“沈澱物”の読み方と例文
読み方割合
ちんでんぶつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、肺臓の沈澱物ちんでんぶつでも吐くように、鼻腔びこうから重くるしいため息をついて、椅子の角へ、がっくりと首をのせた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ジョン・リードの理不盡りふじんな虐待振りや、彼の妹の權高けんだかな冷淡さや、彼等の母が私に示す嫌惡けんをの情や、召使ひの寄せる依怙えこひいきが、濁つた井戸の暗い沈澱物ちんでんぶつを掻き𢌞すやうに
その首都こそ世界の中央であり、世界の沈澱物ちんでんぶつで高く積み上げられている。だれ一人としてここをかけ抜けることはできないし、まして死者のたよりをたずさえてかけ抜けることはできない。
皇帝の使者 (新字新仮名) / フランツ・カフカ(著)