“うま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウマ
語句割合
22.3%
美味13.8%
13.1%
11.9%
10.7%
7.0%
6.6%
上手2.7%
2.3%
2.0%
(他:94)7.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おい、かあさん、これはとてもうまいぞ!、もっともらおう!」といったが、べればべるほど、いくらでもべられるので
どうかして舞台でうまい事をしたのを、劇評家が見て、あれは好く導いて発展させたら、立派なものになるだろうにと、おしんで遣ることもある。
日本酒は勿論もちろん、ウォツカのような強い酒でも、そう云う風にぐい飲みをしないとうまくないと云うのだから、実にあきれた胃袋である。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それはそれとして、初がつおというもの、それほど美味うまいものかという問題になるが、私は江戸っ子どもが大ゲサにいうほどのものではないと思う。
いなせな縞の初鰹 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
ふぐの美味うまさというものは実に断然たるものだ——と、私はいい切る。これを他に比せんとしても、これにまさる何物をも発見し得ないからだ。
河豚は毒魚か (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
いまは酔っているのと、酒とは変った舌ざわりのためだろう、このまえよりも美味うまく感じられて、お杉の話を聞きながら、知らぬまにかなり飲んだ。
「箏の裏板へ大きなとびらをつけて、あの開閉で、響きや、音色ねいろの具合を見ようという試みね、うまくいってくれればようござんすね。」
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
六人は双方の紹介が終ってから、そのままお茶のテーブルを囲んで話し合ったが、うまい工合に雑談が弾んで来ないで、時々皆が黙り込んでしまった。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
射撃の技倆も、ふしぎに僧兵はうまかった。平常の修行が役に立って、すぐ精神を標的に集注できるせいだろうという者もある。——また、彼らには、
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愈々いよいよ大津の息子はお梅さんをもらいに帰ったのだろう、うまく行けばあとの高山のぶんさんと長谷川の息子が失望するだろう
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ついでに着せもしてやらうと青山の兄から牡丹餅ぼたもちの様にうま文言もんごん、偖こそむねで下し、招待券の御伴おともして
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
肉は焼けてジュウジュウ音がした。見る間にねぎも柔く成った。お種も、三吉も、口をホウホウ言わせながら、うまそうに汗を流して食った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
旅人たびびとは、あるときはふねったり、あるときはうまったり、またあるときはあるいて、ここまできたのであります。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おうまには、図画ずがや、つづりかたはわからないね。」と、ちいさなゆうちゃんがいったので、みんなが大笑おおわらいをしました。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「手前が、御丁寧にも麻布からうまを引いて來たんだよ。御用聞が人に後をけられて知らずに居るなんざ、あんまり褒めたことぢやえぜ」
父の家厳いえとしを初め、城中の者が、こぞって案じていた一つの推定は、その日のうまの刻になって、不幸にも、適中していたことが知れた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜、父が寄席へ出かけた留守中、浜子は新次からおうまえのきの夜店見物をせがまれると、留守番がないからと言ってちらりと私の顔を見る。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
これは多分うまの日の節供をくり上げて、月の初めの五日ときめた結果、三月も同様に、それと朔旦さくたんの祝日とが併合したものであろう。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いへのうちにゐて、その内外ないがい樣子ようすむといふところから、景色けしきうたうまれてるのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
目鼻めはなだちよりかみのかゝり、ならびのところまでたとはおろ毋樣はゝさまそのまゝのうまれつき
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
常時そのころ日出雄少年ひでをせうねん保姆うばであつた亞尼アンニーとて、伊太利イタリーうまれの年老としおいたるをんな
浜中屋のお菊ちゃんが笛の上手うまいのは、天才でもあったが、一つは、病身のせいでもあった。露八は眼をつむって笛の音を聞いているとすぐに、
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この技師は俳句も上手うまいが、優秀なえらい技師ですよ。僕と俳句友達ですから、遠慮のらない間柄なんです。」と高田は附加して云った。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そのうち宮島さんという人がいろいろと自分で工夫し、上手うまくなって専門の石膏屋になったが、僕らも段々少い石膏で上手く出来るようになった。
美術学校時代 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
