“頭脳”のいろいろな読み方と例文
旧字:頭腦
読み方割合
あたま90.3%
ずのう5.6%
づのう1.5%
づなう1.5%
ヘッド1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
可也かなり皮肉な出来事であつたからで、気の小さい、きまわるがり屋の彼は、うかしてうまくそれを切りぬけようと、頭脳あたまを悩ましてゐた。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
と、蔦之助つたのすけはまた悶々もんもんとだまって、いまはただ、この民部の頭脳ずのうに、神のような明智めいちがひらめけかし、とジッといのるよりほかはなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の頭脳づのうのへんに冴えてゐるには一驚を喫する。その立体的で簡勁な筆致は言はずもがな。彼の犯罪的の作品は以上のものにとどまらない。
探偵小説小論 (新字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
はこの皮肉なる現実主義に多少の同情を有するものなり。唯唯作者の論理的頭脳づなうは残念にも余り雋鋭しゆんえいならず。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
丁寧に言えば、象徴が知的の「頭脳ヘッド」によってされないで、主観の感情によって温熱されたる、心情ハートの意味としてされねばならない。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)