“焦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
25.3%
16.3%
こが14.9%
あせ14.0%
9.9%
いら5.2%
3.4%
じれ2.8%
1.8%
こげ1.8%
1.0%
0.9%
いらだ0.8%
じら0.7%
もど0.4%
もどか0.2%
いぶ0.1%
いらだた0.1%
しょう0.1%
はや0.1%
ほて0.1%
やけ0.1%
0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もし、お絹があのままで、いまだに茂太郎を誘拐して返さないようなことがあれば、それこそお角だって、これだけのれ方でいられようはずはない。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
れてガチリと音させ、よう/\錠をはずし木戸をひらき、出てまいりますと、只なんにも言わず伊之吉に取りすがってふるえております。
けれど、彼が成長して立派なとても美しい青年になった時、彼女は含羞はにかむようになり、間もなく夢中になってがれるようになった。
家々の高張、軒提燈のきぢょうちんは云うも更なり、四ヶ所の大篝火おおかがりびは天をもがすばかりにて、森の鳥類を一時に驚かすのであった。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
相手は無言で、細い白い手を差延べてその名刺を受けた。と思うと、急にさッとドアを開けて、さも待ちこがれてでもいたように、息まではずませて、
深夜の客 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「いや、錢形の親分には濟まないが、私には私の流儀がある、この通り、お榮の敵は討たなきや——もう火が私の頬も足もこがし始めた——もう火が」
すてはまず袴野の顔に激昂のあとのないのを見取り、ついで貝ノ馬介が手綱を取っている手の平の汗までわかるようなあせりを、眉の間に見附けた。
「何も急いだり、あせったりすることはいらないから、仕事なり恋なり、無駄をせず、一揆いっきで心残りないものを射止めて欲しい」と云った。
老妓抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
澁紙しぶがみ色にけてさへゐなければ、顏立も尋常ですが、手足と顏の外は、寸地も白い皮膚のない大刺青ほりものの持主と後でわかりました。
こういうすべての凝視と咆哮との対象というのは、日にけた頬と黒眼がちな眼とをした、体格もよく容貌もよい、二十五歳ばかりの青年であった。
サト子はあてどもなくクロークのほうをながめながら、神月のほうの話をはやくきめて、いくらかでも前渡金を握りたい思いで、いら々してきた。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
こんな悪たれを胸の中に沸き立たせながら、小走りになってむす子を追いかけて行くとき、かの女のいらだたしくも不思議にうれしい気持。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
或る宗徒の一団七、八百人の隊は、残暑のがかんかんりつける炎天へ、半裸体のまま刀槍とうそうを手にふるって、城中から突き出し、
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちに夜はますます更けて来る、——人々の影はますます少なくなって来る、——彼はますますら立ったもののように、室の中を歩き始めた。
だって——ああじれったい。この方は何じゃありませんか——御姉おあねえさんの志だって、お雛様に御馳走なすった、お定りの(栄螺と蛤。)——
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分ながら腑甲斐ふがいのないことに思われて、あとでじれったがるが、その前へ出ると、どうしても段違いで相撲にならないことが自分でわかるだけに
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
米友は突き放されじとき込みました。焦き込めば焦き込むほど、米友の調子が変になりますから、折助などが嘲弄するには、よい材料であります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうしてそれが見当みあたらないと、大いにきこんで、台所にいる婆さんを、ぼやでも起ったように、仰山ぎょうさんな声をして呼び立てる。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勘次かんじあついのでこん襦袢じゆばんこしのあたりへだらりとこかして、こげたやうな肌膚はだをさらけしてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彦「御隠居さま、長らく御不快でさぞお困りでしょう、今おまんまを炊いた処が、こげが出来たから塩握飯しおむすびにして来ましたからおあがんなさい」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清二は、界磁抵抗のハンドルを、全開の位置に保持したまま、早く元への命令が来ればよいがと、気をせらせたのだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
うつくしきものを、いやが上に、うつくしくせんとせるとき、うつくしきものはかえってそのを減ずるが例である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「私、おはなしが濟んだらお好きな程らしたり怒らせたりして差上げます。でも、おしまひまで聞いてね。」
「だつて、貴方あなただつて、生涯一人ひとりでゐる気でもないんでせう。さう我儘を云はないで、い加減な所でめて仕舞つたらうです」と梅子はすこれつたさうに云つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ああ、もうもう思うまい思うまい、悲しいんだやら、こう気がいらだってくるばかりで、やはりこれが悲しいんであろう。涙が知らずに湧いて来る。
猛狒ゴリラいかつて刀身たうしん双手もろてにぎると、水兵すいへいいらだつてその胸先むなさき蹴上けあげる
……やいやい抜け抜け! さっさと抜け! そうして景気よく斬り込んで来ねえ。太刀の筋目を見届けてやらあ。……おやおやどうしても抜かねえな。変に人じらしの野郎じゃねえか。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分が案内につけられながら、ひとを置き去りにして、何とかして何とか、てててててと云ううたをうたって、大いにじらして置いて、他が大迷おおまごつきに、まごついて
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼はもはや凝然じっとしていられなくなったように、もどかしげな足取りで室内を歩きはじめたが、突然立ち止って、数秒間突っ立ったままで考えはじめた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼女は今大きな椅子の肱掛けに手をおいていたが、以前の彼女は入って来るなりもどかしそうに、その椅子へ手提袋てさげ暖手套てぶくろを投げだしたものであったのだ。
ふみたば (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
人心はおののき、新聞はこの記事で充満し、話題はこれで持ちきり、警察をもどかしとする素人しろうと探偵がそこに飛び出し、その筋は加速度にやっきになっている矢先——いうまでもなく九月八日の夜はもちろん、その以前から
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
しかし、検事と熊城には、そのいずれもが実証的なものでないだけに、半信半疑と云うよりも、何故法水が虹などという夢想的なものにこだわっていて、肝腎かんじんの算哲の墓𥥔ぼこう発掘を行わないのだろう——と、それが何よりもどかしく思われるのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
隨つて、年中變らぬ稗勝ひえがちの飯に粘氣ねばりけがなく、時偶ときたま夜話に來る人でもあれば、母が取あへず米を一掴み程十能でいぶつて、茶代りに出すといふ有樣であつたから、私なども
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
確かに会ったに違いない。然しどこで見たかどうしても思い出せない、という気もちは、こういう経験のある人には、その妙ないらだたしさがはっきりと判るだろう。
途上の犯人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
次郎の頭に巻かれた繃帯は、学校じゅうの注目のしょう点になった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それもさなりと、一たびは思いたれども、すでに一日一金の甘言に酔い、しかして臆病者の佐太郎の決心に恥かしめられたる彼は、平生の気質のごとくはやるままに決心したり、「和主の言も無理ならねど、ともかくもわれも往くべし、せっかく急ぐべけれども支度したくするまで一両日待ちくれよ」
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
笹村は奥まった二階の座敷で、燭台の灯影のゆらぐ下で、二、三杯の酒に酔いの出た顔をほてらせながら、たまには上方語かみがたことばのまじる女たちの話に耳を傾けた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
呼鈴が鳴って、八十人近くの市会議員がゾロゾロと市会議事堂に入った。みな煤煙にやけたような顔をして、少しも生々したところがない。たとえばどぶ溝の中の金魚のようなものである。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
読みではあつても、読みガサの少い方法に甘んじる様になり、ひき出しの摘要書きの範囲の広く及ばないのにれて、遂には、かあどの記録を思ひ止る様になつた。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)