの方向如何によって、一歩の差は遂に千里の差となる。称号廃止以前のエタの状態を見るに慣れたものは、所謂エタと普通人との間には、まるで人種がでも違ったものの如く考えたのも無理か …
エタに対する圧迫の沿革(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
名称廃止以前のエタに対する幕府その他諸藩当路者の発した布告法令の文を見ると、その圧迫の甚だしかった状態は、実に悪寒戦慄を覚えしむるものがある。まず一例として、「穢多非人廃止令」の出 …
読書目安時間:約23分
名称廃止以前のエタに対する幕府その他諸藩当路者の発した布告法令の文を見ると、その圧迫の甚だしかった状態は、実に悪寒戦慄を覚えしむるものがある。まず一例として、「穢多非人廃止令」の出 …
「エタ」名義考(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
同じ日本の国土に生を営む一部の人民に対して、「穢多」という極めて同情のない文字を用い始めたのは、いつの頃、何人の仕業であるか、思えば罪の深い事をしたものである。 この文字の為にその …
読書目安時間:約14分
同じ日本の国土に生を営む一部の人民に対して、「穢多」という極めて同情のない文字を用い始めたのは、いつの頃、何人の仕業であるか、思えば罪の深い事をしたものである。 この文字の為にその …
蝦夷とコロボツクルとの異同を論ず(旧字旧仮名)
読書目安時間:約32分
我が群島國の先住種族中、石器を使用して、其遺蹟を後世に遺せるものは何なりやとの疑問に對して解决を與ふる諸説の中、最も多數なるは、之を蝦夷なりとするものと、之を蝦夷とは別種なるコロボ …
読書目安時間:約32分
我が群島國の先住種族中、石器を使用して、其遺蹟を後世に遺せるものは何なりやとの疑問に對して解决を與ふる諸説の中、最も多數なるは、之を蝦夷なりとするものと、之を蝦夷とは別種なるコロボ …
遠州地方の足洗(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
徳川時代の法制では、エタは非人の上に立って、これを支配監督する地位にいたのではあるが、非人には通例足を洗うて素人に成ることが出来るという道が開いていたのに反して、エタには殆どこれが …
読書目安時間:約4分
徳川時代の法制では、エタは非人の上に立って、これを支配監督する地位にいたのではあるが、非人には通例足を洗うて素人に成ることが出来るという道が開いていたのに反して、エタには殆どこれが …
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
奥羽地方には各地にシシ踊りと呼ばるる一種の民間舞踊がある。地方によって多少の相違はあるが、大体において獅子頭を頭につけた青年が、数人立ち交って古めかしい歌謡を歌いつつ、太鼓の音に和 …
読書目安時間:約10分
奥羽地方には各地にシシ踊りと呼ばるる一種の民間舞踊がある。地方によって多少の相違はあるが、大体において獅子頭を頭につけた青年が、数人立ち交って古めかしい歌謡を歌いつつ、太鼓の音に和 …
奥羽北部の石器時代文化における古代シナ文化の影響について(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
昨年〔(大正一五年)〕一月発行の本誌〔(『民族』)〕第一巻第二号において、自分は柳田〔(国男)〕君の促しによって、「奥羽地方のアイヌ族の大陸交通はすでに先秦時代にあるか」という標題 …
読書目安時間:約19分
昨年〔(大正一五年)〕一月発行の本誌〔(『民族』)〕第一巻第二号において、自分は柳田〔(国男)〕君の促しによって、「奥羽地方のアイヌ族の大陸交通はすでに先秦時代にあるか」という標題 …
奥州における御館藤原氏(新字新仮名)
読書目安時間:約34分
余輩は前号において征夷大将軍の名義について管見を披瀝し、平安朝において久しく補任の中絶しておったこの軍職が、源頼朝によって始めて再興せられたものである事情を明かにし、その以前に木曾 …
