トップ
>
往
>
ゆき
ふりがな文庫
“
往
(
ゆき
)” の例文
○こゝに我が
魚沼郡
(
うをぬまごほり
)
藪上
(
やぶかみ
)
の庄の村より
農夫
(
のうふ
)
一人
柏崎
(
かしはざき
)
の
駅
(
えき
)
にいたる、此
路程
(
みちのり
)
五里
計
(
ばかり
)
なり。途中にて一人の
苧纑商人
(
をがせあきびと
)
に
遇
(
あ
)
ひ、
路伴
(
みちづれ
)
になりて
往
(
ゆき
)
けり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
船が伊東の海岸を離れる頃は、大島が
幽
(
かす
)
かに見えた。その日は、
往
(
ゆき
)
の時と違って、海上一面に水蒸気が多かった。水平線の
彼方
(
かなた
)
は白く光った。
船
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
聞
(
きゝ
)
成程
(
なるほど
)
何時
(
いつ
)
迄當院の
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
なつ
)
ても居られず何分にも宜しくと頼みければ感應院も承知なして
早速
(
さつそく
)
彼
(
かの
)
片町の醫師方へ
往
(
ゆき
)
右
(
みぎ
)
の
咄
(
はなし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
……その
往
(
ゆき
)
か
復
(
かえり
)
か、どっちにしろ切符の表に、片仮名の(サ)の字が一字、何か書いてあると思いますか。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それもきいたのよ。——すると、滝山さんは変な顔をして、確かにたった二人っきりだって言うのよ。そして、
往
(
ゆき
)
にも帰りにも映画館でも、誰にも逢わなかったって」
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
... 今大王
往
(
ゆき
)
て
他
(
かれ
)
を打取たまはば、これわがための
復讐
(
あだがえし
)
、僕が
欣喜
(
よろこび
)
これに
如
(
し
)
かず候」トいふに金眸
訝
(
いぶか
)
りて、「こは
怪
(
け
)
しからず。その
意恨
(
うらみ
)
とは
怎麼
(
いか
)
なる
仔細
(
しさい
)
ぞ、苦しからずば語れかし」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
毎日学校への
往
(
ゆき
)
かへりに提灯の名を早くも
諳
(
そらん
)
じ女同士が
格子戸
(
こうしど
)
の立ばなしより耳ざとく女の名を聞きおぼえて、これを御神燈の名に照し合すほどに、いつとなく何家の何ちやんはどんな芸者といふ事
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
出
(
い
)
でぬ
約束
(
やくそく
)
の
辻
(
つじ
)
往
(
ゆき
)
つ
返
(
かへ
)
りつ
待
(
ま
)
てどもまてども
今日
(
けふ
)
はいかにしけん
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えず
誰
(
た
)
れに
聞
(
き
)
かんもうしろめたし
何
(
なに
)
とせん
必
(
かなら
)
ず
訪
(
と
)
ひ
給
(
たま
)
ふな
我家
(
わがいへ
)
知
(
し
)
られんは
恥
(
はづ
)
かしとて
丁所
(
ちやうどころ
)
つげ
給
(
たま
)
はねど
曩
(
さき
)
に
錦野
(
にしきの
)
にてそれとなく
聞
(
き
)
きしはうろ
覺
(
おぼ
)
えながら
覺
(
おぼ
)
えあり
縱
(
よ
)
しお
怒
(
いか
)
りにふれゝばそれまで
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
○こゝに我が
魚沼郡
(
うをぬまごほり
)
藪上
(
やぶかみ
)
の庄の村より
農夫
(
のうふ
)
一人
柏崎
(
かしはざき
)
の
駅
(
えき
)
にいたる、此
路程
(
みちのり
)
五里
計
(
ばかり
)
なり。途中にて一人の
苧纑商人
(
をがせあきびと
)
に
遇
(
あ
)
ひ、
路伴
(
みちづれ
)
になりて
往
(
ゆき
)
けり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
出窓の
硝子越
(
がらすごし
)
に、娘の方が
往
(
ゆき
)
かえりの節などは、一体
傍目
(
わきめ
)
も
触
(
ふ
)
らないで、竹をこぼるる露のごとく、すいすいと
歩行
(
ある
)
く
振
(
ふり
)
、打水にも
褄
(
つま
)
のなずまぬ、はで姿、と思うばかりで
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見付てヤア/\
皆々
(
みな/\
)
早
(
はや
)
く
來
(
きて
)
見
(
み
)
なアレ紙くづ買が
狐
(
きつね
)
に
誑
(
ばかさ
)
れて田圃の
