“たれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タレ
語句割合
誰72.7%
何人13.0%
垂5.7%
垂簾2.0%
誰人1.8%
孰1.1%
低0.6%
足0.6%
滴0.4%
私0.4%
俛0.2%
垂布0.2%
垂帛0.2%
垂師0.2%
垂幕0.2%
垂片0.2%
垂絹0.2%
夷0.2%
某0.2%
甲0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この沿線中、誰(たれ)でも最初に深く印象づけられる景色は愛野の地峡をぬけて、断崖の上から千々岩灘の碧湾(へきわん)に直面した時の眺めである。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
こういうことは何人(たれ)よりも、彼が一番よく理解してくれるだろう。助けてもくれるだろうし、きっと好い智恵も貸してくれるに違いない。
梟の眼 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
先棒(さきぼう)と後(うしろ)との声(こえ)は、正(まさ)に一緒(しょ)であった。駕籠(かご)が地上(ちじょう)におろされると同時(どうじ)に、池(いけ)に面(めん)した右手(みぎて)の垂(たれ)は、颯(さっ)とばかりにはね揚(あ)げられた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
垂簾(たれ)をあげて這い出したお絹は、よろけながら下駄を突っかけて立った。提灯の灯(ほ)かげにぼんやりと照らされた彼女の顔はまだ蒼かった。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
誰人(たれ)も思いよらなかったおり(死の六年前に)医学博士佐々木東洋氏が「この肩の凝りが下へおりれば命取りだから大事にせよ」
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
季康子問う、弟子孰(たれ)か学を好むと為(な)す。孔子対(こた)えて曰く、顔回(がんかい)という者(ひと)ありて学を好みしが、不幸短命にして死し、今は則ち亡(な)し。(先進、七)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
此(この)雪いくばくの力をつひやし、いくばくの銭を費し、終日ほりたる跡へその夜大雪降り夜明て見れば元のごとし。かゝる時は主人(あるじ)はさらなり、下人(しもべ)も頭(かしら)を低(たれ)て歎息(ためいき)をつくのみなり。
雪 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
信仰の鍛錬すでに足(たれ)り、肉慾すでに減磨せられ、我すでに富貴に負ける慮(うれい)なきに至て神は世の宝を以て我に授けたまうなるべし、世に最も憫察すべきものは富を有してこれを使用し能わざる人なり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
お登和嬢は頓(とみ)に答(こたえ)ず、垂(たれ)たる頭(こうべ)はいよいよ下を向て一雫(ひとしずく)涙の滴(たれ)し様子。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一妓(ひとりのぎ)社の后(うしろ)に入りて立かへり石の水盤(てうづばち)の涸(かれ)たる水を僅(わづか)に掬(すくひ)、手(て)を洗(あら)ひしは私(たれ)に去(さ)りしならん。
「おつかあのねえものは厭(や)だな」おつぎはいつて勘次(かんじ)を見(み)ると直(すぐ)に首(くび)を俛(たれ)た。勘次(かんじ)は側(そば)で凝然(ぢつ)とそれを聞(き)いて居(ゐ)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
爺(ぢい)さんは首(くび)を俛(たれ)て滅切(めつきり)靜(しづ)かになつていつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
決闘用の洋刀(サーベル)二本を、ぶっちがえにして壁にかけた、その下に楕円形の出入り口があり、そこにマドリッドの産らしい、赤金色の垂布(たれ)がかけてあったが、それをかかげて三人の男が
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
几帳(きちょう)の垂帛(たれ)を上へ掛けて、それがまた横へ押しやられてあった。灯を明るくともして縫い物をしている女が三、四人いた。美しい童女は糸を縒(よ)っていたが、宮はその顔にお見覚えがあった。
源氏物語:53 浮舟 (新字新仮名) / 紫式部(著)
お春は我家に近いあたりを送りの駕籠(かご)でゆられていたが、ふと泣き湿(ぬ)れた顔を拭いて、垂師(たれ)をはねて駕籠かきに言いました。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「チョッ! 業突張(ごうつくばり)!」と言いながら、車から下りた。あとにいた客は垂幕(たれ)を上げると
黄昏 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
垂片(たれ)のあるチョッキの下で朗々たる説教をちょきちょきちょきちょきとやっていた。
人目について恥をかきそうな不安を覚えながら、源氏は導かれるままに中央の母屋(もや)の几帳の垂絹(たれ)をはねて中へはいろうとした。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
それからあの、赤城(あかぎ)の、こうずうと夷(たれ)とる、それそれ煙が見えとるだろう、あの下の方に何だかうじゃうじゃしてるね、あれが前橋(まえばし)さ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「某(たれ)さんは、昨夜(ゆうべ)、狸に化されて家へよう帰らずに、某(ある)所をぐるぐると歩いていた」
村の怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
震災直後の東京ではライスカレー一皿で要求に応じた女が居たと甲(たれ)も乙(かれ)も云う。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)