読書目安時間:約34分
余輩は前号において征夷大将軍の名義について管見を披瀝し、平安朝において久しく補任の中絶しておったこの軍職が、源頼朝によって始めて再興せられたものである事情を明かにし、その以前に木曾 …
オシラ神に関する二三の臆説(新字新仮名)
読書目安時間:約23分
東北文化の研究については、土俗上、信仰上、見のがすことのできないものの一つにオシラ神がある。オシラ神の事については、ことにこの方面の研究にはなはだ多くの薀蓄を有せられる佐々木喜善君 …
読書目安時間:約23分
東北文化の研究については、土俗上、信仰上、見のがすことのできないものの一つにオシラ神がある。オシラ神の事については、ことにこの方面の研究にはなはだ多くの薀蓄を有せられる佐々木喜善君 …
火葬と大蔵:焼屍・洗骨・散骨の風俗(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
続日本紀に、文武天皇四年飛鳥元興寺の僧道照和尚遷化してその屍を焼いたのが、我が国火葬の初めだとある。その後僅かに中一年を措いて大宝二年には、持統天皇は万乗の尊い御身を以て、御遺骸を …
読書目安時間:約13分
続日本紀に、文武天皇四年飛鳥元興寺の僧道照和尚遷化してその屍を焼いたのが、我が国火葬の初めだとある。その後僅かに中一年を措いて大宝二年には、持統天皇は万乗の尊い御身を以て、御遺骸を …
〔喜田申す〕(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1分
喜田申す、中山君の早速の御投稿を感謝致します。小生の前號餘白録に書きましたのは、たゞ歌人の遊戯としての歌名所の性質を紹介し、引いては同じ地名から、飛んでもない地方に俗傳の傳播する事 …
読書目安時間:約1分
喜田申す、中山君の早速の御投稿を感謝致します。小生の前號餘白録に書きましたのは、たゞ歌人の遊戯としての歌名所の性質を紹介し、引いては同じ地名から、飛んでもない地方に俗傳の傳播する事 …
来り人の地位と職業:平民申付候事(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
山の幸、海の幸にのみ活きておった太古の状態から、次第に進んで世の中の秩序も整頓し、住人にも一定の株が出来ては、他国者や風来人がやって来て、住み着こうとしても容易な事ではない。中には …
読書目安時間:約5分
山の幸、海の幸にのみ活きておった太古の状態から、次第に進んで世の中の秩序も整頓し、住人にも一定の株が出来ては、他国者や風来人がやって来て、住み着こうとしても容易な事ではない。中には …
『切支丹と旧エタ』について(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
本誌第一巻六号に「切支丹と旧穢多」と題して、榊原君の長崎からの通信を掲げたところが、東京中野局消印で「浦部きよし」という方から、「浦上村民は穢多ではない」との投書があった。投書家は …
読書目安時間:約2分
本誌第一巻六号に「切支丹と旧穢多」と題して、榊原君の長崎からの通信を掲げたところが、東京中野局消印で「浦部きよし」という方から、「浦上村民は穢多ではない」との投書があった。投書家は …
くぐつ名義考:古代社会組織の研究(新字新仮名)
読書目安時間:約28分
自分は昨年一月の本誌神祇祭祀号において少彦名命の研究を発表した中に、説たまたま谷蟆の事から、引いてクグツ(傀儡)の名義にまで一寸及んだ事であった。それには、古事記に少彦名命の事を知 …
読書目安時間:約28分
自分は昨年一月の本誌神祇祭祀号において少彦名命の研究を発表した中に、説たまたま谷蟆の事から、引いてクグツ(傀儡)の名義にまで一寸及んだ事であった。それには、古事記に少彦名命の事を知 …
国栖の名義(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
