“たら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タラ
語句割合
30.7%
14.0%
13.2%
10.5%
10.5%
4.4%
2.6%
大口魚2.6%
多良1.8%
1.8%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まばゆい超越的な美をもっていて、町でさかんにもてはやされている、屍体のような色をしたたらやハドックとはまるで段ちがいである。
滑らかな石砥いしどに油をたらして、その上に靜かにメスを走らせながら、彼れは刃物と石との間に起るさゝやかな音にぢつと耳をすましてゐた。
実験室 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
性わるとか、おんなたらしなどと云われる客は、かえって扱いよかったが、若い職人とかお店者たなものなどで、本気になってかよって来る者には困った。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
古人こじんいはく近きをはかればたらざるが如く遠きに渡れば乃ち餘り有りと爲す我國わがくに聽訟ちやうしようを云ふ者大概おほむね青砥藤綱あをとふぢつな大岡忠相おほをかたゞすけの兩氏が明斷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さて、こうして手に入れた粉薬を、水に溶かして、鼻の病気の為に始終開きっぱなしの、遠藤の大きな口へたらし込めば、それでいいのです。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その他冬青木もち、椿、楢、はぜおうちむく、とべら、胡頽子ぐみ、臭木等多く、たらなどの思ひがけないものも立ち混つてゐる。
沼津千本松原 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
思ひ切つて置いては来たれど今頃は目を覚してかかさん母さんと婢女をんなどもを迷惑がらせ、煎餅おせんやおこしのたらしもかで、皆々手を引いて鬼に喰はすとおどかしてでもゐやう
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれは狡猾なだけで、深く物を考へるたちではないからだ。あゝ云ふ男の智識には頭があつて胴がない。精々頭と肩とだけしかない。大口魚たらの様なものだ。
言葉巧みに親父をたらし込んで、祖父じじいの代から伝わった田地田畠でんちでんぱたを初め銀行の貯金、親父の保険金なぞいうものを根こそげ捲き上げてしまったあげく
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
夜更けてほろを深くたらした人力車が玄関に着いた。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「お前の家の裏の畑で、紙鳶を一緒にあげたらう。お前のたらの大きい紙鳶を。そして逃がしてしまつたぢやないか。」
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
禰宜様宮田は、広場へむしろを拡げて、たらの根を乾かしながら、大変仕合わせな、へりくだった心持で考えていたのである。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あまりの窮屈にいざ廣々とならんには我れをたらして君樣いとしと言はせ、何も時世とあきらめ給へ、正しき妻とは言ひ難けれど心は後の世かけてなどゝ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ねえねえ島さん、こうだとさ、あのお米さんの腕だっしゃは、大洞の金持ちの息子をたらし、今度足洗いをするそうだよ。ふざけているね、大莫連おおばくれんのくせに。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
野村は女学生をたらして弄んで、おまけに金を捲上げて居るとか、牧師の細君と怪しい関係を結んでるさうだとか、好からぬ噂のみ多い中に、お定と云つて豊橋在から来た
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
人を、人をツいつまでも子供のやうに思つて、たらさうとしてももうだめよ。それよりか一所に泣いてくれた方が、いくら力になるか知れやアしないわ。
磯馴松 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
かく語れる時一の鬼その鞭をあげてこれを打ちいひけるは、去れ判人ぜげん、こゝにはたらすべき女なし 六四—六六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)