“啖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くら60.3%
31.1%
たん5.3%
くい0.7%
くろ0.7%
くわ0.7%
0.7%
クラ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のみならず僕に上田敏と厨川白村とを一丸にした語学の素養を与へたとしても、果して彼等の血肉をくらひ得たかどうかは疑問である。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今竜が見え次第大声でその竜肉をいたいと連呼よびつづけよと耳語ささやいて出で、竜を呼び込むと右の通りで竜大いに周章あわて、袋を落し逃れた。
畳の上に焼けこがしをなし、火鉢の灰にたんを吐くなぞ、一挙一動いささかも居室、家具、食器、庭園等の美術に対して、尊敬の意も愛惜の念も何にもない。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
水を打懸ぶっかけるぞ。「くらい附くぞ。「、痛、ほんとにくいついたな。この狂女きちがいめ、と振払う、むしゃぶりつくを突飛ばす。がたぴしという物音は皿鉢飛んだ騒動さわぎなり。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは蛇が鼠をくろうて、庫を守るより出た事か、今も日本に米倉中の蛇を、宇賀神など唱え、殺すを忌む者多し。
善男信士輩、成湯せいとうの徳は禽獣に及びこの女将の仁は蛙をうるおすと評判で大挙して弔いに往ったは事実一抔くわされたので、予が多く飼うカジカ蛙が水に半ばうかんで死ぬるを見るに皆必ず手を合せて居る。
みんな朗かにべさせて、一人残らずクルクル坊主にしてしまわなければならないのだわ
髪切虫 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
海原のウタに浴しつゝ緑なす瑠璃をクラひ行けば
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)