“素”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もと50.7%
26.1%
11.6%
6.7%
しろ1.2%
0.9%
シラ0.6%
しら0.3%
しろき0.3%
すじ0.3%
すっ0.3%
すつ0.3%
むか0.3%
シロ0.3%
モトヨリ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この伯爵の秘書、斎木もと子なる女性について、黒岩万五は元来詳しいことは知らなかつた。蔭ではいろいろなことを云ふものがある。
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
と、思う下から、山田美妙斎の小説は、なんとばらしく、女の肉体の豊富さを描きつくしているのだろうと、口惜くやしいほどだった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「仙人になる術を知っているのは、おれの女房にょうぼうの方だから、女房に教えて貰うがい。」と、なく横を向いてしまいました。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
とフウフェランドは蘭訳らんやくの書を先輩の日本訳の書に引き較べて見たのであるが、新しい蘭書を得ることが容易たやすくなかったのと
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
之は労働の軍事化の観念であり、夫が労働組合脱退の奨励ともなれば、やがて国家的報仕労働というシステ無にも発展出来るしろ物である。
社会時評 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
記・紀の叙述と、其に書記せられなかつた以前の語部のの物語の語りはじめとでは、其昔と言ひ、今と言ふにも、非常な隔たりがある。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
二十一年の僅かの歳月も、もし、それがシラ木で作られているならば、それは、古くなずむものとなるのであります。汚れることとなるのであります。
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
しらの堅気でいらっしゃらあね。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しつに、玉鳳ぎよくほうすゞふくみ、金龍きんりうかうけり。まどくるもの列錢れつせん青瑣せいさなり。しろきからなしあかきすもゝえだたわゝにしてのきり、妓妾ぎせふ白碧はくへきはなかざつて樓上ろうじやうす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
是れ「外科室」のすじなり。是の如き深刻なる戀愛は泰西的にして東洋的にあらず。恐らくは翻案乎。
泉鏡花作『外科室』 (旧字旧仮名) / 宮崎湖処子(著)
どこか男らしい気性をそなえた奥さんは、いつ私の事を食卓でKにすっぱ抜かないとも限りません。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
濱夕といふのところへ、三日にあげず通ひ詰めて、早手廻しの夫婦約束までしたといふことや、利八は相變らずすつからぴんですが、何時か大金が轉がり込むやうなことを言つてゐたが
「君子の道は闇然あんぜんたり、か。」魚容は苦笑して、つまらぬ洒落しゃれを言い、「しかし、いんむかいて怪を行う、という言葉も古書にある。よろしく窓を開くべしだ。漢陽の春の景色を満喫しよう。」
竹青 (新字新仮名) / 太宰治(著)
教のごとせしかば、其身もとの如くになりき。これ稲羽のシロ兎と云う者なり。今に兎神と云う。故其兎大穴牟遅神に申さく、此八十神は、必ず八上比売を得給わじ。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
博士が狗奴國王の名を卑彌弓呼素となししは、倭人傳の文に「倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼モトヨリ和」
倭女王卑弥呼考 (旧字旧仮名) / 白鳥庫吉(著)