“澱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よど82.0%
おど6.7%
おり3.6%
をど3.1%
よどみ2.6%
ヨド1.0%
とろ0.5%
にご0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よく眠れなかったお増は、頭脳あたまがどろんとよどんだように重かった。そして床のなかで、たばこをふかしていると、隣の時計が六時を打った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
むしろの上のあちこちにおどんでいた男やら女やらの影は、急にワラをもつかみたい目つきになって、彼のことばに耳をいでいた。
心のおり——それが消そうとすればするほど、却って一杯にひろがってきてしまうのをどうすることもできなかったのだった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
なにかしらかなしきもののをどみゐる場末の空気すへばさびしも
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
されど彼またまこと青鷹もろがへりなりければ、劣らず爪をこなたにうちこみ、二ながら煮ゆるよどみ眞中まなかに落ちたり 一三九—一四一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ナガレ、ヨドミテフチイカリテハ沸々フツフツカカリテハタキハテハ、ミナイツコントンノウミデアル。肉体ニクタイ死亡シボウデアル。キミノ仕事シゴトノコルヤ、ワレノ仕事シゴトノコルヤ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
鰻を生けた魚籠うけのにほひもとろむ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
冴えた水色とすこしにごった焔のような紅色とが横だんだらに空じゅうひろがっている。
情景(秋) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)