大和吉野の山中に国栖という一種の異俗の人民が居た。所謂山人の一種で、里人とは大分様子の違ったものであったらしい。応神天皇の十九年に吉野離宮に行幸のあった時、彼ら来朝して醴酒を献じた …
読書目安時間:約6分
大和吉野の山中に国栖という一種の異俗の人民が居た。所謂山人の一種で、里人とは大分様子の違ったものであったらしい。応神天皇の十九年に吉野離宮に行幸のあった時、彼ら来朝して醴酒を献じた …
「ケット」と「マット」(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
僻陬の地に先住民族がながく取り遺されるという事は、今さら事新しく言うまでもないところで、現に台湾東部の山地には、近くその実際を見るのである。これを我が古史に徴するに、西南薩隅の地に …
読書目安時間:約21分
僻陬の地に先住民族がながく取り遺されるという事は、今さら事新しく言うまでもないところで、現に台湾東部の山地には、近くその実際を見るのである。これを我が古史に徴するに、西南薩隅の地に …
国号の由来(新字新仮名)
読書目安時間:約25分
昭和九年初頭の第六十五回帝国議会において、頭山満氏ほか数氏の名を以て、国号制定に関する請願なるものが提出せられた。我が国は大日本帝国なのか、日本国なのか、またこれを口にするに或いは …
読書目安時間:約25分
昭和九年初頭の第六十五回帝国議会において、頭山満氏ほか数氏の名を以て、国号制定に関する請願なるものが提出せられた。我が国は大日本帝国なのか、日本国なのか、またこれを口にするに或いは …
サンカ者名義考:――サンカモノは坂の者(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
京都あたりでは一種の浮浪民を、サンカまたはサンカモノと呼んでいる。東山や鴨川堤などに臨時の小屋を構えて住んでいるものは、そのやや土着的性状を具えて来たものと思われるが、それでもやは …
読書目安時間:約11分
京都あたりでは一種の浮浪民を、サンカまたはサンカモノと呼んでいる。東山や鴨川堤などに臨時の小屋を構えて住んでいるものは、そのやや土着的性状を具えて来たものと思われるが、それでもやは …
時勢と道徳観念:大賊小賊・名誉の悪党(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
虎関の作と云い、玄慧の作とも言われる異制庭訓往来に、 賊に大小あり、小罪既に大罪よりも軽し。小賊何ぞ大賊に等しからんや。窃盗・強盗は山賊・海賊の比にあらず。山賊・海賊は他領押両(領 …
読書目安時間:約4分
虎関の作と云い、玄慧の作とも言われる異制庭訓往来に、 賊に大小あり、小罪既に大罪よりも軽し。小賊何ぞ大賊に等しからんや。窃盗・強盗は山賊・海賊の比にあらず。山賊・海賊は他領押両(領 …
沙門と屠児(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
三善清行の「意見封事」に、延喜頃の人民が課役を避けんが為に出家して、天下の民三分の二は皆禿首というの状態となり、しかも彼らは貌も沙門の如く、心は屠児に似たりとある。「延喜式」にも濫 …
読書目安時間:約1分
三善清行の「意見封事」に、延喜頃の人民が課役を避けんが為に出家して、天下の民三分の二は皆禿首というの状態となり、しかも彼らは貌も沙門の如く、心は屠児に似たりとある。「延喜式」にも濫 …
春雪の出羽路の三日(新字新仮名)
読書目安時間:約33分
昨年十一月に始めて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っている折から、山形県史蹟名勝天然記念物調査委員会の開会式が行われるので、やって来ぬかと理事官の有 …
読書目安時間:約33分
昨年十一月に始めて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っている折から、山形県史蹟名勝天然記念物調査委員会の開会式が行われるので、やって来ぬかと理事官の有 …
震災後記(新字新仮名)
読書目安時間:約41分
