“化粧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けしょう23.8%
つくり17.2%
けしやう7.4%
けわい7.4%
けわ5.7%
けはひ3.3%
しまい3.3%
めかし3.3%
おしまい2.5%
おつくり2.5%
みじまい2.5%
よそお2.5%
けは1.6%
つく1.6%
めか1.6%
やつ1.6%
けしよう0.8%
おめかし0.8%
けしょ0.8%
げしよう0.8%
しまひ0.8%
しゃれ0.8%
たしなみ0.8%
つくろひ0.8%
づくり0.8%
ばけしょう0.8%
みが0.8%
みじたく0.8%
みじめえ0.8%
よそおい0.8%
よそほ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたしゃ今こそおまえに、精根せいこんをつくしたお化粧けしょうを、してあげとうござんす。——紅白粉べにおしろいは、いえとき袱紗ふくさつつんでってました。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「さあ、若いものは遅くなると危いで、化粧つくりなどはいい加減にして、早くおいでと言うに。」と、婆さんはやるせなくき立てた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いさゝか平常ふだん化粧けしやうたがふことなかりしとぞ。いま庇髮ひさしがみ、あのおびたゞしくかほみだれたるびんのほつれは如何いかにはたしてこれなんてうをなすものぞ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
抱起だきおこされるとまばゆいばかりの昼であつた。母親も帰つて居た。抱起したのは昨夜ゆうべのお辻で、高島田も其まゝ、や朝の化粧けわいもしたか、水のる美しさ。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
淡く化粧けわいさえしている若い風邪の妻は、ゴミゴミした世帯やつれの古妻の病気とは違い、清艶な感じがする。
女流俳句を味読す (新字新仮名) / 杉田久女(著)
るもつもるも風情ふぜいかな、未開紅みかいこううめ姿すがたつぼみゆきはらはむと、おき炬燵ごたつより素足すあしにして、化粧けはひたる柴垣しばがきに、には下駄げたつまさばく。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あの親父おやじは堅いからやかましいが親父が死んで仕舞えば旦那でもなんでも取れます、あれで軟かい着物でも着せてお化粧しまい
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
天鵞絨ビロードのやうな贅沢な花びらをかざり立てて、てんでにこつてりしたお化粧めかしをした上に、高い香をそこら中にぷんぷんとき散らし、木は木で
春の賦 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
何しろと目見たいと云いますから、そんならばと云うので娘に話し、損料を借りて来る、湯に往って化粧おしまいをする、漸く出来上った。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なあおすみ、お豊がこう化粧おつくりした所は随分別嬪べっぴんだな。色は白し——姿なりはよし。うちじゃそうもないが、外に出りゃちょいとお世辞もよし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
たっぷりした癖のない髪を、この頃一番自分に似合う丸髷に結って、山の客が来てからは、彼女は一層化粧みじまいを好くしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
知っていてその化粧よそおいを直して来たこまかさが、経之にやはり並大ていのはぎ野でないことを、このことだけを見立てても、わかった。
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
化粧けはつてはゐないが、さらでだに七難隠す色白に、長い睫毛まつげと格好のよい鼻、よく整つた顔容かほだてで、二十二といふ齢よりは、が目にも二つかつは若い。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
お庄は顔も化粧つくり、着物も着替えて待っていたが、時計が七時を打っても八時を打っても誰も来なかった。お庄はじっとして落ち着いていられなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
なるべく上等のドレスを着て、出来るだけ化粧めかしこむ。厄介なことには、この階級では、同じ家へ、同じドレスを二度着て行くことはしない、という恐るべき習慣がある。
パーティ物語 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「今日一ぺん化粧やつしてこましたろ思て、髭剃ったんやけど、あとからなんぞつけるのん忘れたよって、ひりひりして痛いわ」
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
なほ、あるはかからは漆器しつきでつくつた化粧箱けしようばこて、そのはこなかにはべに白粉おしろいれたちひさな蓋物ふたものれてありましたが、そのころひとも、かういふ道具どうぐでお化粧けしようをしたことがわかります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さなごれたる糠袋ぬかぶくろにみがきあげいづればさら化粧げしようしらぎく、れも今更いまさらやめられぬやうなになりぬ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と云へば、それでもお化粧しまひに手間の取れまするが無理は無い筈、と云ひさしてホヽと笑ふ慣れきつた返しの太刀筋。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それに日本の妻君は三日に上げず髪を結うという手数もある。だから自然と料理のことを嫌ってお化粧しゃれの方へ手数をかけたがる。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その時、顔や容姿かたち化粧たしなみをするたびに、必ず心の化粧もしてほしいのです。真の化粧とは、心の化粧です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
おさへ少し辛抱しんばうして居らるゝと屹度きつと出世しゆつせも出來まする其御邸と申のは至つて風儀ふうぎよいとの事傍輩衆はうばいしうも大勢有て御奇麗きれいずきの方々ゆゑ毎日朝から化粧つくろひが御奉公安心なる物なりと口から出次第でしだい喋舌立しやべりたてるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大奥のこってり化粧づくりにも、何かたらし込みをしている容子ようす——あれほどの男を、しいたけたぼなんぞだけに、せしめさせて置くってわけはねえよ。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あんたが、うぬぼれなければねえ。でも、あんたのようなお化粧は、お化粧の範囲カテゴリイを通り越しているわ。化粧ばけしょうだわ。」
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
化粧みがきぬいて、盛装して——女の外出は浮いた感傷に酔っている、それを、掻き乱された気がしたのであろう。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早くに化粧みじたくをすました姿に明るい灯影を浴びながらお座敷のかかって来るのを待つ間の所在なさに火鉢の傍に寄りつどうていた売女おんなの一人が店頭みせさきに立ち表われた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
さ「あゝ今二階で化粧みじめえしてりますの、どうせ閑暇ひまだが又何時いつ口が掛るかも知れないから、湯にって化粧けしょうをさせて置くのサ……二階に居りますが何か用が有るのかえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
翌日、千代子は化粧よそおいを凝らして停車場に来た。その夕、大槻は千代子を送ってプラットホームに降りたが、上野行きの終列車で帰った。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
化粧よそほつてはゐないが、七難隱す色白に、長い睫毛まつげと恰好のよい鼻、よく整つた顏容かほだちで、二十二といふとしよりは、誰が目にも二つか三つ若い。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)