“うま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウマ
語句割合
21.9%
美味14.1%
13.1%
12.1%
10.9%
6.9%
6.8%
上手2.6%
2.3%
2.1%
1.6%
甘味1.0%
可味0.7%
甘美0.4%
0.4%
佳味0.2%
0.2%
宇摩0.2%
巧妙0.2%
右馬0.1%
旨味0.1%
馬上0.1%
0.1%
乗馬0.1%
円満0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
巧緻0.1%
幸運0.1%
0.1%
早産0.1%
0.1%
正午0.1%
0.1%
肥美0.1%
0.1%
胡馬0.1%
0.1%
駑馬0.1%
駿馬0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学者が聞いてあきれらあ。筆尖ふでさきうまい事をすりゃあ、おたなものだってお払箱にならあ。おう、そうそう。お玉は三味線が弾けたっけ。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
昨日きのふ美味うま最中もなかが出来たが今日けふの茶の時間には温かい饅頭まんぢうが作られた。晩餐には事務長から一同浴衣掛ゆかたがけよろしいと云ふ許しが出る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
逆らってもムダという理を会得するに至って逆わないのであるから、逆らえばもッとうまくいくという理が算定できればさからうのである。
武者ぶるい論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
可也かなり皮肉な出来事であつたからで、気の小さい、きまわるがり屋の彼は、うかしてうまくそれを切りぬけようと、頭脳あたまを悩ましてゐた。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
もつと衣服きものいでわたるほどの大事おほごとなのではないが、本街道ほんかいだうには難儀なんぎぎて、なか/\うまなどが歩行あるかれるわけのものではないので。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そしてちちのつもりでは、私達わたくしたち夫婦ふうふあいだ男児だんしうまれたら、その一人ひとり大江家おおえけ相続者そうぞくしゃもらける下心したごころだったらしいのでございます。
父の家厳いえとしを初め、城中の者が、こぞって案じていた一つの推定は、その日のうまの刻になって、不幸にも、適中していたことが知れた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私が自分に求めているだけの闊達かったつさ、強靭きょうじんさ、雄大さはまだわがものとしていません、まだその手前での上手うまさであり、しっかりさである。
自分は依然として病院の門をくぐったり出たりした。朝九時頃玄関にかかると、廊下も控所も外来の患者でいっぱいにうまっている事があった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その親が海に働こうとしてあかつきに浜に出たが、まだ夜が明けぬのでしばらく寄木を枕にして仮睡うたたねしていると、今ほど何某なにぼうの家に子がうまれる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
M君は食料品を大抵郷里から送らせてゐるほど郷土を愛してゐたが、彼自身はM君のやうに、総てのものがうまいと思ふほど主観的にはなれなかつた。
芭蕉と歯朶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
やゝしばらくすると大きな無花果の少年こどもほゝの上にちた。るからしてすみれいろつやゝかにみつのやうなかほりがして如何いかにも甘味うまさうである。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「皆んな其處で御膳ごぜんべてえ——。」と、京子は自分の枕から見えるところに、一同の膳を持ち出さして、可味うまさうに喰べるのを喜ばし氣に見てゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
唇がつけられないほど熱い酒だつたが、冷い舌に沁みて、しびれるやうに甘美うまかつた。親爺は臺所の電氣を店の間のさかひの障子ぎはへ引つぱつて來た。
(旧字旧仮名) / 林芙美子(著)
黒崎というところから出た名代なだい女夫饅頭めおとまんじゅう、「黒崎といへども白き肌と肌、合せてうまい女夫まんぢゆう」
りや、そつから佳味うまかねえなんていふもんぢやねえ、しくなるくせに」おつぎはこつそりしかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
此村あたりの娘には、これ程うまい話はない。二人は、白粉やら油やら元結やら、月々の入費を勘定して見たが、それは奈何いかに諸式の高い所にしても、月一円とは要らなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其處そここの鐵車てつしやつて、朝日島あさひじまきざんだ紀念塔きねんたうたづさへて、此處こゝから三十ぐらいの深山しんざん踏入ふみいつて、猛獸まうじう毒蛇どくじや眞中まんなかへ、その紀念塔きねんたうてゝるのだ、んと巧妙うま工夫くふうではありませぬか。
