“帛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぬ72.7%
きれ13.6%
はく4.5%
ふくさ4.5%
きもの1.5%
ぎぬ1.5%
たんもの1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は、家の前の戸口に立って、青白い薄いきぬをこの世の上にかけたような、草木の葉の、色艶も失せて凋れている景色を眺めた。
夜の喜び (新字新仮名) / 小川未明(著)
なるほど積まれた本と本との間の極く狭い空地に、ボロきれを下に敷いて見覚えのある時計とニッケル貨幣とがチョンと載っていた。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
因ツテ手ヅカラ紅白ノはくリ、コレヲ襟ニ結ビ以テ遺忘ニ備フ。君泣イテコレヲ拝シ、伊勢ニ赴キ敬所猪飼氏ニ従ツテ学ブ。既ニシテ江戸ニ遊ビ昌平黌ニ入ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この御免をきっかけに、彼はふくさを持ち添えて中心こみに手を掛けた。それから注意ぶかく光線をうしろに据わりなおした。
寛永相合傘 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ふとひとしく、ひつくりかへつて、ねずみがころつとんだ。同時どうじに、づきんきものえてつた。襄邑じやういふちやう、そのとき思入おもいれがあつて、じつとると、つね貧弱ひんじやくねずみのみ。周南壽しうなんいのちながし。とふのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
几帳のぎぬが一枚上へ掲げられてあって、紫苑しおん色のはなやかな上に淡黄うすきの厚織物らしいのの重なった袖口そでぐちがそこから見えた。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
翌日になって南は、たべものたんものを持って廷章の家へ往った。南はそうして少女の顔を待っていたが少女は出てこなかった。南は失望して帰ってきた。
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)