“あし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アシ
語句割合
26.3%
19.1%
17.7%
9.2%
7.0%
4.4%
2.8%
2.6%
2.1%
1.0%
1.0%
0.8%
0.7%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
鳥目0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
両脚0.2%
脚部0.2%
蘆荻0.2%
足蹠0.2%
0.2%
下肢0.1%
0.1%
0.1%
唖子0.1%
四肢0.1%
容脚0.1%
待遇0.1%
歩速0.1%
脚歩0.1%
蘆葦0.1%
足趾0.1%
0.1%
0.1%
速力0.1%
0.1%
0.1%
阿四0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひかりは、ほのかにあしもとをあたためて、くさのうちには、まだのこったむしが、ほそこえで、しかし、ほがらかにうたをうたっていました。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おうい、見ろみろ、また気狂いどもがやって来やがった。なんでェ、あのあしつきは。あいつら、頭の加減でも悪いんじゃないのか」
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
フランボーは揺れる舟の中にいきなり背丈一ぱいに立上りさま、その男に『蘆が島リードアイランド』もしくは『あしの家』を知っているか、と訊ねた。
さきごろは又、『めくら草紙』圧倒的にて、私、『もの思うあし』を毎月拝読いたし、厳格の修養の資とさせていただいて居ります。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
さあ、何処にいるか。其様なこと聞きゃしないさ。……それでも私、後で可哀そうになったから、持っていたおあしを二三円あったのを
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
嫌つたと云ふ訳なら、さうかも知れませんけれど、私はすべての人間が嫌なのですから、どうぞあしからず思つて下さい。貴方も御飯を
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
まもなく、江のまん中を、斜めにぎるうち、あしの茂みをいて、チラとべつな一隻が見えた。すると、こっちから阮小二が呼んだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあし早やな筋立のないフィルムだが、筋立はなくともどうやら一つの輪郭を、漠然とした意味をそれらが暗示しようとするから妙だ。
銀座街頭 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
「彫れますかな? 本式の親分になるしるしに。……そしたら、僕も、やっぱり、龍を彫ります。そして、百合の花をあしに握らせますよ」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
と、あしげて、十九日、いよいよ大坂を出発せんと、意を決した前夜、またも火のつくような凶報きょうほうが、紀州方面から入った。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
階下にいたブラッチ夫人は、頭の上の浴室で、踊るようなあし音がするのを聞いた。ちょっと静かになった。すると一声笑うような声がして、湯をね返す音がした。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
手入らずのおあしかからずだとて、客をもてなすにも清子のお粥である。良人はよくこう冷やかした。
茶粥の記 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
一四あしがちる難波なにはて、一五須磨明石の浦ふく風を身に一六しめつも、行々一七讃岐さぬき真尾坂みをざかはやしといふにしばらく一八つゑとどむ。
「あり勝ちの夫婦喧嘩ですから、どうかあしからず」と云つて、若いが、こんな場合だけに血の氣の失せたやうな顏で笑つた。
若い男性に囲まれながら、彼等を軽くあしらつてゐる夫人の今日の姿は、又なく鮮かだつた。青磁色の洋装が、そのスラリとした長身に、ピツタリ合つてゐた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
味噌こし下げて端たのおあしを手に握つて米屋の門までは嬉しく驅けつけたれど、歸りには寒さの身にしみて手も足もかじかみたれば五六軒隔てし溝板の上の氷にすべり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その時はこの時雨榎しぐれえのきの枝の両股になってる処に、仰向あおむけに寝転んでいて、烏のあしつかまえた。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これ/\う云うお武士さむらいが可哀想だと仰しゃって紙に包んで下さいましたのを、お鳥目あしかと存じてたくへ帰り開けて見ると金子きんすでございました、親に御飯を喰べさせる事も出来ん様な難渋な中ゆえ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
巫子かんなぎ祝詞のつとをはり、湯の沸上わきあがるにおよびて、吉祥よきさがには釜の鳴るこゑ牛のゆるが如し。あしきは釜に音なし。是を吉備津の御釜祓みかまばらひといふ。
松をまた人間に当てめるならば車の矢の様に四方に出る枝は睦まじい一家の団欒だんらんにも比する事が出来ますし、またかんざしあしをなした葉は何時いつも離れず連れ添うて居り
