“因”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
30.6%
もと24.6%
ちな20.7%
ちなみ12.8%
いん3.1%
よつ1.9%
よっ1.5%
より0.9%
おこ0.6%
そこ0.4%
とら0.4%
よし0.4%
わけ0.4%
よる0.2%
いわ0.2%
かさ0.2%
くるし0.2%
したし0.2%
ちなみに0.2%
よすが0.2%
よって0.2%
よれ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現に露国皇帝が第一回平和会議を召集されたのは、かの有名なる平和論者ジャン・ド・ブロッホの著作にる事多いという事である。
文明史上の一新紀元 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
煩悩ぼんのうの火は鉄もかす。ましてや以前は糸屋の若旦那とか。出家沙門しゅっけしゃもんとなったのも、もとは女からで、色の道と借金づまりの世間のがれ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狂言の文左衛門は、この頃遊所で香以を今紀文ととなえ出したにちなんで、この名をりて香以を写したものである。東栄は牧冬映である。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ちなみにいうが、枳園は単独に弟子入をしたのではなくて、同じく十一歳であった、弘前の医官小野道瑛おのどうえいの子道秀どうしゅうたもとつらねて入門した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私が幾人も残してく子供を育てヽ下さるであらうと依頼心をあのかたおこすやうになつたのもおつやさんの言葉がいんになつて居るのです。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
と忽ち心一けつ爲し久左衞門はやがて江戸へと久八を連て下り弟六右衞門にあひて事の仔細を委敷くはしく話し頼み置つゝ歸りけりよつて六右衞門所々しよ/\
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その光によって又もや穴の中を窺うと、底の底は依然として真暗まっくらであったが、彼は幸いに或物を見出した。それは一条の細い綱である。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
如何に殊勝に聴ゆるにもせよ、宣教師にリビングストーン氏的の精神を見ることあたはず、説教者にパウルノックスの元気旺せずんば是れ唯よりて線を画くのみ
何しろすさまじい権幕でしたからねえ——事のおこりってのは、何ァに大した事じゃありません。大体あの狭山って男はひどい好色漢でしてね。
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
そこで、感情かんじやうがいしてるなと、此方こつちではおもつてる前方せんぱうが、くだん所謂いはゆる帳場ちやうばなるもの……「貴女あなた、これはつてかれますか。」とつた。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
どんなに冷淡で厳格な人でも——時にはリストの敵でさえも、ついには彼にとらえられて、その渇仰者かつごうしゃの一人にならずにはいられなかったのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
彼の陰に在りて起れる事、又は見るべからざる人の心に浮べる事どもは、貫一の知るよしもあらねど、片時へんじもその目の忘れざる宮の様子の常に変れるを見出みいださんはかたき事にあらず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
風早學士は、其の薄暗い物象と陰影とをみまはして、一種耐へ難い悲哀の感に打たれた……彼自身にも何んの所故わけか、わけが解らなかツたけれども、其の感觸は深刻に彼の胸をけづる。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
呼入よびいれ今の次第和吉が來りし事よりして斷りたるは癲癇てんかんと云ふらしたる元益が所爲しわざよること是はまた家主庄兵衞が戀慕れんぼに出で云々かく/\なりし一一什しじふ委敷くはしくかたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つまり、魚心堂先生の釣りは、先生の哲学てつがくであり、ぜんであり、思索しさくであり、生活である——こういうやかましいいわれから来て、魚心堂先生の名もある訳……。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
子路率爾そつじとしてこたえて曰く、千乗の国大国の間にはさまりて加うるに師旅しりょを以てしかさぬるに饑饉ききんを以てせんとき、ゆうこれをおさめば、三年に及ばんころ、勇ありみちを知らしめん。夫子之をわらう。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
渋江氏が本所亀沢町の家を立ち退こうとして、最も処置にくるしんだのは妙了尼の身の上であった。この老尼は天明元年に生れて、すでに八十八歳になっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
(十三) 有子曰く、信、義に近きときは、ことむべきなり。恭、礼に近きときは、恥辱に遠ざかる。したしむところ其の親を失わざるときは亦とうとぶべきなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ちなみに曰く、馬琴は童話をワラベモノガタリとませている。
『グリム童話集』序 (新字新仮名) / 金田鬼一(著)
かくしづんでときには、にぎはしき光景くわうけいにてもながめなば、幾分いくぶんこゝろなぐさむるよすがともならんとかんがへたので、わたくし兩人ふたり引連ひきつれて、此時このときばんにぎはしくえた船首せんしゆかたうつした。
公重民事之盛意、而可臣僚不啻、封内民人大幸福也、よって其事於冊尾云。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
はつせられオヽ九郎兵衞よくこそ委細ゐさいに申たてたりコリヤ九助其方は只今九郎兵衞が申立によれ左右とかく伯父女房とも無體に追出したる樣なり此儀如何いかなるぞと問るゝに九助はつゝしんでこたふるやう其等それらの儀は先日御詮議の節も申上し通り先妻里儀は惣内と不義ふぎ仕つりし而已のみか藤八へ預け候金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
コノ四国ハ、二十年余ノ兵乱ニツテ、民屋ミンヲクハ兵火ニカカリ、村里ソンリノ業ハ破レ、田野ハ芒草バウサウオホハレ、五年三年ノ間ハ、ナホ、耕農モ整ハズ、五穀ノ満ツル日モナカラン。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)