“額(ぬかづ)” の例文
本堂(ほんだう)に額(ぬかづ)き果(は)てて、衝(つ)と立(た)ちて階(きざはし)の方(かた)に歩(あゆ)み出(い)でたるは、年紀(とし)はやう/\二十(はたち)ばかりと覺(おぼ)しき美人(びじん)、眉(まゆ)を拂(はら)ひ、鐵漿(かね)をつけたり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
不思議(ふしぎ)なことにそんな場合(ばあい)には、いつも額(ぬかづ)いている私(わたくし)の頭(あたま)の上(うえ)で、さらっと幣(ぬさ)の音(おと)が致(いた)します。その癖(くせ)眼(め)を開(あ)けて見(み)ても、別(べつ)に何(なに)も見(み)えはしませぬ。
母なる自然の前に額(ぬかづ)き、平和の感謝捧げなむ。
母 (旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
躍出(をどりい)でて、一齊(いつせい)に太郎(たらう)が前(まへ)に額(ぬかづ)け
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
『尊(みこと)のお身代(みがわ)りとして入水(にゅうすい)された時(とき)の姫(ひめ)のお心持(こころも)ちはどんなであったろう……。』祠前(しぜん)に額(ぬかづ)いて昔(むかし)を偲(しの)ぶ時(とき)に、私(わたくし)の両眼(りょうがん)からは熱(あつ)い涙(なみだ)がとめどなく流(なが)れ落(お)ちるのでした。