“哭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
70.2%
こく14.2%
なげ7.1%
なき2.1%
1.4%
0.7%
おら0.7%
なく0.7%
なげき0.7%
みねなか0.7%
コク0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
祖母の妖怪話が頭にみついているせいか、どこかで啾々しゅうしゅうとして鬼がいているといったような、屋の棟三寸下るといったような
棚田裁判長の怪死 (新字新仮名) / 橘外男(著)
孝孺おおいに数字を批して、筆を地になげうって、又大哭たいこくし、かつののしり且こくして曰く、死せんにはすなわち死せんのみ、しょうは断じて草す可からずと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「もし魯粛ろしゅくが、例の問題を持出して、荊州のことを云い出したら、君には、声を放って、おなげきになられたがよいでしょう」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぬるにも死なれざるには成けるかな、ゆるし玉へわがつまと雪にひれふし、やけたるつなにすがりつきこゑをあげてなきになきけり。
……朝鳥ののみ泣きつゝ恋ふれどもしるしをなみと、ことゝはぬものにはあれど、吾妹子が入りにし山をよすがとぞ思ふ——高橋虫麿(巻三、四八一)
雲隠れにすがたも見えず鳴いてゆく鳥の如く、ただ独りで忍び泣きしてばかりいる、というので、長歌の終に、「かくに思ひわづらひ、のみし泣かゆ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに多遲摩毛理たぢまもり縵四縵矛四矛かげよかげほこよほこを分けて、大后に獻り、縵四縵矛四矛かげよかげほこよほこを、天皇の御陵の戸に獻り置きて、その木の實をささげて、叫びおらびて白さく
さいぜんはしりたるものども戸板といたむしろなどかたげる用意をなしきたり、つまがもちたるくびをもなきからにそへてかたげければ、人々前後ぜんごにつきそひ、つま子らはなく々あとにつきてかへりけるとぞ。
慨世のなげき、憂国の涙、二人あいして、泫然げんぜんとして泣きしが、すなわち酒をみてともちかい、死を以て自ら誓い、済南せいなんはしりてこれを守りぬ。景隆ははしりて済南にりぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ここにやまとにます后たち、また御子たちもろもろ下りきまして、御陵を作りき。すなはち其地そこのなづき田匍匐はらば𢌞もとほりて、みねなかしつつ歌よみしたまひしく
痩人ソウジンハ地ニモクシテコク
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はつきり聞いたのが、水の上に浮いてゐる鴨鳥カモドリコヱだつた。今思ふと——待てよ。其は何だか一目惚れの女のき声だつた気がする。——をゝ、あれが耳面刀自。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)