“生温”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なまぬる77.2%
なまぬ8.1%
なまあたたか5.7%
なまあたた3.3%
なまあったか1.6%
なまあたゝ1.6%
なまあたゝか1.6%
なまぬく0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水道の水は生温なまぬるいというので、掘井戸の水を売ったので、荷の前には、白玉と三盆さんぼん白砂糖とを出してある。今の氷屋のような荷です。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
気のなさそうな生返事なまへんじをした叔母は、お金さんが生温なまぬるい番茶を形式的に津田の前へいで出した時、ちょっと首をあげた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
兵士の横腹から出る生温なまあたたかい血が手の甲にドクドクと流れかかると、その傷口から臓腑の中へ、グッと両手を突込みたい衝動に馳られて仕様がない位であった。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ある生温なまあたたかい曇天の午後、ラップは得々とくとくと僕といっしょにこの大寺院へ出かけました。なるほどそれはニコライ堂の十倍もある大建築です。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
指先で頬辺を一寸つっつくと、生温なまあったかいつるりとした感触がした。喫驚して手を引込める間に、赤ん坊は唇のあたりをかすかに震わした。
幻の彼方 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それが、何時から始まつた事か、冷たい筈の石地藏の肌が人間のやうに生温なまあたゝかくなつて居ることが發見されました。最初は多分、其邊で鬼ごつこでもして居る、里の子供達が氣が付いたのでせう。
昼過ひるすぎからすこ生温なまあたゝかかぜやゝさわいで、よこになつててゐると、何処どこかのにはさくらが、霏々ひら/\つて、手洗鉢てあらひばちまはりの、つはぶきうへまでつてる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
金絲のぬひはくをした上衣うはぎきらめかして大買人おほあきんどもあれば、おもさうな荷物を脊負しよつてゆく人足にんそくもある、香料かうれうたへなるかほりり/\生温なまぬくい風につれてはなを打つ、兒童こども極樂ごくらくへでもつた氣になつて
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)