“半巾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ハンケチ37.5%
ハンカチ25.0%
はんけち25.0%
はんかち4.2%
はんはゞ4.2%
ハンカチーフ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あきれた酒井は、ふつと、噴飯ふきだしかけたのを半巾ハンケチくわへて後ろ向きになつたが、込みあげてくる笑ひが止まらず
(新字旧仮名) / 喜多村緑郎(著)
今度はわたしが手を替へて、優しく下手したでに出た。すると娘はシク/\泣きだして半巾ハンカチで顔をおほつてばかりゐる。わたしは情けなくなつた。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
従つて十分なことを言ふことは出来ないが、『芋粥』『半巾はんけち』『運』などゝ比べると、もつと巧みにその客観化の手腕を見せたやうな作であつた。
自他の融合 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
そうしておの/\糸経をかぶり、男が二人のぬいだ日和下駄を風呂敷包ふろしきづつみにして腰につけ、小婢こおんなにみやげの折詰二箇ふたつ半巾はんかちに包んで片手にぶら下げて、尻高々とからげれば
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
幕がかどに張られ、黒と白の石畳みになつた上敷うはしきが店に敷かれ、その上へ毛氈もうせんが更に敷かれ、屏風が立てられますと、私等は麻のじんべゑ姿がきまり悪くなりまして、半巾はんはゞの袖を胸で合せて
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
この燃殻もえかすの紙は脅迫状の紙と同質なんだ、机の下から発見した半巾ハンカチーフね、あれには手紙を包んであった皺が瞭然はっきり残って、しかもナフタリンのにおいみこんで居た
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)