“額”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひたい50.1%
ひたひ14.7%
ぬか12.4%
がく10.8%
たか3.5%
ぬかず1.6%
ひたえ1.3%
おでこ1.3%
ぬかづ0.5%
でこ0.5%
びたい0.5%
ヌカ0.5%
ヒタヒ0.3%
ひたへ0.2%
ヒタイ0.2%
もの0.1%
あたま0.1%
うな0.1%
うなず0.1%
したへ0.1%
だか0.1%
ぬかずき0.1%
ぬかの0.1%
0.1%
はち0.1%
ひいた0.1%
ひだひ0.1%
びたひ0.1%
ふる0.1%
ほお0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが私の方へじろりと、何か話したそうなくちびるを動かしかけて、またすぐ目をそらした。ハンケチでしきりにひたいの汗をぬぐっている。
浴槽 (新字新仮名) / 大坪砂男(著)
「先刻から見て居ると、ひたひつばきを附けたり、足の親指を曲げたり、色々細工をして居るやうだが、行儀をよくするのも樂ぢやないね」
それは何か巨像が金剛こんごうの信を声に発したように二人の耳朶じだを打った。はっと、ぬかずいてしまうしか他の意志のうごくすきもなかった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その弾機を押すと、がくのうしろはふたのように開いた。その蓋の裏には「マリアナがなんじに命ず。生くる時も死せる時も——に忠実なれ」
婦人の方は、先方で請出すと云ふのなら、此方こつちでも請出すまでの事。さうして、貴方の引負ひきおひ若干いくらばかりのたかに成るのですか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして天蔵が、博奕場ばくちばにしたり、人獣の血をながしたりしていた神社の拝殿を明け方までにきよめさせて、小六は、そこにぬかず
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、私のひたえの触覚は丁度舌が微細な料理の味はひを翫賞するやうに、女の掌の暖かさ、柔かさ、懐かしさ、優しさを、しみじみと舐め試みた。
Dream Tales (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
章一ははかまひもを結んでいた。章一は右斜みぎななめに眼をやった。じぶんが今ひげっていた鏡台の前に細君さいくんおでこの出たきいろな顔があった。
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
本堂ほんだうぬかづてて、ちてきざはしかたあゆでたるは、年紀としはやう/\二十はたちばかりとおぼしき美人びじんまゆはらひ、鐵漿かねをつけたり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
樹脂タールで汚れて脂じんだ縞の寛袴シャロワールイを穿いた男が、もう一人の、ところどころに補布つぎの当つた青い長上衣スヰートカを著た、おでこに大きな瘤のある男に向つて言つた。
長い顎から禿げびたいまでが、その面長をよけいにのぺッと見せているが、富裕で子福者らしい人相をさまたげてはいなかった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郎女のヌカの上の天井の光のカサが、ほの/″\と白んで来る。明りの隈はあちこちに偏倚カタヨつて、光りをタテにくぎつて行く。と見る間に、ぱつと明るくなる。そこに大きな花。蒼白い菫。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ヒタヒざまに切りつけるぞ——。免せ/\と言ふところぢやが、——あれはの、生れだちから違ふものな。藤原の氏姫ぢやからの。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
小六ころくたもとさぐつてその書付かきつけしてせた。それに「このかき一重ひとへ黒鐵くろがねの」としたゝめたあと括弧くわつこをして、(この餓鬼がきひたへ黒缺くろがけの)とつけくはへてあつたので、宗助そうすけ御米およねまたはるらしいわらひらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……ショウガ髪始メテヒタイヲ覆ウ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてそれには財産がきたらその中から、相当のものをやって追っ払うのが一番いい。そういうことにしましょうとお高は決心した。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いっ今夜こよいはこのままで」トおもう頃に漸く眼がしょぼついて来てあたまが乱れだして、今まで眼前に隠見ちらついていた母親の白髪首しらがくびまばら黒髯くろひげが生えて……課長の首になる
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そばから憑司はうなづきて恐れながら申上げん私し親類とは申せども近頃ちかごろは一向出入も仕つらず候處傳吉は其の朝にかぎり用事もこれなきに私し方へ參り悴夫婦せがれふうふ柏原かしはばらへ行事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
清川が言うと、師匠も軽くうなずいた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鍔の端をば辷らして右の方はしたへの方に下げ、左の方は頂の方にせたるが如き形なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「最初の贈りだかがたりませんでな。手前の主人も、さんざ吉良様にいじめ抜かれ、すんでのことで刃傷にんじょうにおよぶところ、手前が、遅ればせに、例の天瓜冬の届け直しをやって、はははは——。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
まばゆぬかずきをいつまでも上げ得なかったのである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとり平家に忠誠をみせた備後国びんごのくにぬかの入道西寂さいじゃくが、源氏に心を寄せた河野四郎通清こうののしろうみちきよを討ち取ったばかりに、倅の通信みちのぶから手痛い報復をうけて殺されたという。
昔から土一升、金一升の土地でも、にはならない高いことをいって、断わっても借りてしまう。とにかく畳一畳へ造作をして、昼間は往来へはみださした台の上へ、うず高く店の商物しろものを積みあげる。
サン それ、彼奴等きゃつらの「はち」を打破ぶちわってくれうわい。意味いみ如何樣どのやうにもらっせいよ。
ふねなかでも、二人ふたりは、おじいさんからもらった銀貨ぎんかして、かわるがわるそれをうえにのせては、ひいたわせてのぞきながら
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひだひは言ひ切つてゐる——『理性はしつかりと坐つて手綱たづなを握つてゐる。だから理性は感情を恣まに募らせて、それが、彼女を危い谷間へ追ひ込むやうなことはさせないだらう。 ...
虹のやうな啖呵たんかを、ポカンとして居る向うびたひに浴びせて、娘は路地の中へさつと消えて了ひました。
わたしの声は悦びにふるえていたに相違なかった。
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
この、新しい磯五のあるじは、こんがり焦げたようなきつねいろの顔を、みがき抜いている人物である。そんな感じがするのだ。締まったほお額部ひたいが、手入れのあとを見せて光っている。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)