“うま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウマ
語句割合
22.1%
美味13.7%
13.3%
12.1%
10.7%
7.0%
6.5%
上手2.8%
2.2%
2.0%
(他:90)7.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「するとうまく中った形容が俗で、旨く中らなかった形容が詩なんだね。藤尾さん無味まずくって中らない形容を云って御覧」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
論より証拠しょうこ発奮して死ぬものは奇麗きれいに死ぬが、いじけて殺されるものは、どうもうまく死に切れないようだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小山君、僕もこれから心がけて諸国の名物をあつめようと思う。名物に美味うまいものなしというけれども決してそうでない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
最後にダニエルは、紙で包んだ美味うまいものを口の中へ投げ込む。その紙包みは、納屋の抜け穴を猫が通るようにはいって行く。
しかし昔の道を杓子定規しゃくしじょうぎにそのままんで、それでうまく世が治まるくらいなら、誰も苦労はしないよ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ずるい道具屋などはそれをい事にして、よく贋物にせものを持ち込んでは、うま箱書はこがきを取らうとする。
仕事しごとなんでも牝鷄めんどりでなくつちやうまかねえよ」といつてはかげわらふのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
蛙や蝸牛などのグロテスクなものをうす気味悪い思いをしてまで食べなくとも、巴里パリにはうまい料理がいくらもある。
異国食餌抄 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
みねあり、てんさへぎり、せきあり、とざし、うますゝまず、——うますゝまず。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
元來がんらいうま日本につぽん石器時代せつきじだい貝塚かひづかからそのほねされるので
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「さっきここを出てから、の時に涇陵へ行って、うまの時に戦って、帰りに九天へ行って、上帝にその訳を訴えてきました」
柳毅伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その法は、の日のクサメには酒食のことあり、うまの日のクサメには喜びごとあり、何の日は吉、何の日は凶と定めてある。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
然し彼女自身はあしたうまれてゆうべに死すともうらみは無い善良の生涯を送って居たので、生の目的は果した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その頃雜誌ざつし青鞜せいたう」はうまれ、あたらしい女といふことが大分だいぶやかましくなつてまゐりました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「まア、そう。山口も上手うまいのね。でも、あたしなんか、そりゃ初めは淋しかったわ。だけど、もうこうなればね。」
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
(ああ、身震みぶるいがするほど上手うまい、あやかるように拝んで来な、それ、お賽銭さいせんをあげる気で。)
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その頁には、昨日の日附と夕刻の数字とが欄外らんがいに書きこんであり、本欄の各項はそれぞれ小さい文字でうまっていた。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この記憶に富んだ庭も、今は全くきりうまって、荒果あれはてた自分の下宿のそれと、何の境もなくのべつに続いている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
よく薬種屋の方へ遊びに来ている、お島さんという神奈川在うまれの丸い顔の女が、この外人の洋妾らしゃめんであった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
つゝがなくうまいでしといふやうに言問ことゝひの前の人の山をくぐいでて見れば、うれしや
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
かつて皆川淇園みながわきえんは、酒数献にいたれるときは味なく、さかな数種におよぶときはうまみなく、煙草たばこ数ふくに及ぶときはにがみを生じ
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
この辺で俗伝に安珍清姫宅に宿り、飯を食えばはなはうまし。
非常ひじやう甘味うま菓子くわし舌皷したつゞみちつゝ、や十五ふんすぎたとおもころ
るからしてすみれいろつやゝかにみつのやうなかほりがして如何いかにも甘味うまさうである。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ひよツとして、本場の上等鰹節のない時は、白醤油を皿に入れ、それを箸の尖端さきで䑛めつゝ、可味うまさうに飯の實を味つてゐた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
一匹の蟻をば砂糖壺の中へ投げ込んだやうに、文吾は可味うまさうな柿の實に包まれてしまつて、まご/\した。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
