“滴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
したた43.2%
14.1%
したゝ10.7%
しずく9.2%
した5.8%
てき3.6%
こぼ3.4%
たら3.0%
しづく2.8%
したたり1.3%
したゝり0.8%
したたら0.6%
しず0.4%
しづ0.4%
たれ0.4%
0.2%
おと0.2%
そゝが0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
種あかしは、やはり人間の犯人がいて、人形の真上の花瓶かなんかから、雨だれのように、点々と水がしたたる仕掛を作っておいたのだ。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼女かのじょは、小指こゆびりました。そして、あかを、サフランしゅのびんのなからしました。ちょうど、まどそとは、いい月夜つきよでありました。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれのしづくとともに汝そののちふみのうちにて我にこれをしたゝらし、我をして滿たされて汝等の雨をほかの人々にも降らさしむ。 七六—七八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
僕等は弘法麦こうぼうむぎの茂みをけ避け、(しずくをためた弘法麦の中へうっかり足を踏み入れると、ふくらはぎかゆくなるのに閉口したから。)
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
翠色すいしょくしたたる草木の葉のみを望んでも、だれもその美と爽快そうかいとに打たれないものはあるまい。これが一年中われらの周囲の景致けいちである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
……まア、あたじけない! みんんでしまうて、いてかうわたしためたゞてきをものこしておいてはくれぬ。……おまへくちびるはうぞ。
「お嬢さんのお詞によって、注いであげるから、こぼしちゃいけないよ、一滴でもおあしだ、それも、みんな、私の汗とあぶらが入ってるのだ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
平次はその酒を嗅いでみましたが、もとより何んの臭ひがあるわけではなく、たらしてめて見ても、味に何んの變りもありません。
酒売りの女が私たちの声を聞いて売りつけに来たのです。この酒は棕櫚の幹に切り傷をこしらへて、そこかられるしづくでつくるやつなのです。
亜剌比亜人エルアフイ (新字旧仮名) / 犬養健(著)
今、この瞳に宿れるしずくは、母君の御情おんなさけの露を取次ぎ参らする、したたりぞ、とたもとを傾け、差寄せて、差俯さしうつむき、はらはらと落涙して
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人間は丁度それだ、それぎりだ、結んで、落ちて、流れるしたゝりだ。而してその束の間に一の世界を創作して、それをきてゆくひまをもつてゐる。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
女は依然として、肉余るまぶた二重ふたえに、愛嬌あいきょうの露を大きなひとみの上にしたたらしているのみである。危ないという気色けしきは影さえ見えぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
深くはなかったが、その穴のなかでは、二月の雪が底の方からけていた。たった今、雪から水にかえったこまかい粒が、集まってしずくとなった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
あの青ずんで見えるのはおれの生家うちではないか? 窓に坐つてゐるのはお袋ではないか? お母さん、この哀れな伜を助けて下さい! 惱める頭にせめて涙でも一しづくそそいで下さい! これ
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
お柳のなりは南部の藍の子持縞こもちじまの袷に黒の唐繻子とうじゅすの帯に、極微塵ごくみじん小紋縮緬こもんちりめん三紋みつもんの羽織を着て、水のたれるような鼈甲べっこうくしこうがいをさして居ります。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二日酔柚餅子ゆべしで苦い茶をれる飴ン坊
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
アストレイの『西蔵チベット記』に、大喇嘛ラマの糞尿を信徒に世話しやりて多く利を得る喇嘛僧の事を載す、蒙古人その糞の粉を小袋に入れ頸に掛け、その尿いばりを食物におとして用うれば万病を除くと信じ
有一日あるひ伏姫は。すゞりに水をそゝがんとて。いで石湧しみづむすび給ふに。横走よこばしりせし止水たまりみづに。うつるわが影を見給へば。そのかたちは人にして。かうべは正しく犬なりけり。」云々しか/″\