“徒為”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とい33.3%
いたづら16.7%
とゐ16.7%
ふい16.7%
むだ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近頃井上通泰、熊沢蕃山くまざわばんざんの伝を校正上本せしを見るに、蕃山の詞に、敬義を以てする時は髪をくしけずり手を洗ふも善を為すなり。然らざる時は九たび諸侯を合すとも徒為といのみと有之候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
誰か徒為いたづらに旧思想を墨守し、狭隘けふあいなる国家主義を金城鉄壁とあがめ、己れと己れの天地を蠖屈くわくくつせまきに甘んぜんとするものぞ。
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
わたくしはその全文を公にすることの徒為とゐにあらざるを信ずる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かろう、毎日の米の代といっても差支えない、大切なお花主とくいを無くする上に、この間から相談のある、黒百合の話も徒為ふいになりやしないかね。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だって一日おくれると一日徒為むだになるだけですもの。早く行って早く帰って来ていただく方がいいわ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)