“天鵞絨”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
びろうど55.7%
ビロード32.8%
ビロウド7.5%
びらうど1.1%
とうてん0.6%
びろおど0.6%
やろう0.6%
ヴェルウル0.6%
ヴェルヴェット0.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“天鵞絨”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.0%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行1.1%
文学 > 日本文学 > 詩歌0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
初枝も天鵞絨びろうどの夜具のえりをソット引上げて、水々しい高島田のたぼを気にしいしい白い額と、青い眉を蔽うた。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一本の細い蒼白い棒が、天鵞絨びろうどを張ったような夜の闇を、一筋どこまでも延びて行くように、その泣き声は延びて行った。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
墓前を埋めつくした真白な百合の花弁の上に、天鵞絨ビロードの艶を帯びた大黒揚羽蝶が、はねを休めて、息づいておった。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
勢のいい幅のある声とともに土間へ入って来たのは、相変らず年代も分らぬ古天鵞絨ビロードの丸帽子をかぶった重蔵であった。
猫車 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「絹物を着て居る奴はないか、天鵞絨ビロウドの鼻緒、唐皮からかわ煙草たばこ入——そんな御禁制のものは無いか」
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そして、前にゐた幾人の女中の汗やら髪のあぶらやらが浸みてるけれども、お定には初めての、黒い天鵞絨ビロウドの襟がかけてあつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
涜職天鵞絨びらうど
聖三稜玻璃:02 聖三稜玻璃 (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
いや、あのひとには哥薩克魂といふものがないのだ! 哥薩克魂といふものは、いつ、何処で、でくはしても、必らず互ひの胸から胸へ通じ合ふものだ! どうだ、皆の者、もうぢき陸だらう? よしよし、帽子は新らしいのをやるよ。ステツィコ、おぬしには金飾りのついた天鵞絨びらうど表のをやるぞ、それは俺が韃靼人から首もろともに毮ぎ取つたやつだ。
雪のような天鵞絨とうてんの緒を、初霜薄き爪先つまさきかろふまえた南部表なんぶおもてまさの通った船底下駄ふなぞこげた
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
赤いふさある天鵞絨びろおどの帽子を
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
白小袖の上に紫縮緬の二つ重ねを着、天鵞絨やろう羽織に紫の野良帽子をいただいた風情は、さながら女のごとくなまめかしい。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
奥の壁に寄せてディヴァンふうの大きなダブルベッドがあって、天鵞絨ヴェルウルの寝台掛が屍体の重みで人間の身体の形に冷えびえと窪んでいる。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そんな往来を足駄でひろって行くと、角の土管屋の砂利の堆積の上に、黒い厚い外套を着、焦茶色の天鵞絨ヴェルヴェット帽をかぶった大平が立って待っていた。
一本の花 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)