九月一日来の関東の大震については、自分の親しく見聞関知したところをいささか書きとめて、その混乱の最も烈しかった六日までの分を「震災日誌」と題して『社会史研究』拾壱月号〔(第一〇巻第 …
読書目安時間:約41分
九月一日来の関東の大震については、自分の親しく見聞関知したところをいささか書きとめて、その混乱の最も烈しかった六日までの分を「震災日誌」と題して『社会史研究』拾壱月号〔(第一〇巻第 …
震災日誌(新字新仮名)
読書目安時間:約39分
大正十二年九月一日関東地方に起った大地震は、未曾有の大災害を東京・横浜その他の都邑に及ぼした。いずれこの大変事については、新聞・雑誌が争うて精しい報道に努めるであろうし、また纏まっ …
読書目安時間:約39分
大正十二年九月一日関東地方に起った大地震は、未曾有の大災害を東京・横浜その他の都邑に及ぼした。いずれこの大変事については、新聞・雑誌が争うて精しい報道に努めるであろうし、また纏まっ …
周防石城山神籠石探検記(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
明治四十二年十二月三十日、世間では年末だ師走だと餅搗きやら懸取りやらに忙しく騒いでいる中を東京帝国大学の嘱によって石城山神籠石探検の為に登山した。同行者は日本歴史地理学会出張員藤井 …
読書目安時間:約11分
明治四十二年十二月三十日、世間では年末だ師走だと餅搗きやら懸取りやらに忙しく騒いでいる中を東京帝国大学の嘱によって石城山神籠石探検の為に登山した。同行者は日本歴史地理学会出張員藤井 …
炭焼長者譚:系図の仮托と民族の改良(新字新仮名)
読書目安時間:約18分
東京朝日新聞の初刷に客員柳田國男君の炭焼長者譚という面白い読物の第一回が出ていた。奥羽地方に伝わっている炭焼藤太の出世物語で、津軽領の者は今の津軽伯爵家の四代目の君がすなわちこの人 …
読書目安時間:約18分
東京朝日新聞の初刷に客員柳田國男君の炭焼長者譚という面白い読物の第一回が出ていた。奥羽地方に伝わっている炭焼藤太の出世物語で、津軽領の者は今の津軽伯爵家の四代目の君がすなわちこの人 …
旃陀羅考:日蓮聖人はエタの子なりという事(新字新仮名)
読書目安時間:約29分
日蓮宗の宗祖日蓮聖人はエタの子なりという説がある。いわゆる特殊部落の人々の書いたものや、或いはその親しく語るところによると、某大臣は我が党の士である、某将官も我が党の士である、某々 …
読書目安時間:約29分
日蓮宗の宗祖日蓮聖人はエタの子なりという説がある。いわゆる特殊部落の人々の書いたものや、或いはその親しく語るところによると、某大臣は我が党の士である、某将官も我が党の士である、某々 …
賤民概説(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間7分
「賤民」の研究は我が民衆史上、風俗史上、最も重要なる地位を占むるものの一つとして、今日の社会問題を観察する上にとっても、参考となすべきものが少くない。しかしながらその及ぶ範囲はすこ …
読書目安時間:約2時間7分
「賤民」の研究は我が民衆史上、風俗史上、最も重要なる地位を占むるものの一つとして、今日の社会問題を観察する上にとっても、参考となすべきものが少くない。しかしながらその及ぶ範囲はすこ …
俗法師考(新字新仮名)
読書目安時間:約2時間32分
斯道において先輩たる柳田國男君が、かつてその経営に係わる『郷土研究』の誌上において、「毛坊主考」(大正三—四年、第二巻一—一二号)の題下に特殊民と在俗法師との関係につき、長々しく研 …
読書目安時間:約2時間32分
斯道において先輩たる柳田國男君が、かつてその経営に係わる『郷土研究』の誌上において、「毛坊主考」(大正三—四年、第二巻一—一二号)の題下に特殊民と在俗法師との関係につき、長々しく研 …
長吏名称考(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
