“甘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うま45.4%
あま38.5%
あめ4.7%
あまん3.3%
うめ1.9%
かん1.9%
おい0.8%
うまし0.8%
おいし0.6%
アマ0.6%
あまっ0.3%
い0.3%
うも0.3%
おま0.3%
アメ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お月様てえ奴は実に憎くない奴よ、おらがあすこでもつて飲んでる時アどうだ甘(うま)いだらうと、いつたやうな顔付でもつて見てござる。
磯馴松 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
ロレ いや、其(その)語(ことば)の鋭鋒(きっさき)を防(ふせ)ぐ甲胄(よろひ)を與(おま)さう。逆境(ぎゃくきゃう)の甘(あま)い乳(ちゝ)ぢゃと謂(い)ふ哲學(てつがく)こそは人(ひと)の心(こゝろ)の慰(なぐさ)め草(ぐさ)ぢゃ、よしや追放(つゐはう)の身(み)とならうと。
そうなってはもう啖呵(たんか)の音(ね)も出まい。きっと、俺のこの強い力にほだされて、いつの間にか俺のこの胸へ抱きこまれてくるんだろう。甘(あめ)えものだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
富有な旦那の冥利(みょうり)として他人の書画会のためには千円からの金を棄てても自分は乞丐(こじき)画師の仲間となるのを甘(あまん)じなかったのであろう。
「時に、オイ、熊の野郎め久しく顔を見せねエが、どうしたか知つてるかイ、何か甘(うめ)い商売でも見付けたかな」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
天草(てんぐさ)で作った心太(ところてん)や、甘(かん)ぞうを入れた甘露水などを売っていたが、それでは金がさにならないので、多くは、怪しげな女が地酒を冷やしてひさいでいた。
「こちらも甘(おい)しく出来てるわ。くみちやんはいつの間にかういふお稽古をしたんでせう?」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
その代りに、「深く御柔軟(ごにゅうなん)、深く御哀憐(ごあいれん)、勝(すぐ)れて甘(うまし)くまします童女さんた・まりあ様」が、自然と身ごもった事を信じている。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「まあ珍らしいものがあるのね。先に私が女の生徒さんたちを預つてゐたときに、一人あちらの方の人がゐて、そこの家からよく貰つたけど、あちらのはそれは甘(おいし)いのね。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
お前は甘(アマ)いぞと言はれることが、我々日本人にとつては骨身にこたへる一大苦痛であるらしい。けれど、行為の世界では人は大概あまいのである。
鰻の匂(におい)も鼻に附いて食いたくなし、鯛(たい)は脂肪(あぶら)濃し、天麩羅(てんぷら)はしつッこいし、口取も甘(あまっ)たるしか、味噌吸物は胸に持つ、すましも可いが、恰好(かっこう)な種が無かろう。鮪(まぐろ)の刺身は噯(おくび)に出るによ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
甘い温(あった)かな乳汁(ちち)が滾々(どくどく)と出て来て、咽喉(のど)へ流れ込み、胸を下(さが)って、何とも言えずお甘(い)しい。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
良「お舅御さん、これはねえ精進物だが、一体内で拵(こしら)えると云うたは嘘だが、仕出し屋へ頼んだのじゃ、甘(うも)うもあるまいが此の重箱へ詰めて置いたから、二重とも土産に持って帰り、内の奉公人にでも喰わしてやってください」
ヒエ実(じつ)に国(こに)というたところで、今(えま)になって帰りましたところが、親戚(めより)もなし、別(びつ)に何う仕ようという目途(みあて)もないものですから願わくば此の繁盛(さか)る御府内でまア生涯朽果(こちはて)れば、甘(おま)え物を喰(た)べ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なんだお前こそ甘(アメ)え奴だ!」——私の心が言つた。
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)