“往”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
い44.9%
ゆ44.1%
ゆき2.7%
いっ1.7%
ゆく1.3%
いき1.0%
いつ0.8%
ゆか0.6%
いか0.4%
おう0.4%
え0.2%
いく0.2%
いら0.2%
う0.2%
お0.2%
き0.2%
す0.2%
つ0.2%
ゆけ0.2%
よ0.2%
イ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども帽子を被(かぶ)らない男はもうどこからも出て来なかった。彼は器械のようにまた義務のように何時もの道を往(い)ったり来たりした。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼の母がふだん滅多に出入りしない部屋に入つて往(ゆ)きますと、Marion は蝶番(てふつがひ)をはづした大きな窓の扉を自分の背に背負(しよ)つて
○こゝに我が魚沼郡(うをぬまごほり)藪上(やぶかみ)の庄の村より農夫(のうふ)一人柏崎(かしはざき)の駅(えき)にいたる、此路程(みちのり)五里計(ばかり)なり。途中にて一人の苧纑商人(をがせあきびと)に遇(あ)ひ、路伴(みちづれ)になりて往(ゆき)けり。
大原「ヤレヤレ少々驚いたね。ナーニ昨日(きのう)僕の友人の家(うち)へ往(いっ)てその妹に御馳走されたのです。その事が寝言に出たのでしょう」書生
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
媼はその血に筆を染めて我にわたし、「往(ゆく)拿破里(ナポリ)」と書して名を署せしめて云ふ。好し好し、法皇の封傳(てがた)に劣らぬものぞとて、懷にをさめつ。
お勢(せ)……ウーイプー……お勢が往(いき)たいというもんだから仕様事(しようこと)なしのお交際(つきやい)で往(いっ)て見たがネ、思ッたよりはサ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
小僧(こぞう)や。小「へえ。旦「お隣(となり)へ往(いつ)てノ蚊帳(かや)の釣手(つりて)を打つんだから鉄槌(かなづち)を貸(か)して下さいと然(さ)う云(い)つて借(か)りて来(こ)い。小「へえ……往(いつ)て参(まゐ)りました。旦「貸(か)して呉(く)れたか。 ...
吝嗇家 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
廻りて通らず切石(きりいし)下山(しもやま)と急ぎ來りしが猶身延へも往(ゆか)ず萬澤(まんざは)の御關所へ掛(かゝ)りしが是又手形なくては通行ならず依て此處をも廻り道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へえ、宜(よろ)しうございます。先「エー御免下(ごめんくだ)さい、お頼(たの)み申(まうし)ます。ト斯(か)う静(しづか)に開戸(ひらきど)を開(あ)けなければ往(いか)ない。小「へえー。先「エーお頼(たの)み申(まう)します/\。小僧(こぞう)は、ツト椅子(いす)を離(はな)れて小 ...
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
落葉松(からまつ)の枯木をからんで、涼しくなる鈴の音は、往(おう)さ来(きる)さの白衣の菅笠や金剛杖に伴って、いかに富士登山を、絵巻物に仕立てることであろうか。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
林「出て往(ゆ)くも往(え)かねえも要(い)らねえ、否(えや)なら否(えや)で訳は分ってる、突然(えきなり)頭部(あたま)にやして、本当に呆れてしまう、何だって打(ぶ)ったよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それも母親さんのようにこんな気楽な家へお嫁に往かれりゃアともかくもネー、若(も)しヒョッと先に姑(しゅうとめ)でもある所(とこ)へ往(いく)んで御覧、なかなかこんなに我儘(わがまま)気儘をしちゃアいられないから
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
重助「あなたが権幕を変えて出て往(いら)っしゃいましたから、私は跡で何んなにヒヤ/\して居たか知れません」
甲給仕 ポトパンは何處(どこ)へ往(う)せた? かたづける手傳(てつだ)ひをしをらぬ。かたづけ役(やく)の癖(くせ)に! 拭役(ふきやく)の癖(くせ)に!
駅路(えきろ)のさざめきも鄙(ひな)びておもしろく、往(お)うさ来(く)るさの旅人すがた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何でも、学校時代に親しく往(き)き来(き)した友達の一人なんだ。
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
子曰く、賜(し)や始めて与(とも)に詩をいうべきなり、これに往(す)ぎにしことをつぐれば来たらんことをも知るものなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
番頭は呆気(あつけ)に取られて、女客の顔を見た。そしてこの女がその晩の名高い歌手(うたひて)である事に気が往(つ)くと、じつと眼を皿のやうに睜(みは)つた。——で、言はれた通りに入場料だけは倹約(しまつ)をする事にした。
窠宿の方へ走り往(ゆけ)ば、狐はかくと見(みる)よりも、周章狼狽(あわてふためき)逃げ行くを、なほ逃(のが)さじと追駆(おっか)けて、表門を出(いで)んとする時、一声嗡(おう)と哮(たけ)りつつ、横間(よこあい)より飛(とん)で掛るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
清「いや然うは往(よ)きませぬ、何(ど)うでも彼(こ)うでも落合まで未(ま)だ日も高いから行(よ)こ積りで」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
神(カム)くだりいませまつりし、高ひかる日の皇子は、飛鳥(アスカ)の浄見(キヨミ)原に、神(カム)ながらふとしきまして、聖祖(スメロギ)のしきます国と、天の原岩門を開き、神(カム)あがり、あがり往(イ)ましぬ。
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)