エタをチョウリという地方が多い。文字に「長吏」と書く。或いはこれをチョウリンボウともいう。「長吏坊」で、長吏に「坊」という賤称を附したのである(「坊」という賤称の事は他日別に発表す …
読書目安時間:約5分
エタをチョウリという地方が多い。文字に「長吏」と書く。或いはこれをチョウリンボウともいう。「長吏坊」で、長吏に「坊」という賤称を附したのである(「坊」という賤称の事は他日別に発表す …
憑き物系統に関する民族的研究:その一例として飛騨の牛蒡種(新字新仮名)
読書目安時間:約34分
ここに憑き物系統とは、俗に狐持・犬神筋などと言われる所謂「物持筋」の事である。これがもし昔時の或る術を修得した暦博士や陰陽師の徒の、任意に識神を使役すると信ぜられたものの様に、その …
読書目安時間:約34分
ここに憑き物系統とは、俗に狐持・犬神筋などと言われる所謂「物持筋」の事である。これがもし昔時の或る術を修得した暦博士や陰陽師の徒の、任意に識神を使役すると信ぜられたものの様に、その …
「鐵」の字の古体と古代の文化(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
「鐵」の字古く「銕」また「䥫」に作る。「銕」の字は旁が「夷」に従っている。夷は東方異族の称で、「銕」はすなわち東夷の金の義である。東方の国早くこの金属を産し、シナに輸入したものと見 …
読書目安時間:約4分
「鐵」の字古く「銕」また「䥫」に作る。「銕」の字は旁が「夷」に従っている。夷は東方異族の称で、「銕」はすなわち東夷の金の義である。東方の国早くこの金属を産し、シナに輸入したものと見 …
手長と足長:土蜘蛛研究(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
三才図会に長脚国・長臂国がある。「長脚国は赤水の東にあり、其の国人長臂国と近く、其の人常に長臂人を負ひて、海に入つて魚を捕ふ。長臂国は※僥国の東にあり、其の国人海東にありて、人手を …
読書目安時間:約11分
三才図会に長脚国・長臂国がある。「長脚国は赤水の東にあり、其の国人長臂国と近く、其の人常に長臂人を負ひて、海に入つて魚を捕ふ。長臂国は※僥国の東にあり、其の国人海東にありて、人手を …
道鏡皇胤論について(新字新仮名)
読書目安時間:約17分
野人かつて「道鏡皇胤論」一編を京大史学会の雑誌史林の誌上で発表した事があった。要は道鏡が天智天皇の皇孫であるとの旧説を祖述し、これによって道鏡に纏わる幾多の疑問を合理的に解説して、 …
読書目安時間:約17分
野人かつて「道鏡皇胤論」一編を京大史学会の雑誌史林の誌上で発表した事があった。要は道鏡が天智天皇の皇孫であるとの旧説を祖述し、これによって道鏡に纏わる幾多の疑問を合理的に解説して、 …
「特殊部落研究号」発行の辞(新字新仮名)
読書目安時間:約11分
「特殊部落研究号」は何が為に発刊せらるるか。余輩がさきに同好諸氏に向って、我が特殊民に関する報告を求むべく送致せる依頼書は、ほぼその趣意を述べ尽せりと信ずるが故に、まず左にこれを掲 …
読書目安時間:約11分
「特殊部落研究号」は何が為に発刊せらるるか。余輩がさきに同好諸氏に向って、我が特殊民に関する報告を求むべく送致せる依頼書は、ほぼその趣意を述べ尽せりと信ずるが故に、まず左にこれを掲 …
特殊部落ということについて:まず部落としての集団的取扱いを廃せよ(新字新仮名)
読書目安時間:約21分
余輩がさきに「特殊部落研究号」(本誌二巻一号)を発行して、いわゆる特殊部落なるものの由来沿革を明らかにし、彼らが決してことに疎外排斥せらるべき性質のものにあらざる所以を説明すべく試 …
読書目安時間:約21分
余輩がさきに「特殊部落研究号」(本誌二巻一号)を発行して、いわゆる特殊部落なるものの由来沿革を明らかにし、彼らが決してことに疎外排斥せらるべき性質のものにあらざる所以を説明すべく試 …
「特殊部落」と云う名称について(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