地質学者の計算によると、五万年ののちには今の渤海湾ぼっかいわんが全くうまってしまう都合になっていますと木戸君が語られた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おめえと従兄弟いとこ同士の源右衛門はどうした。駈け落ちをしたと云うのは嘘で、あの抜け道のなかにうまって死んだのだろう。その死骸はどこへ隠した」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
するりとしろかほえりうまつた、むらさき萌黄もえぎの、ながるゝやうにちうけて
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我国の鮏は初秋より北海をいで千曲川ちくまかは阿加川あかかは両大河ふたつのだいがさかのぼる、これ其子をうまんとて也。
一々算盤珠そろばんだまはじいて、口が一つえればどう、二年って子供が一人うまれればどうなるということまで、出来るだけ詳しく積って見た。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その親が海に働こうとしてあかつきに浜に出たが、まだ夜が明けぬのでしばらく寄木を枕にして仮睡うたたねしていると、今ほど何某なにぼうの家に子がうまれる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
M君は食料品を大抵郷里から送らせてゐるほど郷土を愛してゐたが、彼自身はM君のやうに、総てのものがうまいと思ふほど主観的にはなれなかつた。
芭蕉と歯朶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
かつて皆川淇園みながわきえんは、酒数献にいたれるときは味なく、さかな数種におよぶときはうまみなく、煙草たばこ数ふくに及ぶときはにがみを生じ
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
それが一日も過ぎると醤油が肉に浸みてうまい味になる。イザ食べようという時小口こぐちからく薄く切って芥子からしを添えるのだ。一つ試してみ給え、一番軽便けいべんの豚料理だ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
惡酒わるざけなるがゆゑのみならず元來ぐわんらい以上いじやうねつある病人びやうにん甘味うまからうはずがない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あいと脚絆きゃはんの膝をよじって、胸を、くの字なりに出した吸付煙草。亭主が、ふっかりと吸います、その甘味うまそうな事というものは。……
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は、いちごとり、蝸牛でんでんとり(蝸牛でんでんは焼いてうと甘味うまいものである)、笹の実とりなどに、姉たちとか、でもなければ一人でいった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
玄竹げんちくさけからいとかんずるやうになつては、人間にんげん駄目だめだなう。いくんでも可味うまくはないぞ。』
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
可味うまさうだなア。」と、文吾は思つて、唾液を呑み込み/\した。「喰べたいなア。」と思つて立止つた。それが爲めに、寺へ行くのが遲れた上をなほ遲れた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ひよツとして、本場の上等鰹節のない時は、白醤油を皿に入れ、それを箸の尖端さきで䑛めつゝ、可味うまさうに飯の實を味つてゐた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
唇がつけられないほど熱い酒だつたが、冷い舌に沁みて、しびれるやうに甘美うまかつた。親爺は臺所の電氣を店の間のさかひの障子ぎはへ引つぱつて來た。
(旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
マーキュ なんぢゃ、いっまづいのをば甘美うまい? はて、うま意味いみりやうぢゃの。賢女けんぢょ々々。
果物も培養の結果段々甘美うまいものが出で来るやうに成つたが、そのうち堅い果物が段々柔かくなつて来るといふのも一つの傾向である。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
十日にはうまい魚を買ひ溜めて待ち設けてゐたのに、榮一は歸つて來なかつた。「もう四五日遊んで歸る。」と、大阪の市街まちを寫した繪端書を寄越した。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
川の瀬も澄んで鮎屋が昨日もつて来ての話では、もう下流でないとゐないと言ひ、このあたりにゐるのは若若しく寂びてゐないからうまさは味いが、かぞへる程しかゐないと言つた。
故郷を辞す (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
どうしても豚の元祖は支那だから豚の種類も食用に適しているし料理方りょうりかたも豚は支那風のが一番うまいね
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
さうして茹菜ゆでな一皿ひとさらいくらかかつおぼえた所爲せゐ非常ひじやう佳味うまかんじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
各自かくじ平生へいぜいかつしてくちにはさけ非常ひじやう佳味うまかんずるととも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
余は南瓜が佳味うまさうだといつたらこんなものが好なのだらうかと不審相に娘がいつた。
佐渡が島 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此村あたりの娘には、これ程うまい話はない。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此村あたりの娘にはこれ程うまい話はない。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
