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眞黄色
爀と
眞黄色な
目を
光らしたが、ギヤツと
啼いて、ひたりと
欄干を
下へ
刎返る、と
橋を
傳つて
礫の
走つた
宿の
中へ
隱れたのである。
その
中でも、いてふがお
社の
境内などに
眞黄色になつて、そびえてゐたりするのは、
實にいゝ
眺めです。
身動もせず
熟として兩足を
組で
坐つて
居ると、
園を
吹渡る
生温くい
風と、半分
焦た芭蕉の實や
眞黄色に
熟した
柑橙の
香にあてられて、
身も
融ゆくばかりになつて
來たのである。