本編は上掲諸編の記事と重複するところことに多きを校正の際心付きしも、今さら改むる能わず。幸いに概論に対する下手なる詳説として、寛宥あらんことを乞う。(貞吉) 明治・大正の今日にも、 …
読書目安時間:約12分
本編は上掲諸編の記事と重複するところことに多きを校正の際心付きしも、今さら改むる能わず。幸いに概論に対する下手なる詳説として、寛宥あらんことを乞う。(貞吉) 明治・大正の今日にも、 …
特殊部落と細民部落・密集部落(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
従来普通に特殊部落と云っておった我が同胞中の或る部族のことを、近ごろ内務省あたりでは、細民部落といっている。細民とは貧乏人の事である。なるほど特殊部落には貧乏人が比較的多いから、そ …
読書目安時間:約8分
従来普通に特殊部落と云っておった我が同胞中の或る部族のことを、近ごろ内務省あたりでは、細民部落といっている。細民とは貧乏人の事である。なるほど特殊部落には貧乏人が比較的多いから、そ …
特殊部落と寺院(新字新仮名)
読書目安時間:約10分
部落民は一般に仏法に対して最も熱烈なる信仰を有している。彼らが寺院に参詣して仏を拝し法を聴くの状態を見るに、一心に浄土を欣求するの至情が躍如たるものがある。彼らには日常の生活に苦し …
読書目安時間:約10分
部落民は一般に仏法に対して最も熱烈なる信仰を有している。彼らが寺院に参詣して仏を拝し法を聴くの状態を見るに、一心に浄土を欣求するの至情が躍如たるものがある。彼らには日常の生活に苦し …
特殊部落と通婚問題(新字新仮名)
読書目安時間:約1分
旧幕時代には、エタ非人と普通民との通婚は、国法の禁ずるところであった。これを犯して処罰された実例は別項「エタに対する圧迫の沿革」中に述べておいた。今や国法上に於ける差別は全然撤廃せ …
読書目安時間:約1分
旧幕時代には、エタ非人と普通民との通婚は、国法の禁ずるところであった。これを犯して処罰された実例は別項「エタに対する圧迫の沿革」中に述べておいた。今や国法上に於ける差別は全然撤廃せ …
特殊部落の言語(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
特殊部落の人達の口にする言語は、その付近の普通部落の言語と幾らか違ったところがある。そしてやや遠く離れた所であっても、他の同じ仲間の言語とは似ている場合が多い。例えばサ行の音もしば …
読書目安時間:約5分
特殊部落の人達の口にする言語は、その付近の普通部落の言語と幾らか違ったところがある。そしてやや遠く離れた所であっても、他の同じ仲間の言語とは似ている場合が多い。例えばサ行の音もしば …
特殊部落の人口増殖(新字新仮名)
読書目安時間:約19分
我が国には古え天益人の語があって、人口が日々増加しつつあることは、太古以来既に認められておった。近いところで明治五年初めに約三千三百十一万と言われておった内地の人の数が、大正五年末 …
読書目安時間:約19分
我が国には古え天益人の語があって、人口が日々増加しつつあることは、太古以来既に認められておった。近いところで明治五年初めに約三千三百十一万と言われておった内地の人の数が、大正五年末 …
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間38分
私はただ今添田地方局長から御紹介になりました喜田貞吉でございます。本日特殊部落改善救護の事に御熱心な諸君のこの御集まりの席へ出まして、所謂特殊部落の事に関し、不束かなる研究の一斑を …
読書目安時間:約1時間38分
私はただ今添田地方局長から御紹介になりました喜田貞吉でございます。本日特殊部落改善救護の事に御熱心な諸君のこの御集まりの席へ出まして、所謂特殊部落の事に関し、不束かなる研究の一斑を …
日本における史前時代の歴史研究について(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
