“徒”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
いたず35.9%
いたずら20.3%
いたづ11.3%
7.2%
いたづら7.0%
かち2.9%
あだ2.5%
てあい2.3%
やから1.8%
ただ1.1%
(他:43)7.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“徒”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語8.4%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.8%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆2.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
眼もあいている、口もあいているが、その眼はいたずらにポカリと開いていて、その口はダラリと舌を吐いたままのものです。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
待っている間、机の上に置いてあった硯箱を明けて、巻紙にいたずら書きをしていた処であったから机のむこうに来ると、
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
あったのは、植物博士の怠慢、否、いたずらに文化、学問の美名を説くのみで、誠意ある研究に不熱心な悪徳あるのみであった。
味方の士気をくじくようなこと、狼狽を駆り立てるようなこと、また、敵の強味などはいたずらに語らぬが法とされている。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は雑誌や小説本などを見せて貰つたが、只いたづらに頁をはぐりながら、全く落ち着かぬ心持で、三十分余りも居て暇を告げた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
自分は一生結局つまり之と云ふ何の仕事もせず、いたづらに生の悪夢にひたつて平凡に死んで行く運命の者ではなからうか。
茶山の此書を読んで、わたくしは頼竹里ちくりが此年文化十二年に江戸より広島へ帰り、僦居してに授けたことを知る。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
刑部ぎょうぶ景繁かげしげとは、何者かの変名だろうし、さきに御所内へ入りこんだ酒商人も、一味のであったに相違ない。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、この皮肉屋を以て知られた東花坊には周囲の感情に誘ひこまれて、いたづらに涙を落すやうな繊弱な神経はなかつたらしい。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今や千行垂せんこうたるといへども効無かひなき涙は、いたづらに無心の死顔にそそぎて宮のこんは知らざるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かちなるも車なるも燭をりたるに、窓のうちに坐したる人さへ火持たぬはあらねば、この美しき夜は地にも星ある如くなり。
荷車を引いてくる者、自転車を利用している者、大風呂敷を背負ってかちでくる者、さまざまであった。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
彼我に。すこやかなる心をもてよくこの事を思ひみよ、わが筆し易く、彼等の望みあだならじ 三四—三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかはあれ泣菫子が為めには、こもまたあだなる花の開落にあらずして、人生迷悟の境なりき。
『二十五絃』を読む (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
世話人てあいが、妙に気にして、それとなく、一人々々数えてみると、なるほど一人姫が多い。誰も彼も多いと云う。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かかりあいのがれぬ、と小力こぢからのある男が、力を貸して、船頭まじりに、このてあいとてたしかではござりませなんだ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
正親 神の御告をあざけるやからは惡魔も同然ぢや。退すされ、すされ。(御幣にて加賀を打つ。)
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
外記 書置などと云ふものは、この世に未練のあるやからが、亡き後を思うて愚痴をかき殘すか。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
して初めより、如何あらんと疑弐ぎじする日に出でゝ、興趣を感ずべき筈なし、ただに時間と金銭を費すに過ぎず。
研堂釣規 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
元もとただの女であつた人が、高等以上の教育を受け、ある人は哲学をやつたが唯いくらか頭がよかつただけ、或る人は女性解放といふ理論の熱病にかかつただけ
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
また善く何故に彼等この非道のともがらとわかたれ、何故に彼等を苛責する神の復讎の怒りかへつて輕きやを見るをえん 八八—九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
狂へる二の者過ぎ去りて後、我は此等に注げる目をめぐらし、ほかのさちなく世に出でしともがらを見たり 四六—四八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かく「かえすッたって、どうもたゞは返されません、私も路銀を遣い、こうやって態々わざ/\尋ねて来たんですものを」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしいま喰殺くひころされるのは覺悟かくごまへだが、どうせぬならたゞなぬぞ
大正四、五年の頃南岳四谷の旧居を去つて北総市川の里にうつり寒暑昼夜のわかちなく釣魚ちょうぎょを事とせしが大正六年七月十三日白昼江戸川の水に溺れて死せり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
