“こく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コク
語句割合
42.6%
12.8%
7.4%
7.1%
5.0%
4.6%
3.9%
3.5%
2.8%
2.8%
2.5%
1.1%
0.7%
0.4%
0.4%
枯躯0.4%
0.4%
0.4%
重味0.4%
0.4%
0.4%
𣫔0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黄色いほこりですぐ知れた。空地の草ッ原では、はや執行の寸前とみえ、正午しょううまこくの合図を待って、首斬り刀に水をそそぐばかりらしい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大きいものは一こくるれば小さきものは一しゃくも容れ得ぬ。しかしいかにしょうなるも玩具がんぐにあらざる限りは、皆ひとかどの徳利と称する。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「まだいるのかはちとこくだな、すぐ帰るから待ってい給えと言ったじゃないか」「万事あれなんですもの」と細君は迷亭をかえりみる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其父そのちちたたかひて(七三)くびすめぐらさずして、つひてきせり。呉公ごこういままた其子そのこふ。せふ(七四)其死所そのししよらず。ここもつこれこくするなり
なんでこんなおおきなしろ寝所ねどこなもんか、これはやがて、四こくしゅうはおろか、東海道とうかいどう浜松はままつ小田原おだわらも、一呑ひとのみに併呑へいどんしようとする支度したくじゃないか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相場さうば氣味ぎみときにやうつかりすつと損物そんものだかんな、なんでも百姓ひやくしやうしてこくんでものが一とうだよ、卵拾たまごひろひもなあ、赤痢せきりでも流行はやつててな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
八箇国を一月ばかりに切従へられて、七こくの芥子を一七日に焚いたなぞは、帯紐のゆるみ加減も随分太甚はなはだしい。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
すでにして大夫たいふ鮑氏はうしかうこくぞくこれみ、景公けいこうしんす。景公けいこう穰苴じやうしよ退しりぞく。しよやまひはつしてす。田乞でんきつ田豹でんへうこれつてかうこくうらむ。
「しかも曲っていらあ」「少し猫背ねこぜだね。猫背の鼻は、ちと奇抜きばつ過ぎる」と面白そうに笑う。「おっとこくする顔だ」と主人はなお口惜くやしそうである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「山東のこく宋江です。張順さん、あなたのご実兄の張横さんとは、掲陽鎮けいようちんでお目にかかって、いろいろお世話になっています。どうか以後はお見知りおきを」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
極く一こくたちで尊大で家一杯ひろがつて我儘を通して居た習慣が、病みついてからは更に募つて、家のものに一日三界あたり散らすので、末の弟の哲と云ふのなぞは
お末の死 (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
其いづる所を問へば、此国苗木城西二里きよ水晶が根といふ山よりとり来るといふ。二里半大井駅。十三峠をのぼる。此れいはなはだ険ならず、けいなくこくあり。石も少して赤埴土あかきはにつちなり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「それや火がかねこくしたんだ」
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
それは名前のこくされた大理石の存する限り、永存すべき運命を持つ、石碑せきひられた名前であつた。
他の僧徒らまた一顧するや怪しく叫び、期せずして相とらう。たとえば恐怖の流れ狂僧の枯躯こくめぐり、歯がみして向うところを転ずるごとき、間。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
わがわる床几の底抜けて、わが乗る壇の床くずれて、わが踏む大地のこく裂けて、己れを支うる者は悉く消えたるに等し。ギニヴィアは組める手を胸の前に合せたるまま、右左より骨もくだけよとす。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
春田九皐、名はこく、字は景純また九皐、真庵また葆真居士と号す。枕山が同人集第三編に略伝がしるしてある。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「掛声はありがたいが閻魔はひどうがす。旦那、辻の地蔵といわれます、石で刻んで、重味こくがあっても、のっぺりと柔い。」
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おなじく大學だいがく學生がくせい暑中休暇しよちうきうか歸省きせいして、糠鰊こぬかにしん……やすくて、こくがあつて、したをピリヽと刺戟しげきする、ぬか漬込つけこんだにしん……にしたしんでたのと一所いつしよに、金澤かなざはつて、徒歩とほで、森下もりもと津幡づはた石動いするぎ
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ブリューというのはどうも灰色のことでブリュースワンというのはひょっとするとただのこくらしいのです。
オカアサン (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
印南、茶山、蘭軒と倶に、墨田川に花見舟をうかべた今川槐庵は、名は𣫔こく、字は剛侯かうこうである。わたくしは𣫔は毅ではないかと疑ふが
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)