“香料”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうりょう40.0%
かうれう20.0%
こう10.0%
においもの10.0%
にほひ10.0%
やくみ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黄昏たそがれの街の途上とじょうで会った時、百合子はチラと責めるように僕をてこう云ったが、歩きながら、例のように百合子は肩をさし寄せて、香料こうりょうにおいを運んで来る。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
あせと、わきがと、湯無精ゆぶしやうのぞいては、をんなは——化粧けしやう香料かうれうのほか、だしなみのいゝをんなは、くさくはないものとおもつてる。はゞかりながらはなはきく。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
深紅の壁掛けが裾をふるわせ、香炉から立ち昇る香料こうの煙りが右に左に揺れ動く。鼻を刺す鋭い匂い! すなわち、香料の匂いであったが、部屋一杯に充ち満ちている。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「上様は可愛がってくださいました……紗のような天蓋が蔽うていて、忍びやかに匂う香料においものの、薄い煙りの漂う中で……でも上様のおかいなにも、そうして妾の腕にも、刺された銀の針のあとが、赤くついておりましたわねえ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
船中せんちゆうあさ食事しよくじは「スープ」のほか冷肉れいにく、「ライスカレー」、「カフヒー」それに香料にほひつた美麗うるはしき菓子くわし其他そのほか「パインアツプル」とうきはめて淡泊たんぱく食事しよくじで、それがむと
虚空に抵抗物は少いのだがくなるこの自然の約束を万物の上から観破して僕は螺旋が運動の妙則だと察したよ。サア話しが段々煮えて来た、ここへ香料やくみを落して一ト花さかせる所だ。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)