“焦”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
25.5%
16.9%
こが14.6%
あせ13.5%
9.6%
いら5.2%
3.4%
じれ2.9%
2.0%
こげ1.7%
(他:41)4.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“焦”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語19.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.0%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
霧が雲がと押問答おしもんどうなぞのかけツこ見たやうなことをして居るのは、れつたくつて我慢が出来ぬ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夫人はこれだけ云って津田の顔を見た。津田はまたらされるのかと思った。しかしそうでないと断言した夫人の問は急に変った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何の匂いでござんす? 火事や江戸の名物だ。ジャンと来た奴なら今に始まッたこッちゃござんせぬ。年中げ臭せえですよ」
からびた褐色かっしょくのヒースと、うす黒くげた芝草しばくさが、白い砂洲さすのあいだに見えるだけでした。
ぐるぐるまわりながら、その夜明を待ちこがれた私は、永久に暗い夜が続くのではなかろうかという思いに悩まされました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
畑のものも、田のものも、林のものも、園のものも、虫も、牛馬も、犬猫も、人も、あらゆる生きものは皆雨を待ちこがれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もつと力いつぱいのものが欲しいといつたもどかしさで、ゆき子は富岡から力いつぱいのものを探し出したい気であせつてゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
放心のあまりに現在そのものの感じがなくなり、私は現在そのものをしきりに思い出そうとしてあせっているのかも知れなかった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
その頃、孔明はすでに、西洱河せいじが地方を宣撫し終って、炎気くが如き南国の地を、さらに南へ南へ行軍し続けていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
覚海尼公が、子の高時を、どこかで見まもっているように、高時も二児の父として、さっきからここで胸をかれていたのらしい。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いらって叫ぶ鬼王丸。それに勇気を揮い起こし敵盛り返して来た時には、数馬はまたも空を飛んで老師のそばに帰っていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
したがって日が暮れて夜が明けて、寺で見る太陽の数が重なるにつけて、あたかも後から追いかけられでもするごとく気をいらった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
男——(急にらして)なんですか? さういふ場合、僕がどうするかとおつしやるんですか? それは考へてゐません。
クロニック・モノロゲ (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
彼は、はるかに続く山の峯にらだたしい思いをのこしながら、夕闇につゝまれた、石の多い坂道をとぼとぼと降りて来た。
光は影を (新字新仮名) / 岸田国士(著)
じれつたがり、駈出かけだしたりあるひ跡足あとあしでバタ/\やるやうなこともございました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
だって——ああじれったい。この方は何じゃありませんか——御姉おあねえさんの志だって、お雛様に御馳走なすった、お定りの(栄螺と蛤。)——
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
発向はその日のうちだった。韮崎にらさきの夕日にかれながら木曾路へ向った軍馬は初め五千——夜に入ってなお一万近くも立った。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
引いて構えたまま、気合もかけねば打っても突いても来ない、さりとてき立つ気色けしきも見えないで、立合としてこんなのは初めて。
勘次かんじあついのでこん襦袢じゆばんこしのあたりへだらりとこかして、こげたやうな肌膚はだをさらけしてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
従祖父おおおじ平田将監ひらたしょうげん様の眼は、こげ茶色をしていて凄かったといういい伝えだから、おまえはおそらくお祖父じいさん似に生れたのであろう……と。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うつくしきものを、いやが上に、うつくしくせんとせるとき、うつくしきものはかえってそのを減ずるが例である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
清二は、界磁抵抗のハンドルを、全開の位置に保持したまま、早く元への命令が来ればよいがと、気をせらせたのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「私、おはなしが濟んだらお好きな程らしたり怒らせたりして差上げます。でも、おしまひまで聞いてね。」
追ひかけるのを、彼はらすやうに逃げ廻つた。逃げながら、やがて、家の門口へ来た。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
猛狒ゴリラいかつて刀身たうしん双手もろてにぎると、水兵すいへいいらだつてその胸先むなさき蹴上けあげる
この二人ふたりをば避難ひなんせしめんとしきりこゝろいらだてたのである。
「へえとんだ相伴役さ。人じらしの相伴野郎。ではいよいよ云わねえつもりか!」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……やいやい抜け抜け! さっさと抜け! そうして景気よく斬り込んで来ねえ。太刀の筋目を見届けてやらあ。……おやおやどうしても抜かねえな。変に人じらしの野郎じゃねえか。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼はもはや凝然じっとしていられなくなったように、もどかしげな足取りで室内を歩きはじめたが、突然立ち止って、数秒間突っ立ったままで考えはじめた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
『何で御座いますか、私に出來る事なら……。』と智惠子は何時になくもどかし相な顏をした。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
人心はおののき、新聞はこの記事で充満し、話題はこれで持ちきり、警察をもどかしとする素人しろうと探偵がそこに飛び出し、その筋は加速度にやっきになっている矢先——いうまでもなく九月八日の夜はもちろん、その以前から
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
しかし、検事と熊城には、そのいずれもが実証的なものでないだけに、半信半疑と云うよりも、何故法水が虹などという夢想的なものにこだわっていて、肝腎かんじんの算哲の墓𥥔ぼこう発掘を行わないのだろう——と、それが何よりもどかしく思われるのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
隨つて、年中變らぬ稗勝ひえがちの飯に粘氣ねばりけがなく、時偶ときたま夜話に來る人でもあれば、母が取あへず米を一掴み程十能でいぶつて、茶代りに出すといふ有樣であつたから、私なども
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
確かに会ったに違いない。然しどこで見たかどうしても思い出せない、という気もちは、こういう経験のある人には、その妙ないらだたしさがはっきりと判るだろう。
途上の犯人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
次郎の頭に巻かれた繃帯は、学校じゅうの注目のしょう点になった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それもさなりと、一たびは思いたれども、すでに一日一金の甘言に酔い、しかして臆病者の佐太郎の決心に恥かしめられたる彼は、平生の気質のごとくはやるままに決心したり、「和主の言も無理ならねど、ともかくもわれも往くべし、せっかく急ぐべけれども支度したくするまで一両日待ちくれよ」
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
笹村は奥まった二階の座敷で、燭台の灯影のゆらぐ下で、二、三杯の酒に酔いの出た顔をほてらせながら、たまには上方語かみがたことばのまじる女たちの話に耳を傾けた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
呼鈴が鳴って、八十人近くの市会議員がゾロゾロと市会議事堂に入った。みな煤煙にやけたような顔をして、少しも生々したところがない。たとえばどぶ溝の中の金魚のようなものである。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
読みではあつても、読みガサの少い方法に甘んじる様になり、ひき出しの摘要書きの範囲の広く及ばないのにれて、遂には、かあどの記録を思ひ止る様になつた。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)