中
(
なか
)
で屑はござい/\と呼で一ツ所を
往
(
ゆき
)
たり
來
(
き
)
たりして
居
(
ゐ
)
るが
石
(
いし
)
を
投付
(
なげつけ
)
て
遣
(
やら
)
うと云に子供等は
追々
(
おひ/\
)
馳集
(
はせあつ
)
まり是は
可笑
(
をかし
)
い/\と手に/\石を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我れ
幼年
(
えうねん
)
の
頃
(
ころ
)
はじめて吉原を見たる時、黒羽二重に三升の紋つけたるふり袖を
着
(
き
)
て、右の手を一蝶にひかれ左りを其角にひかれて日本
堤
(
づゝみ
)
を
往
(
ゆき
)
し事今に
忘
(
わすれ
)
ず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
図書 以後、お天守
下
(
した
)
の
往
(
ゆき
)
かいには、誓って礼拝をいたします。——御免。(
衝
(
つっ
)
と立つ。)
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
乞
(
こ
)
ふに中村市之丞
取次
(
とりつぎ
)
として出來れば次右衞門申やう
町奉行
(
まちぶぎやう
)
大岡越前守
使者
(
ししや
)
平石次右衞門天一坊樣御
重役
(
ぢうやく
)
山内伊賀亮樣に御
目通
(
めどほ
)
り致し申上度儀御座候此段御取次下さるべしと有に市之丞
此旨
(
このむね
)
伊賀亮へ申
通
(
つう
)
じけるに伊賀亮
熟々
(
つら/\
)
思案
(
しあん
)
するに奉行越前
病氣
(
びやうき
)
と
披露
(
ひろう
)
し自分に紀州表へ
調
(
しら
)
べに參りしに
相違
(
さうゐ
)
なし然ば
往
(
ゆき
)
三日半歸り三日半
調
(
しら
)
べに三日
懸
(
かゝ
)
るべし越前
病氣引籠
(
びやうきひきこも
)
りより今日は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我れ
幼年
(
えうねん
)
の
頃
(
ころ
)
はじめて吉原を見たる時、黒羽二重に三升の紋つけたるふり袖を
着
(
き
)
て、右の手を一蝶にひかれ左りを其角にひかれて日本
堤
(
づゝみ
)
を
往
(
ゆき
)
し事今に
忘
(
わすれ
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
往
(
ゆき
)
には、
何
(
なん
)
にも、そんな
奴
(
やつ
)
は
居
(
ゐ
)
なかつたんです。
尤
(
もつと
)
も
大勢
(
おほぜい
)
人通
(
ひとゞほ
)
りがありましたから
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
かなかつたかも
知
(
し
)
れません。
還
(
かへり
)
は
最
(
も
)
う
病院
(
びやうゐん
)
の
彼方
(
あつち
)
かどを、
此方
(
こつち
)
へ
曲
(
まが
)
ると、
其奴
(
そいつ
)
の
姿
(
すがた
)
がぽつねんとして
一
(
ひと
)
ツ。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
友人
(
いうじん
)
曰
(
いはく
)
、我が
親
(
した
)
しき者
隣
(
となり
)
村へ
夜話
(
よばなし
)
に
往
(
ゆき
)
たる
皈
(
かへ
)
るさ、
途
(
みち
)
の
傍
(
かたはら
)
に
茶鐺
(
ちやがま
)
ありしが、頃しも夏の事也しゆゑ、
農業
(
のうげふ
)
の人の
置忘
(
おきわす
)
れたるならん、さるにても
腹
(
はら
)
悪
(
あし
)
きものは
拾
(
ひろ
)
ひ
隠
(
かく
)
さん
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
急
(
きふ
)
に
何
(
なん
)
だか
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
つて、
酔
(
ゑひ
)
ざめのやうな
身震
(
みぶる
)
ひが
出
(
で
)
た。
急
(
いそ
)
いで、
燈火
(
ともしび
)
を
当
(
あて
)
に
駆下
(
かけお
)
りる、と
思
(
おも
)
ひがけず、
往
(
ゆき
)
には
覚
(
おぼ
)
えもない
石壇
(
いしだん
)
があつて、
其
(
それ
)
を
下切
(
おりき
)
つた
処
(
ところ
)
が
宿
(
やど
)
の
横
(
よこ
)
を
流
(
なが
)
れる
矢
(
や
)
を
射
(
ゐ
)
るやうな
谿河
(
たにがは
)
だつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寺へ預けて、
往
(
ゆき
)
かえり、日の短い時の事です。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
“往”を含む語句
往来
往復
往々
往還
往來
往時
往返
往生
往昔
往古
往年
往日
往反
既往
往事
右往左往
立往生
大往生
往来中
往通
...