“巾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きれ56.0%
はば23.9%
はゞ5.5%
きん4.6%
ずきん3.7%
きぬ1.8%
てふき1.8%
ぎれ0.9%
づきん0.9%
まき0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばらくたって署長は自分があの奥のへやの中に入れられてゐるのを気がついた。頭には冷たいきれがのせてあったし毛布もかけてあった。
税務署長の冒険 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
針といっても、長さ一間、はば一尺もある鋼鉄製のつるぎだ。その楔型くさびがたの鋭くなった一端が、彼の頸の肉にジリジリと喰い入っているのだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
矢張やツぱりいままで歩行あるいてはゞひろいなだらかなはうまさしく本道ほんだう、あと二らずけばやまになつて、それからがたうげになるはず
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから、清水できんをしぼって、そっと、側へすすめたり、むぎのさまし湯を上げたりしたが、長話のうち、一度も手にしなかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王侍御は王給諌に逢おうと思って客の前へ着てゆくずきんうわぎをさがしたが、二つとも見つからないので、すぐ出ることができなかった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「あなた!」とさながらきぬを裂くような声で、倒れている松女が叫んだのは、主馬之進が階段を上り尽くし、二階へ現われた時であった。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
元豊はひどく不思議に思って亭園へいって見た。小翠はもうどこへかいっていった所が解らなくなっていた。婢に訊くと婢はあかてふきを出していった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
繃帯ほうたい法。巻軸帯まきじくおび、繃帯ぎれ、……
たね子の憂鬱 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ふとひとしく、ひつくりかへつて、ねずみがころつとんだ。同時どうじに、づきんきものえてつた。襄邑じやういふちやう、そのとき思入おもいれがあつて、じつとると、つね貧弱ひんじやくねずみのみ。周南壽しうなんいのちながし。とふのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『摩訶僧祇律』七に雪山水中の竜が仙人の行儀よく座禅するを愛し七まき巻きて自分の額で仙人のうなじを覆い、食事のほか日常かくするので仙人休み得ず身体くたびれせて瘡疥を生ず