闇の夜に、鳴かぬ烏の声聞けば、生れぬ先の父ぞ恋しきということがある。われらがもし史前時代の歴史を研究したいなどとでも言おうものなら、それはあたかも生れぬ前の父を恋しがってみたり、真 …
読書目安時間:約14分
闇の夜に、鳴かぬ烏の声聞けば、生れぬ先の父ぞ恋しきということがある。われらがもし史前時代の歴史を研究したいなどとでも言おうものなら、それはあたかも生れぬ前の父を恋しがってみたり、真 …
人身御供と人柱(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
宮城二重櫓の下から白骨や古銭が出たので、やれ人柱だの、墓地であったのだろうだの、工事の際の傷死人を埋めたのであろうだのと、いろいろの説がある様だ。自分は単に新聞の報道でそれを知った …
読書目安時間:約13分
宮城二重櫓の下から白骨や古銭が出たので、やれ人柱だの、墓地であったのだろうだの、工事の際の傷死人を埋めたのであろうだのと、いろいろの説がある様だ。自分は単に新聞の報道でそれを知った …
武士を夷ということの考(新字新仮名)
読書目安時間:約34分
国史地理学上、本邦の種族調査の一部として、さきに「夷俘・俘囚の考」と「東人考」とを発表したる余輩の研究は、ここに中世において武士を夷と称したることの理由を説明すべき順序となれり。「 …
読書目安時間:約34分
国史地理学上、本邦の種族調査の一部として、さきに「夷俘・俘囚の考」と「東人考」とを発表したる余輩の研究は、ここに中世において武士を夷と称したることの理由を説明すべき順序となれり。「 …
編輯雑感(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
自分がこの特別号の発行を思い付いたのは、本年二月下旬、東京築地本願寺で催された同情融和会の折であった。かくて爾来材料の蒐集に着手し、四月にその計画を発表して各地の有志家に材料の提供 …
読書目安時間:約6分
自分がこの特別号の発行を思い付いたのは、本年二月下旬、東京築地本願寺で催された同情融和会の折であった。かくて爾来材料の蒐集に着手し、四月にその計画を発表して各地の有志家に材料の提供 …
放免考(新字新仮名)
読書目安時間:約27分
本願寺葬儀参列の宝来の事に関連して、前号までに一と通り祇園の犬神人の観察を終った自分は、これに次いでさらに賀茂の葵祭に関連して、「放免」なるものの由来変遷を観察すべき順序となった。 …
読書目安時間:約27分
本願寺葬儀参列の宝来の事に関連して、前号までに一と通り祇園の犬神人の観察を終った自分は、これに次いでさらに賀茂の葵祭に関連して、「放免」なるものの由来変遷を観察すべき順序となった。 …
法隆寺再建非再建論の回顧(新字新仮名)
読書目安時間:約51分
余輩が明治三十八年五月を以て、所謂法隆寺再建論を学界に発表してから、早くも三十年の星霜が流れた。当時余輩は現存の法隆寺金堂・塔婆・中門等の古建築物に関して、該寺が天智天皇九年庚午四 …
読書目安時間:約51分
余輩が明治三十八年五月を以て、所謂法隆寺再建論を学界に発表してから、早くも三十年の星霜が流れた。当時余輩は現存の法隆寺金堂・塔婆・中門等の古建築物に関して、該寺が天智天皇九年庚午四 …
本州における蝦夷の末路(新字新仮名)
読書目安時間:約38分
本編は去る七月十一、十二の両日にわたって、仙台放送局の需めに応じて放送したところであります。本州における蝦夷の末路は、実は私が創刊号以来、引続き本誌上で継続研究したい積りの東北民族 …
読書目安時間:約38分
本編は去る七月十一、十二の両日にわたって、仙台放送局の需めに応じて放送したところであります。本州における蝦夷の末路は、実は私が創刊号以来、引続き本誌上で継続研究したい積りの東北民族 …
間人考(新字新仮名)
読書目安時間:約43分
我が古代の社会組織の上に「間人」という一階級があった。ハシヒト或いはマヒトと読ませている。この事については、自分がさきに「民族と歴史」を発行した当時、その第一巻第一号(大正八年一月 …
読書目安時間:約43分