果物も培養の結果段々甘美うまいものが出で来るやうに成つたが、そのうち堅い果物が段々柔かくなつて来るといふのも一つの傾向である。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「富限者の子供は、いつも甘美うまかもの食いよっとじゃもの、あぎゃんくさったバナナば、恩にきせよる……」
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
どうしても豚の元祖は支那だから豚の種類も食用に適しているし料理方りょうりかたも豚は支那風のが一番うまいね
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
十日にはうまい魚を買ひ溜めて待ち設けてゐたのに、榮一は歸つて來なかつた。「もう四五日遊んで歸る。」と、大阪の市街まちを寫した繪端書を寄越した。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
各自かくじ平生へいぜいかつしてくちにはさけ非常ひじやう佳味うまかんずるととも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうして茹菜ゆでな一皿ひとさらいくらかかつおぼえた所爲せゐ非常ひじやう佳味うまかんじた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此村あたりの娘には、これ程うまい話はない。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此村あたりの娘にはこれ程うまい話はない。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そこで宇和島吉田大洲新谷松山今治小松西条の旧八藩と宇摩うま郡の旧幕領とが一ツ管轄に帰したのであるが、相変らず県令は置かれないで、参事として長州人江木康直氏が赴任した。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
ノキスズメ 同 宇摩うま
……ナニ……僕の日本語が巧妙うま過ぎる?……大きなお世話だ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
んと巧妙うま工夫くふうではありませぬか。
薄く、低く、土煙をげて、片側並木の、田圃道から、村の中へ、三十人余りの、乗馬うまと、徒歩かちの人々が、入って来た。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
圖「ところが先方むこう乗馬うまで」
あの円満うまびとが、どうしてこんな顔つきになるだろう、と思われる表情をすることがある。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ある円満うまびとが、どうしてこんな顔つきになるだらうと思はれる表情をすることがある。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
津の国にまでこの音いろがとどいたなら、右馬うまかみのところが分るだろうにと思うくらいだった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
頬はくぼみ眼はおとろえ、これが薄男の右馬うまかみとはどう考えても信じられぬほどであった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
『ラランよ、たべるものがあるならけてくれ。ずゐぶん旨味うまさうなおとだ。たのむよ。すこしでいいから。』
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
フトがつくと、さきんでゐるラランがなに旨味うまいものでもたべてゐるやうなおとをたてゝ、のど気持きもちよくならしてゐる。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
「それはごもっともさ。そうだけれども、馬上うまの合い乗りをするお客は毎日はありますまい」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
栗生くりう峠はなかなか難所だが馬で越すことが出来るそうだ。どうだ、一つ峠の凸凹道を馬上うまで越そうではないか」といい出したのは未醒みせい画伯。
(甲冑を着、太刀をき、あまつさえ、今朝からの戦いに疲れ果てた左馬介が、うまのまま湖上にのがれ得るはずはない)
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、宮中勘兵衛みやなかかんべえという者が、犬千代の右の眼へ、一矢いっし射たところ、犬千代は、矢も抜かずに、うまから跳び降りて、勘兵衛を首にし、信長に、首を献じたという男でもある。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母儀の死ぬのを待って仏道に入ればすべてがうまく行くように思えるが、しかしもし自分が先に死ねばどうなるか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
たがねえ多助さん、こうやって刺子さしッこの筒袖を着、膝の抜けた半股引を穿き、三尺帯に草鞋がけ、天秤棒を担いで歩くのだが、末には立派な旦那といわれるようにお互にならないではうまらない、旨い物は喰わず、面白いものは見ず、こうやって居るんだものを
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(いいえ、おもしろうござんすよ。こんなうまなりをして。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
でも、ちょっと含羞はにかんだか、日に焼けた顔を真赤まっか俯向うつむく。同じ色した渋団扇、ばさばさばさ、と遣った処は巧緻うまいものなり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、なか萬事ばんじ左樣さう幸運うまくかどうだか。