“当”のいろいろな読み方と例文
旧字:當
読み方割合
あて37.9%
あ28.9%
あた15.1%
まさ6.8%
とう6.6%
あたり1.5%
あたっ0.9%
ま0.6%
あたつ0.2%
あたる0.2%
あたれ0.2%
あだ0.2%
たう0.2%
つ0.2%
べ0.2%
アテ0.2%
タウ0.2%
マサ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうか。」やっと当(あて)がついたので、わたくしも俄に声をひそめ、「おれはそんなドジなまねはしない。始終気をつけているもの。」
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
おばさんの話(はなし)は、奇怪(きかい)であります。みんなは、聞(き)いているうちに、気味(きみ)が悪(わる)くなりました。野原(のはら)の上(うえ)には、日(ひ)が当(あ)たっていたけれど。
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「隠(かく)すにゃ当(あた)らないから、有様(ありよう)にいって見(み)な、事(こと)と次第(しだい)に因(よ)ったら、堺屋(さかいや)は、このままお前(まえ)には会(あわ)せずに、帰(かえ)ってもらうことにする」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
是の如く、観ずる時、当(まさ)に、縛字を一切の身分に遍して、その毛孔中より甘露を放流し、十方に周遍し、以て一切衆生の身に灑(そそ)がん。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
国の開鎖(かいさ)論を云えば固(もと)より開国なれども、甚(はなは)だしく之(これ)を争う者もなく、唯当(とう)の敵は漢法医で、医者が憎ければ儒者までも憎くなって
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
内々その予言者だとかいうことを御存じなり、外に当(あたり)はつかず、旁々(かたがた)それでは、と早速爺(じじい)をお頼み遊ばすことになりました。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この人は米国有名の政治家で、彼(か)の南北戦争のとき専(もっぱ)ら事に当(あたっ)て、リンコルンの遭難と同時に兇徒に傷(きずつ)けられたこともある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人徒らに目を以て有字の書を読む、故に字に局(かぎ)られて、通透することを得ず。当(ま)さに心を以て無字の書を読むべし。乃ち洞(あきら)かに自得あり。
洪川禅師のことども (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
三日四日に帰りしもあれば一夜居て逃出(にげいで)しもあらん、開闢(かいびやく)以来を尋ねたらば折る指にあの内儀(かみ)さまが袖口(そでぐち)おもはるる、思へばお峯(みね)は辛棒もの、あれに酷(むご)く当(あたつ)たらば天罸(てんばつ)たちどころに
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
中村座(なかむらざ)と市村座(いちむらざ)の櫓(やぐら)にはまだ足場がかかっていたけれど、その向側の操人形座(あやつりにんぎょうざ)は結城座(ゆうきざ)薩摩座(さつまざ)の二軒ともに早やその木戸口に彩色の絵具さえ生々しい看板と当(あたる)八月(はちがつ)より興業する旨の口上(こうじょう)を掲げていた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
終(つい)に貧苦に堪え得ずして所天(おっと)に悪事を勧むるにも至りし歟(か)あゝ目科の細君が言し所は余の思いしより能く当(あたれ)り藻西の無罪を証拠立んとする余の目的は全く外(はず)れんとするなる歟
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「ふん、一向さっぱり当(あだ)り前ぁだんぢゃ。」と云ひますか。云ひはしません。参ったのです。
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
いゝえ、初めは真(ま)つ当(たう)な仕事をするつもりで出かけたんですが、恰度食へなくなつた時、ある手品師の一行に入つて事務員見たいなものを
手品師 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
幾干(いくら)入(はいっ)てるものかね。ほんとに一片何銭に当(つ)くだろう。まるでお銭(かね)を
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
○死卒を収取し、相迎へ使(し)むる無し。食む当(べ)くして食まざれば、反つて其殃(わざはひ)を受く。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
……君ん家(ち)で、どれ程迷惑してゐるかと言ふことは良く分つてるんだけど、自分で当(アテ)がないから自発的に出て行くといふ気持は動かないんだ。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
まことに唯一詞(ヒトコト)。当(タウ)の姫すら思ひ設けなんだ詞(コトバ)が、匂ふが如く出た。貴族の家庭の語と、凡下(ボンゲ)の家々の語とは、すつかり変つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
詔(ミコトノリ)シテ夏侯淵ニコレヲ知ラシム。オヨソ将タルモノハ、当(マサ)ニ剛柔ヲ以テ相済(アイスク)ウベク、イタズラニソノ勇ヲノミ恃(タノ)ムベカラズ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)