“銜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわ61.7%
ふく17.6%
くは15.4%
くつわ1.8%
くはへ0.9%
くえ0.4%
0.4%
くうえ0.4%
くぐま0.4%
くわえ0.4%
はみ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それくらい好きな煙草を長崎にいたときやめて、い煙草も安く喫める欧羅巴ヨーロッパにいたときにも決して口にくわえることすらしなかった。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
この楠先生もよくお愛想に出した葡萄酒の杯をふくんだりして、耳新しい医学上の新学説などを聞かせてくれたような記憶がある。
追憶の医師達 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
多分お嘉代を刺した曲者が、盜んだ財布の中味を拔いて、生垣の中に空財布だけを突つ込んで行つたのを、犬でもくはへて來たのでせう。
かのユスティニアーノ汝のためにくつわ調とゝのへしかど、鞍空しくば何の益あらむ、この銜なかりせば恥は却つてすくなかるべし 八八—九〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
又は人の父を喰殺くひころしてその父にばけて年をたるに、一日その子山に入りてくはるに、おほかみきたりて人の如く立其裾そのすそくはへたるゆゑをのにて狼のひたひきり、狼にげりしゆゑ家にかへりしに
「なにさ、ねえこともねえのさ——してどこからくええ出たもんだろうのう?」
それに鉄漿おはぐろの跡がある。で半七は断定した。「鉄漿をつけた或る女が、手拭の端を口でわえ、それで子供を絞殺したのだ」
半七雑感 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
くうええてぎり/\つとかうぴらでぶんまあすとぽろうつとれちやあのがんだから、そんだからいまでも、かうれ、とほりだ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
男は、夢中で狂気染みた沙汰を醒めて冷く指摘されたように、口くぐまり、みると額に冷汗までかいている。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
細帯しどけなき寝衣姿ねまきすがたの女が、懐紙かいしを口にくわえて、例のなまめかしい立膝たてひざながらに手水鉢の柄杓から水を汲んで手先を洗っていると、そのそばに置いた寝屋ねや雪洞ぼんぼりの光は
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
火鉢も非常に古く、その下半分は真珠貝を象嵌した漆塗で、装飾の主題は馬のはみである。