“素因”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そいん81.8%
もと18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実に、水攻めの成功を確信し得る素因そいんは、なによりもその高松城が平城ひらじろ式なる上に、石垣もわずか二間しかないところにあった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拙劣せつれつな変調装置を使うとか、マイクロホンがよくないとか、増幅装置ぞうふくそうちがうまいところで働いてないとか、そういう素因そいんによって音声はゆがめられる。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と云うのは、推摩居士の行衣にある瓢箪形の血痕を、各人各様に見た印象が素因もとなのです。所が、貴女だけは、それを知らない——と答えましたっけね。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
我が行為のお糸を遠ざからせ、重兵衛を怒らせたる素因もとを忘れて、二人をのみ怨み罵りぬ。
心の鬼 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)