“滴”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
したた41.7%
14.5%
したゝ10.7%
しずく9.5%
した6.1%
こぼ3.8%
てき3.4%
しづく2.7%
たら2.7%
したたり1.5%
(他:16)3.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“滴”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌4.4%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行3.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
薄いござを掛けた馬のからだはビッショリとぬれて、あらく乱れたたてがみからはしずくしたたる。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蜜柑の枝は、訶和郎の唇から柘榴ざくろ粒果つぶのような血がしたたる度ごとに、遠ざかる松明の光りの方へ揺らめいた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
飢餓は数滴の油を不承不承にらして揚げた皮ばかりの馬鈴薯の薄片の入っているどの一文皿の中にも粉々に切り刻まれていた。
彼の頸筋は、いまだに香油でも塗られたような気持だったし、口のあたりはまるで薄荷水でもらしたようにすうすうしていた。
接吻 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
みどりしたゝらんばかりなる樹木じもくしま全面ぜんめんおほふて、はるむかふは、やら
なに青天井あをてんじやう、いや、したゝ青葉あをばしづくなかなる廊下らうかつゞきだとおもへば
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして瓶の口へ自分の口をつけて、仰向あおむいて立っていると、間もなくひと流れの酒のしずくが舌の上でひろがった。
笑われた子 (新字新仮名) / 横光利一(著)
樹々の葉が白く光って、降り溜まった水の重みに耐えかねて、つと傾くと、ポツリと下の草を打つしずくの音が聞こえるようだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そればかりでなく青竜二郎のためにたった今鞭で打たれたと見え、頬の辺り手の甲などから生血がタラタラとしたたっている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
向うの窓際に在る石造いしづくり浴槽ゆぶねから湧出す水蒸気が三方の硝子ガラス窓一面にキラキラとしたたり流れていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まことに、申訳が御座いません。先生の同情ある御恩は決して一生っても忘るることでなく、今もそのお心を思うと、涙がこぼるるのです。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「膝の上へ茶をこぼして、ぽかんと見てえる奴が有るもんか。三歳児みつごじゃア有るまいし、意久地の無いにも方図ほうずが有ッたもンだ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
朝から飲まず食わずでも、またこれからいくにち、一てきの水を口にしないまでも、そんなことは念頭ねんとうにない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほし夜々よるよるにそのやまみねとおるときに、一てきつゆとしてゆく。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しづくだに震ひ動かずしてわが身に殘る血はあらじ、昔の焔の名殘をば我今知るとヴィルジリオにいはんとせしに 四六—四八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そは片側かたがはには、全世界にはびこる罪を一しづくまた一滴、目より注ぎいだす民、あまりにふち近くゐたればなり 七—九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「自分の首へ凧糸を巻いて、その凧糸の上から、存分に水をたらし込んだというわけでしょう、——冷たいことだね」
平次はその酒を嗅いでみましたが、もとより何んの臭ひがあるわけではなく、たらしてめて見ても、味に何んの變りもありません。
吾は聴く、夜の静寂しづけきに、したたりの落つるをはた、落つるを。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
縁側に垂れた君子蘭の緑のしたたりがどろどろになって、干上り掛っていた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
椽側にれた君子らんみどりしたゝりがどろ/\になつて、干上ひあがかゝつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
されど憂ひのしたゝりかく頬をくだる汝等は誰ぞや、汝等の身にかくきらめくは何の罰ぞや 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
夜鶯ナイチンゲエルの優しい声も、すでに三越みつこしの旗の上から、蜜をしたたらすように聞え始めた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
片つ方の手には黄色い液體をしたたらした試驗管を持ち、片つ方の手のピンセットで試驗紙を挾んだまま、大越さんは全くびつくりして私の顏を見つめる。
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
えり首がひやりとした。雨のしずくがおちかかったのだ。はっと我にかえった玉目三郎は、思わず大声に呼びかけた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
たった今、雪から水にかえったこまかい粒が、集まってしずくとなった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
あの青ずんで見えるのはおれの生家うちではないか? 窓に坐つてゐるのはお袋ではないか? お母さん、この哀れな伜を助けて下さい! 惱める頭にせめて涙でも一しづくそそいで下さい! これ
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
しづくふさふさのその子の髪に
お登和嬢はとみこたえず、たれたるこうべはいよいよ下を向て一雫ひとしずく涙のたれし様子。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
お柳のなりは南部の藍の子持縞こもちじまの袷に黒の唐繻子とうじゅすの帯に、極微塵ごくみじん小紋縮緬こもんちりめん三紋みつもんの羽織を着て、水のたれるような鼈甲べっこうくしこうがいをさして居ります。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二日酔柚餅子ゆべしで苦い茶をれる飴ン坊
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
アストレイの『西蔵チベット記』に、大喇嘛ラマの糞尿を信徒に世話しやりて多く利を得る喇嘛僧の事を載す、蒙古人その糞の粉を小袋に入れ頸に掛け、その尿いばりを食物におとして用うれば万病を除くと信じ、天主僧ジャービョン西韃靼だったんに使した時、大喇嘛の使者かようの粉一袋を清帝に献ぜんと申し出て拒まれた由。
有一日あるひ伏姫は。すゞりに水をそゝがんとて。いで石湧しみづむすび給ふに。横走よこばしりせし止水たまりみづに。うつるわが影を見給へば。そのかたちは人にして。かうべは正しく犬なりけり。」云々しか/″\