“焦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
25.0%
16.3%
こが14.8%
あせ14.2%
10.0%
いら5.2%
3.3%
じれ2.7%
2.0%
こげ1.7%
0.9%
0.9%
いらだ0.7%
じら0.6%
もど0.5%
もどか0.2%
いぶ0.1%
いらだた0.1%
こがし0.1%
しょう0.1%
はや0.1%
ほて0.1%
やけ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これが親分をらして、自分から乗出させる魂胆と知りながらも、平次はツイこう威勢の良い「馬鹿野郎」を飛ばしてしまいました。
横浜本牧ほんもくあたりでれたまきえびを、生醤油きじょうゆに酒を三割ばかり割った汁で、弱火にかけ、二時間ほどげのつかないように煮つめる。
車蝦の茶漬け (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
そらこが狼火のろし……そして最後さいご武運ぶうんいよいよきてのあの落城らくじょう……四百年後ねんご今日こんにちおもしてみるだけでも滅入めいるようにかんじます。
みすみす、機会を目のまえにしながら、なんて事だろう、あせればあせるほど眠れなくなって、その夜折竹はまんじりともしなかった。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
覚海尼公が、子の高時を、どこかで見まもっているように、高時も二児の父として、さっきからここで胸をかれていたのらしい。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外記はいらつて刀を奪ひ返し、ひき拔きて振りあぐれば、忠藏は恐れて綾衣をうち捨て、駕籠夫は空駕籠をかつぎ、共に表へ逃げ去る。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
謙譲のつまはずれは、倨傲きょごうの襟より品を備えて、尋常な姿容すがたかたちは調って、焼地にりつく影も、水で描いたように涼しくも清爽さわやかであった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もうじれったいわ、看板を買い、株を買い、自前になるとかならないとか、そんなこと間緩まだるくて仕方がない、今晩からでも廃業して
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
先生は愛蘭土アイヤランドの人で言葉がすこぶる分らない。少しきこんで来ると、東京者が薩摩さつま人と喧嘩けんかをした時くらいにむずかしくなる。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彦「御隠居さま、長らく御不快でさぞお困りでしょう、今おまんまを炊いた処が、こげが出来たから塩握飯しおむすびにして来ましたからおあがんなさい」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おつぎはれて邪險じやけん與吉よきちをゆさぶることもあつた。それで與吉よきちしまひには砂糖さたうくちにしながらすや/\とねむる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そういう公算的こうさんてき射撃作戦は、どうも感心できないねえ。なぜ、そんなにせるのであるか。もっと落着いて、命中しやすい方針をとってはどうか。
諸君しよくん御經驗ごけいけんであらうが此樣こんときにはとてもねむられるものではない、いらだてばいらだほどまなこえてむねにはさま/″\の妄想もうざう往來わうらいする。
そんならそうと、早くおっしゃって下さればいいに、じらさないで早くそれをここへ出して頂戴な
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼はもはや凝然じっとしていられなくなったように、もどかしげな足取りで室内を歩きはじめたが、突然立ち止って、数秒間突っ立ったままで考えはじめた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
肝腎かんじんの算哲の墓𥥔ぼこう発掘を行わないのだろう——と、それが何よりもどかしく思われるのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
年中變らぬ稗勝ひえがちの飯に粘氣ねばりけがなく、時偶ときたま夜話に來る人でもあれば、母が取あへず米を一掴み程十能でいぶつて、茶代りに出すといふ有樣であつたから、私なども、年中つぎだらけのぬのの股引を穿いて
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
然しどこで見たかどうしても思い出せない、という気もちは、こういう経験のある人には、その妙ないらだたしさがはっきりと判るだろう。
途上の犯人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
こがしける然るは其頃同家中に高五百石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
次郎の頭に巻かれた繃帯は、学校じゅうの注目のしょう点になった。誰もそれを彼の敗北のしるしだと思う者はなかった。このごろ少し落目になっていた彼の勇名は、そのため完全に復活した。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
平生の気質のごとくはやるままに決心したり、「和主の言も無理ならねど、ともかくもわれも往くべし、せっかく急ぐべけれども支度したくするまで一両日待ちくれよ」
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
笹村は奥まった二階の座敷で、燭台の灯影のゆらぐ下で、二、三杯の酒に酔いの出た顔をほてらせながら、たまには上方語かみがたことばのまじる女たちの話に耳を傾けた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
みな煤煙にやけたような顔をして、少しも生々したところがない。たとえばどぶ溝の中の金魚のようなものである。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
読みではあつても、読みガサの少い方法に甘んじる様になり、ひき出しの摘要書きの範囲の広く及ばないのにれて、遂には、かあどの記録を思ひ止る様になつた。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)