“むだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無駄57.3%
無益8.7%
6.0%
5.3%
徒労2.7%
2.0%
2.0%
徒爾2.0%
水泡2.0%
不要1.3%
無効1.3%
徒勞0.7%
0.7%
冗漫0.7%
冗語0.7%
冗費0.7%
徒為0.7%
徒費0.7%
無效0.7%
無用0.7%
無要0.7%
無陀0.7%
贅事0.7%
贅肉0.7%
贅費0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「太田さん教誨師に何を頼みなすった?」「なに、本を貸してもらおうと思ってね」「そりゃ、あなた、無駄むだなことをしなすったな。 ...
(新字新仮名) / 島木健作(著)
こいつあ明日あしたになりゃあ勝負がつくのだ、どうせ無益むだにゃあきまってるが明日あした行って見ねえ中は楽みがある、これよりほかにあては無えんだ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今からお眼が狂ふもの、乃公が時計はくるふたと、後のお詞聞かぬ為、私が合はしておきますると。ただ一分のその隙も、むだに過ごさぬ、竜頭巻。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「手数をかけて金をかけて、時間をかけてむだなものを作る! それが『進んだ』ということなら、今の浮世は進んでいるよ」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お松 (お吉に)およしおよし、あの人のおかぶなんだ。何をいったって徒労むださ。やけくそな女なんだからねえ。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
「えい、奥様を見付けたのでございます。方々探して知れなかったも道理、こんな処に隠れていらっしゃるんだもの、今日の御足おみあしむだにはなりませなんだ。いかがはからいましょう。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立去り我が家へ歸りかみいのりしこともむだとも成しとて夫より只管ひたすら菩提ぼだいとふらはんと思ひはなを供へ香をたいて只々一途に後生を願うてゐる所に其夜丑刻やつどき頃と思ふ折しも表の戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若し話が一つ間違つて、面倒な事でも生じましたら、私が困りますよりは余程赤樫の方が困るのは知れてゐるのですから、私をとほざけやう為に、お話をなさるのなら、徒爾むだな事で御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
見舞みまいにとことらねばこゝろならねど、お使つかさきの一すんとても時計とけい目當めあてにして幾足いくあし幾町いくてうそのしらべのるしさ、けても、とはおもへど惡事あくじといへば折角せつかく辛棒しんぼう水泡むだにして
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然も自分が此稀有けうなる出来事に対する極度の熱心は、如何にして、何処で、此出来事に逢つたかといふ事を説明するために、実に如上によじやう数千言の不要むだなる記述を試むるをさへ
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
無効むだと知りながら又主税は、満身に力を籠めて体を揺すった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
徒勞むだだよおめえ、だれがいふことだつて苦勞くらうはねえんだから」ばあさんたがひ勝手かつてなことをがや/\とかたつゞけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
百姓ひやくしやうけばほどゆるめた。醫者いしやはそれで徒勞むだだといつた。百姓ひやくしやうたゞあをかほをしてぼつとしてるのみであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
真麻まそむら」は、真麻まあさむれで、それを刈ったものを抱きかかえて運ぶから、「むだき」に続く序詞とした。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
上毛野かみつけぬ安蘇あそ真麻まそむらむだれどかぬをどかがせむ 〔巻十四・三四〇四〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
広巳は冗漫むだな口を利きたくなかった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
拙者がうちだと思へばいハテ百年住み遂げる人は無いわサト痩我慢の悟りを開き此所このところの新築見合せとし田へ引く流に口をそゝ冗語むだつかれの忘れ草笑聲わらひ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
何処か以前のお癖がありますから、どうも御身代のお為に悪いそうでございまして、殿様育ちのお癖かお冗費むだが立ちだすような事がありますから、商法なすっても思うようには儲けもないが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「だって一日おくれると一日徒為むだになるだけですもの。早く行って早く帰って来ていただく方がいいわ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何なら通りへ行つて買つて来やうかとくと、それは徒費むだだから、隣で借りる方がからうと云ふ。三四郎はすぐ隣へ行つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鐵車てつしやは、險山けんざん深林しんりん何處いづくでも活動くわつどう自在じざいだが、このすなすべりのたにだけでは如何どうすること出來できぬのである、萬一まんいちして、非常ひじやうちからで、幾度いくたび車輪しやりん廻轉くわいてんしてたがまつた無效むだだ。
Jesuヂェシュー Mariaマリヤ! どれほどにがみづその蒼白あをじろほゝをローザラインのためあらうたことやら? 幾何どれほど鹽辛水しほからみづ無用むだにしたことやら
ベンヺ では、いなう。見附みつけられまいとてゐるものをさがすのは無要むだぢゃ。
餘所よそに聞流すは本意ほんいならず思ひ餘程よほど刻限こくげんのびたりと申せしかど假令たとへ無陀むだになるとも屆くだけは御助力じよりよく致さんとはせ着しに幸ひ間に合ておすくひ申たるは我等の本望ほんまう先々まづ/\安堵あんど致されよと申ければ夫婦は漸々安心してホツと溜息ためいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
引受ひきうけアノ一てつなる親父殿どのに罪なき足下そなた打擲たゝかれ廿餘年の奉公を贅事むだにしていとまを引され夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『おまへぶたつたのか、それとも贅肉むだつたのか?』とねこひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
オヤおッ母さんお帰り、何ネおッ母さんはをらぬし、お父さんも寐たから、それで贅費むだだと思つてランプの芯を引込めて置いたんだアネ。
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)