“いたづら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悪戯31.5%
惡戯26.0%
22.0%
惡戲13.5%
徒爾1.5%
1.0%
淫奔1.0%
惡劇0.5%
徒為0.5%
0.5%
悪劇0.5%
悪策0.5%
板面0.5%
猥婬0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分はもと洛中を騒がした鬼だが、余り悪戯いたづらが過ぎるとあつて貴方あなたの御先祖安倍晴明殿のために、この橋の下にふうぜられてしまつた。
しなには與吉よきち惡戯いたづらをしたり、おつぎがいたいといつてゆびくはへてせれば與吉よきち自分じぶんくちあてるのがえるやうである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ねやこゑもなく、すゞしいばかりぱち/\させて、かねきこえぬのを、いたづらゆびる、寂々しん/\とした板戸いたどそとに、ばさりと物音ものおと
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つい二三日前にさんちまへまで其所そこてゝいたのですが、れい子供こども面白おもしろ半分はんぶんにわざと屏風びやうぶかげあつまつて、色々いろ/\惡戲いたづらをするものですから
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そんな徒爾いたづらな色恋は、為た者の不仕合ふしあはせ、棄てた者も、棄てられた者も、互にい事は無いのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
大きい文字を書く折にはわざと筆を用ゐないで、きぬをぐるぐる巻にして、その先に墨汁すみを含ませて、べたべたなすくるのをひどく自慢にしてゐたといふ事だが、これなどもまあ一寸したおもつきいたづらだ。
屡瞬しばたゝき是お節其方そなたは此九助と夫婦に成たるは前世ぜんせよりの惡縁ならん我は天地の神祇しんぎ照覽せうらんあれ人など殺せし覺えは露聊つゆいさゝかもなきなれど是皆伯父九郎兵衞が惡巧わるたくみより無實の罪におちいる事と推量すゐりやうはなしながら證據しようこなき故辯解いひわけたゝず是と云も先立れし親々への孝行と思ばこそ不義淫奔いたづらせし先妻せんさいお里憎ひ奴とは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これに乘れる寢衣ねまき着たる翁とやさしき花賣娘とは、早くも惡劇いたづらのためよりは避難のためと見て取りぬと覺しく、娘は輕く我手背をたゝき、例の玉のつぶて二つ投げかけしのみなれど
母上のたまひけるやう。かく惡劇いたづらせば、好きをぢ御の許にやるべし。さらば汝もいしだんの上に坐して、をぢと共に袖乞するならむ、歌をうたひて「バヨツコ」をめぐまるゝを待つならむとのたまふ。
誰か徒為いたづらに旧思想を墨守し、狭隘けふあいなる国家主義を金城鉄壁とあがめ、己れと己れの天地を蠖屈くわくくつせまきに甘んぜんとするものぞ。
一種の攘夷思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
と、乙姫が、いたづららしい微笑を含んで言ふ。
虹色の幻想(シナリオ) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
村童は乍ちにこの人を囲繞とりまいて上衣の裾に縋り、脊中に攀ぢ登り、思ひの儘な悪劇いたづらをしても此人は腹を立てません。小供が馴染む許りではない、此人に吠えた犬は、近村に一疋もありませなんだ。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
賃銭値上の同盟などさせをるのだ、愈々日露開戦になれば石炭が上ると云ふ所を見込んでの悪策いたづらだ、——歳暮ではあり、東京こつちの用事も手を抜く訳にならぬけれど、今日も長文の電報で
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
うなずいて、ずかと、廻廊の板面いたづらから、一段高い畳のうえに踏み上がると、落着き払って、設けの席に坐り、そのまま縁の中柱へ、ゆったりと背をもたせかけていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こら白痴たはけ者め其方が樣子を見るに傳吉が留守るす不義ふぎ猥婬いたづらを致し居しなるべし傳吉が叔母をばと云は父方が身元を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)