我が古代の社会組織の上に「間人」という一階級があった。ハシヒト或いはマヒトと読ませている。この事については、自分がさきに「民族と歴史」を発行した当時、その第一巻第一号(大正八年一月 …
八坂瓊之曲玉考(新字新仮名)
読書目安時間:約26分
昭和三年七月発行関西考古会の機関雑誌『考古』第三号において、余輩は未熟なる「曲玉考」一篇を発表して管見を学界に問うたことがあった。要はいわゆる曲玉なる名称が、今日の人々の普通に考う …
読書目安時間:約26分
昭和三年七月発行関西考古会の機関雑誌『考古』第三号において、余輩は未熟なる「曲玉考」一篇を発表して管見を学界に問うたことがあった。要はいわゆる曲玉なる名称が、今日の人々の普通に考う …
「日本民族」とは何ぞや:日本民族の概念を論ず(新字新仮名)
読書目安時間:約13分
本誌の創刊に際して、余輩の常に使用するに慣れたる「日本民族」なる語が、本来何を意味するか、「日本民族」とは本来いかなるものなるかを説明して、あらかじめ読者諸賢の理会を請うは、余輩が …
読書目安時間:約13分
本誌の創刊に際して、余輩の常に使用するに慣れたる「日本民族」なる語が、本来何を意味するか、「日本民族」とは本来いかなるものなるかを説明して、あらかじめ読者諸賢の理会を請うは、余輩が …
融和促進(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間9分
この小冊子はいかにして融和を促進すべきかということを主として説述したもので、いわゆる特殊部落民なるものは、決して普通部落民と筋の違ったものではなく、ただ昔の落伍者のある者が、その択 …
読書目安時間:約1時間9分
この小冊子はいかにして融和を促進すべきかということを主として説述したもので、いわゆる特殊部落民なるものは、決して普通部落民と筋の違ったものではなく、ただ昔の落伍者のある者が、その択 …
融和問題に関する歴史的考察(新字新仮名)
読書目安時間:約1時間11分
この小冊子は昨年「融和促進」を発行しました際の予約に基づいて、もっぱらいわゆる特殊部落の由来変遷を述べたものであります。今もなお往々にして存する差別観念は、まったく因習から導かれた …
読書目安時間:約1時間11分
この小冊子は昨年「融和促進」を発行しました際の予約に基づいて、もっぱらいわゆる特殊部落の由来変遷を述べたものであります。今もなお往々にして存する差別観念は、まったく因習から導かれた …
濫僧考補遺(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
本誌三月号(九巻三号)に「濫僧考」と題して、社会の落伍者が沙門の姿に隠れて、賤職に従事しつつ世を渡ったことを述べ、それを鎌倉時代にはエタと同視していた次第を明らかにしておいた事であ …
読書目安時間:約6分
本誌三月号(九巻三号)に「濫僧考」と題して、社会の落伍者が沙門の姿に隠れて、賤職に従事しつつ世を渡ったことを述べ、それを鎌倉時代にはエタと同視していた次第を明らかにしておいた事であ …
濫僧考:河原者・坂の者・宿の者・非人法師(新字新仮名)
読書目安時間:約12分
「民族と歴史」八巻五号所載「旃陀羅考」中にちょっと述べておいた濫僧の事を、今少し精しく考証してみる。「旃陀羅考」中にも引いておいた「延喜式」の臨時祭式の文に、 凡鴨御祖社南辺者、雖 …
読書目安時間:約12分
「民族と歴史」八巻五号所載「旃陀羅考」中にちょっと述べておいた濫僧の事を、今少し精しく考証してみる。「旃陀羅考」中にも引いておいた「延喜式」の臨時祭式の文に、 凡鴨御祖社南辺者、雖 …
“喜田貞吉”について
喜田 貞吉(きた さだきち、1871年7月11日(明治4年5月24日) - 1939年(昭和14年)7月3日)は、第二次世界大戦前の日本の歴史学者、文学博士。考古学、民俗学も取り入れ、学問研究を進めた。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“喜田貞吉”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)