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「嫌わなけりゃ、あしの話を聞いてもらいたい」
蟹の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『オイオイ。ここは湊屋の仁三郎が長うなっとる。誰か両脚あしの方ば抱えやい』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私の友人に荒谷実乗という人がいます。たいへん豪胆な、意志の鞏固きょうこな男ですが、彼がかつて軍隊にいた時、何かのはずみで、脚部あしを負傷したのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
台下にはちらりほらり、貧しそうな農家は有るが、新利根川べりには一軒も無く、唯蘆荻あし楊柳かわやなぎが繁るのみで、それもだ枯れもやらず、いやに鬱陶うっとうしく陰気なので有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
そして、それ以下の擂木は、義足の中でブラブラ遊んでいるのだ。つまり、足蹠あしの作用をするものの所在が、非常に重大な点なのであって、無論犯人は、その部分に刺戟を与えたのだったよ。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
道学先生の世迷言よまいごとのように思って、鼻であしらっていた男だが、不思議な事には、此時此手紙を読んで吃驚びっくりすると同時に、今夜こそはといきり立っていた気が忽ちえて、父母ちちははしきりに懐かしく
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
なぜなら、元来その病は、上肢にも下肢あしにも、どちらにも片側だけに起るもので、体温は死温に等しくなり、また、脈は血管硬化のために、触れても感じないというほど、微弱になってしまうのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「あら、小さいんで極りの悪い事ね……おあしが高いもんですから、賤の女でござんすわいな。ほほほほほ。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
驚きに驚かされし静緒は何事ともわきまへねど、すいすべきほどには推して、事の秘密なるを思へば、まらうどの顔色のさしも常ならず変りて可悩なやましげなるを、問出でんもよしあしやをはかりかねて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この時また文法書を学ぶ。文法を知らざれば、書を読みて、その義理を解する事、能わず。我が言葉をもって我が意を達するに足らず。言葉、意を達するに足らざるものは、唖子あしに異ならず。
十七といふにしては、成熟しきつた肉體で、やゝ派手はでな不斷着に包んだ胸も、四肢あしも、ハチきれさうな豐滿さです。
暖い太陽の下では枝もたわわに檸檬シトロンが色づき、背景には雪の山頂をきらめかすアルプスの連峰、コルクと松の木の生えたサント・オノラの朱色の岩は、紫紺色の海にその容脚あしを浸し
今にも窒息ちっそくせんず思いなるを、警官は容赦ようしゃなく窃盗せっとう同様に待遇あしらいつつ、この内に這入はいれとばかり妾を真暗闇まっくらやみの室内に突き入れて、またかんぬきし固めたり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
男の歩速あしと、女の歩速——
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四方よもの山々いよいよ近づくを見るのみ、取り出でていうべき眺望ながめあるところにも出会わねば、いささか心もみて脚歩あしもたゆみ勝ちに辿り行くに
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
路傍は高萱たかがやと水草と、かはる/″\濃淡の緑を染め出せり。水は井字の溝洫かうきよくに溢れて、處々のよどみには、丈高き蘆葦あし、葉ひろ睡蓮ひつじぐさ(ニユムフエア)を長ず。
そう言って、高い木沓きぐつを脱ぐと、なかから、それは異様なものが現われた。双方の足趾あしは、いずれも外側にかたよっていて、大きな拇趾おやゆびだけがさながら、大へらのように見えるのだった。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それが鳴きながら一方のあしだけで地べたをとんとんと飛ぶのもあれば、羽ばたきをしながら走るのもあって、それが大異の周囲をぐるぐると廻りだした。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
眼とあし、眼と蹠という風に模様がはいってますのよ……。
「そんなに速力あしの出る馬をどこから手に入れることが出来たのだ。」
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
あしびみ、そーれー、たい。」
奥間巡査 (新字旧仮名) / 池宮城積宝(著)
紫の房々とした葡萄ぶどうの房を描いて、光線をあしらった、そこにばかり日の影がして、明るいようで鮮かな、露垂るばかりの一面の額、ならべて壁に懸けた標本の中なる一輪の牡丹ぼたんくれない
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三年このかた彼がこの著物きものに手を通したのは只の二度切りで、一度は彼の大きらいな疱瘡あばた阿四あしが病気した時、もう一度は彼の店を叩き壊した魯太爺ろだんなが死んだ時だ。そうして今がちょうど三度目だ。
風波 (新字新仮名) / 魯迅(著)