静子は、目下いま持上つてゐる縁談が、種々いろいろの事情があつて両親始め祖父おぢいさんまでが折角勧めるけれど、自分では奈何どうしてもく気になれない、此心をよく諒察くみとつて、うまく其間に斡旋あつせんしてくれるのは、信吾の外にないと信じてゐるのだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこで宇和島吉田大洲新谷松山今治小松西条の旧八藩と宇摩うま郡の旧幕領とが一ツ管轄に帰したのであるが、相変らず県令は置かれないで、参事として長州人江木康直氏が赴任した。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
ノキスズメ 同 宇摩うま
同 宇摩うま郡 2
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たとへば扇朝といふ落語家はなしかの半生の物語の如き、淡々とした敍事の中に、その外面的に變化の多い幾年と共に、無智で氣短で、その癖始終果敢なく遣瀬ながつてゐる心持を、非の打ちどころの無い巧妙うまさで描いて居る。
……ナニ……僕の日本語が巧妙うま過ぎる?……大きなお世話だ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
んと巧妙うま工夫くふうではありませぬか。
薄く、低く、土煙をげて、片側並木の、田圃道から、村の中へ、三十人余りの、乗馬うまと、徒歩かちの人々が、入って来た。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
圖「ところが先方むこう乗馬うまで」
あの円満うまびとが、どうしてこんな顔つきになるだろう、と思われる表情をすることがある。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ある円満うまびとが、どうしてこんな顔つきになるだらうと思はれる表情をすることがある。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
津の国にまでこの音いろがとどいたなら、右馬うまかみのところが分るだろうにと思うくらいだった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
頬はくぼみ眼はおとろえ、これが薄男の右馬うまかみとはどう考えても信じられぬほどであった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
右馬うま
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『ラランよ、たべるものがあるならけてくれ。ずゐぶん旨味うまさうなおとだ。たのむよ。すこしでいいから。』
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
フトがつくと、さきんでゐるラランがなに旨味うまいものでもたべてゐるやうなおとをたてゝ、のど気持きもちよくならしてゐる。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
何しろ、ひどい空腹すきはらの処へ、素的に旨味うまそうだから、ふうふう蒸気いきの上る処を、がつがつして、加減なしに、突然いきなり頬張ると、アチチも何もない、吐出せばまだ可いのに
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
栗生くりう峠はなかなか難所だが馬で越すことが出来るそうだ。どうだ、一つ峠の凸凹道を馬上うまで越そうではないか」といい出したのは未醒みせい画伯。
「見たようだもないもんだ。高岡から馬車に乗ったとき、人力車と競走かけっくらをして、石動いするぎ手前からおまえさんに抱かれて、馬上うまの合い乗りをした女さ」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それはごもっともさ。そうだけれども、馬上うまの合い乗りをするお客は毎日はありますまい」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(甲冑を着、太刀をき、あまつさえ、今朝からの戦いに疲れ果てた左馬介が、うまのまま湖上にのがれ得るはずはない)
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、宮中勘兵衛みやなかかんべえという者が、犬千代の右の眼へ、一矢いっし射たところ、犬千代は、矢も抜かずに、うまから跳び降りて、勘兵衛を首にし、信長に、首を献じたという男でもある。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ陽は落ちていなかった。いちど薄れた虹がまた濃く立つ。彼のうま鞍側くらわきには、首一つ、みやげにいつけられてあった。いうまでもなく、今川治部大輔じぶのだゆう義元の首級である。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母儀の死ぬのを待って仏道に入ればすべてがうまく行くように思えるが、しかしもし自分が先に死ねばどうなるか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たがねえ多助さん、こうやって刺子さしッこの筒袖を着、膝の抜けた半股引を穿き、三尺帯に草鞋がけ、天秤棒を担いで歩くのだが、末には立派な旦那といわれるようにお互にならないではうまらない、旨い物は喰わず、面白いものは見ず、こうやって居るんだものを
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(いいえ、おもしろうござんすよ。こんなうまなりをして。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
でも、ちょっと含羞はにかんだか、日に焼けた顔を真赤まっか俯向うつむく。同じ色した渋団扇、ばさばさばさ、と遣った処は巧緻うまいものなり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、なか萬事ばんじ左樣さう幸運うまくかどうだか。