“やろう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
野郎78.8%
冶郎6.1%
野良帽子3.0%
夜漏3.0%
天鵞絨3.0%
自動車3.0%
野老3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そりやわたしは、ひどいにあつているんですから——あのおやじくらい、ごうつくばりでケチンボで、人情にんじょうなしの野郎やろうはないですよ。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
しかも賤妓せんぎ冶郎やろうが手をつて一唱三歎いっしょうさんたんする者はこの都々逸なり。いやしくも詩を作る者は雲井竜雄くもいたつお西郷隆盛さいごうたかもりらの詩を以て、浅薄露骨以て詩と称するに足らずとなす。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
そばに坐っていた二十を出たばかりの、野良帽子やろうを着た美しい若衆方を促し立てながら、おどけた連舞つれまいを舞い始めた。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
白小袖しろこそでの上に、紫縮緬の二つ重ねを着、虎膚天鵞絨とらふびろうどの羽織に、紫の野良帽子やろうをいただいた風情ふぜいは、さながら女の如くなまめかしい、この二人を囲んで、一座の道化方、くゎしゃ方、若衆方などの人々が
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「夜深うしてまさに独りしたり、めにかちりとこを払はん」「形つかれて朝餐てうさんの減ずるを覚ゆ、睡り少うしてひとへに夜漏やろうの長きを知る」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
白小袖の上に紫縮緬の二つ重ねを着、天鵞絨やろう羽織に紫の野良帽子をいただいた風情は、さながら女のごとくなまめかしい。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「……いま行った……気狂い自動車やろうですよ……」
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
野老やろう 声をんで こくしていままず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)