長崎円喜えんき、金沢ノ大夫たゆう宗顕そうけん佐介さかい前司ぜんじ宗直むねなお、小町の中務なかつかさ秋田あきたじょうすけ、越後守有時ありとき右馬うまかみ茂時しげとき相模さがみ高基たかもと刈田式部かったしきぶ、武蔵の左近将監さこんしょうげんなど、ひと目に余る。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひどい空腹すきはらの処へ、素的に旨味うまそうだから、ふうふう蒸気いきの上る処を、がつがつして、加減なしに、突然いきなり頬張ると、アチチも何もない、吐出せばまだ可いのに、かつえているので、ほとんど本能のいきおい
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
栗生くりう峠はなかなか難所だが馬で越すことが出来るそうだ。どうだ、一つ峠の凸凹道を馬上うまで越そうではないか」といい出したのは未醒みせい画伯。随分乱暴な話だ。
彼のうま鞍側くらわきには、首一つ、みやげにいつけられてあった。いうまでもなく、今川治部大輔じぶのだゆう義元の首級である。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの円満うまびとが、どうしてこんな顔つきになるだろう、と思われる表情をすることがある。其おももちそっくりだ、ともっともらしい言い分なのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
聖母の像ある家ごとに音信おとづれ來て、救世主のうまれ給ひしは今ぞ、と笛の音に知らせありきぬ。
媼はかく問はれても、顧みもせで我面のみ打ち目守り、詞をぎていふやう。賢き目なり。日の金牛宮を過ぐるときうまれぬ。名もたからも牛の角にかゝりたりといふ。此時母上も歩み寄りてのたまふやう。
要求強きところには必ず方法が見いだされる。母儀の死ぬのを待って仏道に入ればすべてがうまく行くように思えるが、しかしもし自分が先に死ねばどうなるか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
こうやって刺子さしッこの筒袖を着、膝の抜けた半股引を穿き、三尺帯に草鞋がけ、天秤棒を担いで歩くのだが、末には立派な旦那といわれるようにお互にならないではうまらない、旨い物は喰わず
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
(いいえ、おもしろうござんすよ。こんなうまなりをして。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
でも、ちょっと含羞はにかんだか、日に焼けた顔を真赤まっか俯向うつむく。同じ色した渋団扇、ばさばさばさ、と遣った処は巧緻うまいものなり。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし、なか萬事ばんじ左樣さう幸運うまくかどうだか。
伊勢は寂照寺の画僧月僊げつせんは乞食月僊と言はれて、幾万といふ潤筆料をめ込んだ坊さんだが、その弟子に谷口月窓といふ男がゐて、沈黙家むつつりやで石のやうに手堅いうまれつきであつた。
月満たずして早産うまれおちたすこやかな彼の初孫ういまごなんだ!……
灯台鬼 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
これだけのうちならうまく住みこなして見せるがなあ。
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それでも大急ぎで支度をして、二人が立ち出でたのは朝の巳刻よつ(十時)過ぎ。言葉少なに、平次が案内したのは、海雲寺の境内、その日正午うまこくに富突きを興行しようという、物凄い場所でした。
一〇八まどかみ松風まつかぜすすりて夜もすがら涼しきに、一〇九みち長手ながてつかうまねたり。
また『輟耕録てっこうろく』に漠北で羊の角を種えて能く兎の大きさの羊を生ず、食うに肥美うましとある(『類函』四二六)。
門人「どッこい、そううまくはいかんぞ」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『下学集』に胡馬うまの二字でウマなるを、日本で馬一字を胡馬うまというは無理に似たり、〈馬多く北胡にづ、故に胡馬というなり〉と説いたが、物茂卿が
仲々うまたくんだと思いましたが老人を殺せば倉子の亭主は疑いを受けて亡き者に成り其上老人の財産は倉子にころがこんで倉子は私しの妻に成ると云う趣向ですから石一個ひとつで鳥二羽を殺す様な者でした
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
(もつて二十をち得んや) はじめの駑馬うまをやらふもの
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「私は、彼の紫の霞の中から、戦ひに勝ち誇つた兄君の駿馬うまが、カラカラと鈴を鳴らして凱旋する時、さうして鞍の上の兄君の勇ましい御姿を、たつた今想像してゐるところでございます。」
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)