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極樂
若しも
貴下が、
世間で
言ふやうに、
阿呆の
極樂へ
姫さまを
伴れて
行かっしゃるやうならば、ほんに/\、
世間で
言ふ
通り、
不埓な
事ぢゃ。
又死んでも
極樂へ
確に
行かれる
身ぢやと
固く
信じて
居る
者は、
恁云ふ
時には
驚かぬ。
金絲の
綉をした
上衣を
日に
煌かして
行く
大買人もあれば、
重さうな荷物を
脊負てゆく
人足もある、
香料の
妙なる
薫が
折り/\
生温い風につれて
鼻を打つ、
兒童は
極樂へでも
行つた氣になつて