“素地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
したじ34.5%
きじ27.6%
そじ20.7%
きぢ10.3%
そち3.4%
しらき3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の熱意が孫権をして翻然ほんぜんと心機一転させたものか、或いはすでに孫権の腹中に、魏を見捨てる素地したじができていたに依るものであろうか。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顔や肌の素地きじ天性うまれつきだから、どんなに磨いたところで、しれていますが、しかし心の化粧は、すればするほど美しくなるのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
陶戸すえどの中の久米一は、素地そじを寄せて一心不乱にへらをとった。ミリ、ミリ、彼の骨が鳴って、へらの先から血がしたたりはしまいかと思われる。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで素地きぢを洗ひ出す必要があつたのであらうが、當今の芝居で見るやうな、場違ひの、エロつぽいものも澤山あつたものと思へる。およそ、厭味なのが多かつたことであらう。
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
この残酷なレッスンによって、十歳の神童になる代りに、百代の英雄音楽家としての素地そちを築き上げることが出来たのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
木も素地しらきよりは黒で塗つたものが多く、一時の日本橋、柳橋、両国橋、永代橋など、皆これでないものはない。
東京の風俗 (新字旧仮名) / 木村荘八(著)