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焦
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こげ
ふりがな文庫
“
焦
(
こげ
)” の例文
彦「御隠居さま、長らく御不快で
嘸
(
さぞ
)
お困りでしょう、今お
飯
(
まんま
)
を炊いた処が、
焦
(
こげ
)
が出来たから
塩握飯
(
しおむすび
)
にして来ましたからお
食
(
あが
)
んなさい」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
従祖父
(
おおおじ
)
の
平田将監
(
ひらたしょうげん
)
様の眼は、
焦
(
こげ
)
茶色をしていて凄かったといういい伝えだから、おまえはおそらくお
祖父
(
じい
)
さん似に生れたのであろう……と。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日は代助の頭の上から真直に
射下
(
いおろ
)
した。乾いた
埃
(
ほこり
)
が、火の粉の様に彼の素足を包んだ。彼はじりじりと
焦
(
こげ
)
る心持がした。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
車を横に押し
親父
(
おやじ
)
を勘当しても女房に持つ覚悟
極
(
き
)
めて
目出度
(
めでたく
)
婚礼して見ると自分の
妄像
(
もうぞう
)
ほど
真物
(
ほんもの
)
は面白からず、
領脚
(
えりあし
)
が
坊主
(
ぼうず
)
で、乳の下に焼芋の
焦
(
こげ
)
た
様
(
よう
)
の
痣
(
あざ
)
あらわれ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
暑
(
あつ
)
いので
紺
(
こん
)
の
襦袢
(
じゆばん
)
も
腰
(
こし
)
のあたりへだらりとこかして、
焦
(
こげ
)
たやうな
肌膚
(
はだ
)
をさらけ
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
身動
(
みうごき
)
もせず
熟
(
じつ
)
として兩足を
組
(
くん
)
で
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、
園
(
その
)
を
吹渡
(
ふきわた
)
る
生温
(
なまぬ
)
くい
風
(
かぜ
)
と、半分
焦
(
こげ
)
た芭蕉の實や
眞黄色
(
まつきいろ
)
に
熟
(
じゆく
)
した
柑橙
(
だい/\
)
の
香
(
かほり
)
にあてられて、
身
(
み
)
も
融
(
とけ
)
ゆくばかりになつて
來
(
き
)
たのである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ここぞと、心も
焦
(
こげ
)
つくような、紅梅焼の前を
通過
(
とおりす
)
ぎて、左側、銀花堂といいましたか、
花簪
(
はなかんざし
)
の前あたりで、何心なく振向くと、つい其処、ついうしろに、ああ、あの、その
艶麗
(
えんれい
)
な。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このまま薄く切ってロースのようにしても食べられますが
丁寧
(
ていねい
)
にすれば別の鍋へバターを溶かしてメリケン粉を入れて
杓子
(
しゃくし
)
で
攪
(
か
)
き
廻
(
ま
)
わしながら色の黒く
焦
(
こげ
)
るまでよくよくいためて
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
火脉
(
くわみやく
)
の
気息
(
いき
)
に
人間
(
にんげん
)
日用
(
にちよう
)
の
陽火
(
ほんのひ
)
を
加
(
くはふ
)
ればもえて
焔
(
ほのほ
)
をなす、これを
陰火
(
いんくわ
)
といひ
寒火
(
かんくわ
)
といふ。寒火を
引
(
ひく
)
に
筧
(
かけひ
)
の
筒
(
つゝ
)
の
焦
(
こげ
)
ざるは、火脉の気いまだ陽火をうけて火とならざる
気息
(
いき
)
ばかりなるゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
残飯が上等百二十匁一銭、お
焦
(
こげ
)
百七十匁一銭、残菜一人一度分一厘、残汁同上二厘、だいたい残飯生活の一人当りは六銭ですんだというが、残飯にきりかえても雨の日はまかなえきれない。
明治開化 安吾捕物:09 その八 時計館の秘密
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
蟇のこゑ
野天
(
のてん
)
にひびく
午
(
ひる
)
ちかく
焦
(
こげ
)
いろの風も麥あふり吹く
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
番「何じゃ、
汝
(
おのれ
)
が出る幕じゃアない、汝は
飯炊
(
めしたき
)
だから台所に
引込
(
ひっこ
)
んで、飯の
焦
(
こげ
)
ぬように気を附けて
居
(
お
)
れ、
此様
(
こない
)
な事に口出しをせぬでも
宜
(
え
)
いわ」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
焦
(
こげ
)
くさくて土の交じっているような塩気のうすい味噌汁だ。だが、何か実もはいっている。夢中でふウふウ
啜
(
すす
)
っていた兵隊も、意外な汁の
実
(
み
)
に出会って一層どよめいた。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
代助は
暑
(
あつ
)
い
中
(
なか
)
を
馳
(
か
)
けない
許
(
ばかり
)
に、
急
(
いそ
)
ぎ足に
歩
(
ある
)
いた。
日
(
ひ
)
は代助の
頭
(
あたま
)
の上から
真直
(
まつすぐ
)
に射
下
(
おろ
)
した。
乾
(
かは
)
いた
埃
(
ほこり
)
が、火の
粉
(
こ
)
の様に
彼
(
かれ
)
の
素足
(
すあし
)
を
包
(
つゝ
)
んだ。
彼
(
かれ
)
はぢり/\と
焦
(
こげ
)
る心持がした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
鍋
(
なべ
)
の
中
(
なか
)
は
少
(
すこ
)
しぷんと
焦
(
こげ
)
つく
臭
(
にほひ
)
がした。
彼
(
かれ
)
はお
玉杓子
(
たまじやくし
)
で
掻
(
か
)
き
立
(
た
)
てた。
鍋
(
なべ
)
の
底
(
そこ
)
は
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かす
毎
(
ごと
)
にぢり/\と
鳴
(
な
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
僅
(
わづか
)
に
熱
(
あつ
)
い
雜炊
(
ざふすゐ
)
が
食道
(
しよくだう
)
を
通過
(
つうくわ
)
して
胃
(
ゐ
)
に
落
(
お
)
ちつく
時
(
とき
)
ほかりと
感
(
かん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
だから
無暗
(
むやみ
)
と鼻をぴくぴくさして
牛
(
うし
)
の
焦
(
こげ
)
る
臭
(
におい
)
を
嗅
(
か
)
いで
行
(
ある
)
く、その
醜体
(
ざま
)
ったらない!
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
蟇のこゑ
野天
(
のてん
)
にひびく
午
(
ひる
)
ちかく
焦
(
こげ
)
いろの風も麦あふり吹く
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鉾杉の春の
焦
(
こげ
)
いろよろしみと眺め見あかず
谿岨
(
たにそば
)
のぼる
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
焦
(
こげ
)
る/\」と
歩
(
ある
)
きながら
口
(
くち
)
の
内
(
うち
)
で云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“焦”の解説
焦(しょう)は、西周時代の諸侯国。
『史記』周本紀によると周の武王は神農氏の末裔を焦(現在の河南省三門峡市陝州区)に封じたとある。
『竹書紀年』の記載によると、周の幽王七年(紀元前775年)焦は虢によって滅亡した。
(出典:Wikipedia)
焦
常用漢字
中学
部首:⽕
12画
“焦”を含む語句
焦燥
焦慮
焦躁
焦心
焦点
焦立
焦々
焦眉
焦土
焦熱
焼焦
焦死
黒焦
焦茶
日焦
焦茶色
焦臭
焦熱地獄
小焦
麦焦
...