“徒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いたず35.3%
いたずら20.8%
いたづ10.5%
7.8%
いたづら6.8%
かち2.9%
あだ2.9%
てあい2.0%
やから1.9%
ともがら1.4%
ただ1.1%
たゞ0.6%
てあひ0.5%
むだ0.5%
であい0.5%
とも0.5%
いた0.3%
うつ0.3%
0.3%
0.3%
でし0.3%
イタヅ0.3%
いらずら0.2%
0.2%
したが0.2%
だだ0.2%
てええ0.2%
てやい0.2%
でえ0.2%
でやい0.2%
ほん0.2%
カチ0.2%
タダ0.2%
0.2%
トモガラ0.2%
弟子0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先生は各人が自分の個性を伸ばしてゆくことを望まれて、いたずらに先生の真似をするが如きことはかえって苦々しく感じられたであろう。
西田先生のことども (新字新仮名) / 三木清(著)
ろくに親切とかサービスとか良心も知らずいたずらにゼネストばやりの世相に比べれば飲み屋の良心の復活は、まだしも見どころがある。
ちかごろの酒の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
馬琴を論ずるもの、いたづらに勧善懲悪を以て彼を責むるを知つて、彼の哲学的観念の酬報説に論入せざる、評家の為に惜まざるを得ず。
猟奇のよ、卿等けいらは余りに猟奇者であり過ぎてはならない。この物語こそよきいましめである。猟奇のはて如何いかばかり恐ろしきものであるか。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし、敵はこちらを余りに弱いものと見くびつて、油断をしてゐたので、はじめの程の砲撃はいたづらに魚を驚かしたに過ぎなかつた。
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
かちなるも車なるも燭をりたるに、窓のうちに坐したる人さへ火持たぬはあらねば、この美しき夜は地にも星ある如くなり。
「なるほど、勝抜いた者をそなたの婿に定める勝負、あだに見過ごせぬというも道理じゃ。して願いとは何事だ」
半化け又平 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そうでないと、あれでも御国みくにのためには、生命いのちおしまないてあいだから、どんなことをしようも知れない。よく思案して請取るんだ、いいか。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
枯れかかると直ぐに刈り取って風呂の下に投げ込むようなやからはともに語るに足らない。しかも商売人の植木屋とて油断はならない。
我家の園芸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
我答へて彼に曰ひけるは、かれら逐はれしかども前にも後にも四方より歸れり、されど汝のともがらは善くこのわざを習はざりき 四九—五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
して初めより、如何あらんと疑弐ぎじする日に出でゝ、興趣を感ずべき筈なし、ただに時間と金銭を費すに過ぎず。
研堂釣規 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
〔譯〕果斷くわだんは、より來るもの有り。より來るもの有り。ゆうより來るもの有り。義と智とをあはせて來るもの有り、じやうなり。たゞゆうのみなるはあやふし。
「十三囘忌くわいき、はあ、大分だいぶひさしいあとの佛樣ほとけさまを、あのてあひには猶更なほさら奇特きとくことでござります。」と手拭てぬぐひつかんだを、むねいてかたむいて
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一寸奥の六畳へ行って徳に逢ってやっておくれ、徳が今日はお白粉しろいけて待っていたのだから、お前に逢わないと粧けたお白粉がむだになってしまう
植木屋であいも誘われて、残らずどやどや駆けて出る。私はとぼんとして、一人、離島はなれじまに残された気がしたんです。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幸に江湖の識者来つて、吾人に教へよ、吾人をして通津つうしんを言ふの人たらしむるなかれ。吾人は漁郎ぎよらうを求めつゝあり、吾人をして空言くうげんともとならしむる勿れ。天下誰れか隣人を愛するを願はざる者あらむ。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
なぜむやみにしつこく笑うのか、なぜそんな訳から娘を殺すのか、政岡まさおかはなぜ幕をいたずらになが引かせるのかなど思う事さえある。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