また密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平ほくへいは、形勝の地にして、士馬しば精強に、きんげんの由って興るところなり、今よろしくほう南昌なんしょううつしたもうべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「五人であいさいの目に並んでおります、真中まんなかへ割込んで、まず帆を下ろしたのでござります。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だが、こいつあこちとらであいの、すなわち狸の腹鼓という甘術あまてでね。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
吾人は漁郎ぎよらうを求めつゝあり、吾人をして空言くうげんともとならしむる勿れ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
正道まさみちに入り立つともよおほかたのほまれそしりはものならなくに
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なぜむやみにしつこく笑うのか、なぜそんな訳から娘を殺すのか、政岡まさおかはなぜ幕をいたずらになが引かせるのかなど思う事さえある。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「坊ちゃん、お母様がお友達と仲よくこれを召し上がるようにって。………それから今日は好いお召を召していらっしゃるんですから、あんまりおいたをなさらないように大人しくお遊びなさいましよ」
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
皆中途で立消をしてしまうであろう※まただ外界と縁遠くなったのみならず、我内界ともうとくなったようで、我心ながら我心の心地はせず、始終何か本体の得知れぬ、一種不思議な力にいざなわれて言動作息さそくするから
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
もし此儘で置てはだ後世を誤るばかりと思ふから聞ひた儘を筆記して、土陽新聞の余白を借り、諸君の一さいを煩す事にしました、唯だ文章が蕉拙まづくつての女丈夫を活動させることの出来ないのが如何にも残念です。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
素袍すはうでもてあひたま輿こしつて、へい、おむかへ、と下座げざするのをつくらつせえ。えゝ! と元気げんきさつしやりまし。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もつとものはりぞくがうするてあひは、懷中くわいちう如何いかんかゝはらず、うしたさもしい料簡れうけんと、むかしから相場さうばづけにめてある。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
内儀かみさんとおつぎはうして熟睡じゆくすゐした身體からだ直立ちよくりつせしめやうと苦心くしんするほどむだちからつくしたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お前に逢わないと粧けたお白粉がむだになってしまう
加フルニ、民ハ疲レ、諸卒ミテ、兵器馬具モ、リ腐リテ、新鋭ノ精ナク、武人、イタヅラニ壮語大言ヲナスモ、田牛行馬デンギウカウバハ痩セ衰ヘテ、コレヲ戦場ニ駆ルモ、何ノ用カスベキ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軍ヲ見給フコト、神ノ如ク、戦フヤ果断、守ルヤ森厳、度量ハ江海カウカイノ如ク、オン眼ハ常ニナゴミ給ヒ、イカナル困難ノ時ニアリトモ、イタヅラニ狂躁キヤウサウ御唇オクチヲヒラキ給ヘルタメシアルコトヲ知ラズ
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
偐紫楼にせむらさきろう燈火ともしびは春よりも夏よりもいらずらにその光の澄み渡るもややめて来た頃であった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あれは私の娘ですが、妹を家督に直すわけに參りません、何處かへ嫁にやることになりませう、自分の生んだ娘ですから、女房のお春には、兎角の不服もあることでせうが、世間の義理にはしたがはなければなりません」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
大宝律には、じょうと、五刑が規定されているが、聖武天皇以来、代々の天皇はみな熱心な仏教の帰依者で、仏法尊信のあまり
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さて、その長屋門をはひると、だだぴろい中庭の右側に、長屋のやうに見える六畳ぐらゐの部屋がよつつほど並んでゐて、その外側に、四つの部屋に共通する、長い広い縁側がついてゐた。
おいらこれから石滝へくから、おめえあとから取りに来ねえ、夕立はちょいと借りるぜって、そのまま乗出したもんだからね、そこいら中騒いでたてええに相済みませんを百万だら並べたんで。転んだ奴あ随分あったそうだけれど、大した怪我人もなし、持主が旦那様なんですから故障をいう奴もねえんで、そっちゃ安心をして追駈おいかけて来ましたが、何は若様はどちらへ行ったんで。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やあやあ、しっしっ、吹くやら、払いますやら、じっとして赤蜻蛉が動かねえとなると、はい、時代違いで、何の気もねえ若いてやいも、さてこの働きにかかってみれば、記念碑糸塚の因縁さ、よく聞いて知ってるもんだで。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こんの兄哥あにきもそういうし、乗組んだ理右衛門でええも、姉さんには内証にしておけ、話すと恐怖こわがるッていうからよ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なんてって親方でやいが、串戯じょうだんにもいったんですが、それでもざっと一年ばかり、彼奴あいつ火沙汰ひざたがなかったんです。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そなたその氣高けだか姿すがたほん蝋細工同樣らうざいくどうやうをとこ勇氣ゆうきからははづれたものぢゃ。
此神、天智の御代に、坂本へ影向せられたが、大津の八柳で疲れて、カチあるきもむつかしくなつた。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)