“幣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬさ44.7%
へい27.7%
みてぐら6.4%
まひ4.3%
しで4.3%
ヌサ4.3%
かね2.1%
さつ2.1%
みやじり2.1%
ゆいのう2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暮れゆく春への手向けのぬさの袋かと見える。几帳きちょうなどは横へ引きやられて、締まりなく人のいる気配けはいがあまりにもよく外へ知れるのである。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
李は温の所を辞して、ただちに魚家にって、玄機をれて側室にしようと云った。玄機の両親はへいの厚いのに動された。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
公事を帯びて行くのでないと、必ず鳥居を潜り広前ひろまへに進んで拝した。又祭日等に、ことさらに参詣するときは、みてぐらを供ふることをおこたらなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わかければ道行みちゆらじまひはせむ黄泉したべ使つかひひてとほらせ 〔巻五・九〇五〕 山上憶良
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
彼女はあごで差し招くと、供の侍は麻のしでをかけたさかきの枝を白木の三宝に乗せて、うやうやしく捧げ出して来た。玉藻はしずかにその枝を把って、眼をとじて祈り始めた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
父君に我は愛子マナゴぞ。母刀自トジに我は寵子メヅコぞ。参上マヰノボる八十氏人の 手向タムけするカシコサカに、ヌサマツり、我はぞ退マカる。遠き土佐路を
相聞の発達 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そこで富豪はかねを出して胡を自分の家へ置いた。胡はこどもを教育するにあたって心切しんせつで勤勉であった。それに学問が博くてしたっぱな人間でないということが解った。
胡氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
爺さんに貰ったさつを帯の間へ挟んで鏡台の前を立ったお初は梯子段のところまで行って
神楽坂 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
またその神詔りたまはく、「明日あすあした濱にいでますべし。易名なかへみやじり獻らむ」とのりたまふ。かれその旦濱にいでます時に、鼻やぶれたる入鹿魚いるか、既に一浦に依れり。
そこでゆいのう鍾太史しょうたいしの家へ納れて婚約を結んだ。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)