また密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平ほくへいは、形勝の地にして、士馬しば精強に、きんげんの由って興るところなり、今よろしくほう南昌なんしょううつしたもうべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
じょうと五刑が規定されているが、聖武天皇以来、代々の天皇はみな熱心な仏教の帰依者で、仏法尊信のあまり刑をすこしでも軽くしてやることをこのうえもない功徳だとし
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もし此儘で置てはだ後世を誤るばかりと思ふから聞ひた儘を筆記して、土陽新聞の余白を借り、諸君の一さいを煩す事にしました
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)
百樹もゝき曰、唐土もろこしにも弘智こうちたる事あり。唐の世の僧義存ぎそんぼつしてのちしかばね函中はこのなかおき、毎月其でしこれをいだし爪髪つめかみのびたるを剪薙はさみきるをつねとす。
加フルニ、民ハ疲レ、諸卒ミテ、兵器馬具モ、リ腐リテ、新鋭ノ精ナク、武人、イタヅラニ壮語大言ヲナスモ、田牛行馬デンギウカウバハ痩セ衰ヘテ、コレヲ戦場ニ駆ルモ、何ノ用カスベキ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
偐紫楼にせむらさきろう燈火ともしびは春よりも夏よりもいらずらにその光の澄み渡るもややめて来た頃であった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
深く、勁く、冷たい水流をち渉る。垂直に近い岩壁を、山人の差し出す細い木の枝などを頼りに、はいあがる。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
家督に直すわけに參りません、何處かへ嫁にやることになりませう、自分の生んだ娘ですから、女房のお春には、兎角の不服もあることでせうが、世間の義理にはしたがはなければなりません
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
さて、その長屋門をはひると、だだぴろい中庭の右側に、長屋のやうに見える六畳ぐらゐの部屋がよつつほど並んでゐて、その外側に、四つの部屋に共通する、長い広い縁側がついてゐた。
おいらこれから石滝へくから、おめえあとから取りに来ねえ、夕立はちょいと借りるぜって、そのまま乗出したもんだからね、そこいら中騒いでたてええに相済みませんを百万だら並べたんで。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じっとして赤蜻蛉が動かねえとなると、はい、時代違いで、何の気もねえ若いてやいも、さてこの働きにかかってみれば、記念碑糸塚の因縁さ、よく聞いて知ってるもんだで。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こんの兄哥あにきもそういうし、乗組んだ理右衛門でええも、姉さんには内証にしておけ、話すと恐怖こわがるッていうからよ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なんてって親方でやいが、串戯じょうだんにもいったんですが、それでもざっと一年ばかり、彼奴あいつ火沙汰ひざたがなかったんです。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そなたその氣高けだか姿すがたほん蝋細工同樣らうざいくどうやうをとこ勇氣ゆうきからははづれたものぢゃ。
此神、天智の御代に、坂本へ影向せられたが、大津の八柳で疲れて、カチあるきもむつかしくなつた。其で、大津西浦の田中恒世の釣り舟に便乗して、志賀唐崎に着かれた。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
タダコレニ過ギズ。然ルニ皇制ノ余沢僻隅ニ澆浩シ維新以降漸次ソノ繁昌ヲ得タリ。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
家郷追放カキョウツイホウ吹雪フブキナカツマトワレ、三人サンニンヒシトイ、サダマラズ、ヨロヨロ彷徨ホウコウ衆人蔑視シュウジンベッシマトタル、誠実セイジツ小心ショウシン含羞ガンシュウ、オノレノヒャクウツクシサ、イチズ、高円寺コウエンジウロウロ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
さうして其を逆に、俘虜・新降のトモガラ、即異神を奉じて、其力を以て、宮廷及び地方的権威者を祝福するものだ、と信じられる様になつたものゝ方が、多かつたのではないかと考へる。
大宅、中学時代賀川豊彦の弟子で、賀川が演壇でワーと沸かして、うちへかえるとそこで展開する生活を対照的に批判することから、露悪的傾向をもって「今日こんな変なもの」になったという話。